ハッピーカーズは2月28日、「退職金と早期退職がライフプランに与える影響」に関する調査結果を発表した。調査は2025年2月17日~2月19日、40~50代の会社員1,007人を対象にインターネットで行われた。

早期退職は魅力的?

  • 早期退職の募集があった場合、あなたにとってそれは魅力的な選択肢ですか?/どのような条件があれば、早期退職制度をより魅力的に感じますか?

「早期退職の募集があった場合、あなたにとってそれは魅力的な選択肢ですか?」と質問したところ、「とても魅力的に感じる(18.8%)」「やや魅力的に感じる(34.9%)」「あまり魅力を感じない(28.3%)」「全く魅力を感じない(18.0%)」という回答結果になった。魅力を感じる人、感じない人の割合はほぼ同じであることがわかった。

前の質問で、「あまり魅力を感じない」「全く魅力を感じない」と回答した人に、「どのような条件があれば、早期退職制度をより魅力的に感じますか?(上位3つまで選択可)」と質問したところ、「退職金の大幅な割増額が支給される場合(64.4%)」との回答が最も多く、次いで「退職後の生活費が十分に確保できる場合(36.5%)」「再就職支援が充実している場合(35.4%)」となった。退職金の増額が最も多く、他にも退職後の生活費を確保できる、再就職支援の充実といった条件があれば魅力的だと感じることがわかった。

  • 早期退職制度を、魅力的だと感じている理由を教えてください/早期退職後の進路として、あなたの考えに近いものを選んでください

先程の質問で「とても魅力的に感じる」「やや魅力的に感じる」と回答した人に、「早期退職制度を、魅力的だと感じている理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、「早期退職制度の条件が良さそう(52.1%)」と回答した人が多く、次いで「仕事のストレスが大きい(32.2%)」「給与や待遇に不満がある(26.3%)」となった。

続いて、「早期退職後の進路として、あなたの考えに近いものを選んでください」と質問したところ、「フルタイムで安定した職場で働く(49.5%)」と回答した人が最も多く、次いで「パートタイムや契約社員など柔軟に働く(22.4%)」「起業やフリーランスとして働く(10.5%)」となった。多くの人が退職後も安定した収入を求めており、完全にリタイアするのではなく、働き方の選択肢を広げたいと考えていることがうかがえる結果となった。

想定している退職金

  • あなたが想定している退職金を教えてください

「あなたが想定している退職金を教えてください」と質問したところ、「500万円未満(22.3%)」「500万円~800万円未満(16.1%)」「800万円~1,200万円未満(17.9%)」「1,200万円~1,800万円未満(13.3%)」「1,800万円~2,500万円未満(14.1%)」「2,500万円以上(16.3%)」となった。

「500万円未満」や「800万円~1,200万円未満」が上位になったが、想定している退職金の金額には幅があり、個人の勤続年数や企業の制度による違いが大きいことがうかがえる。

現在の退職金は長く勤続した方ほど税金が軽くなる仕組みになっているが、政府はこのような退職金課税制度の見直しを検討したこともあり、今後支給額が減る可能性もある。そのことについてどのように考えているのか詳しく聞いたところ、「より転職を加速させるような気がする」(40代/女性/大阪府)、「納得できる説明が必要」(50代/男性/神奈川県)、「減る前に早期退職したい」(50代/男性/愛知県)、「退職金を踏まえて人生設計しているので非常に困る」(50代/男性/埼玉県)といった回答が寄せられた。

退職金の支給額が減る可能性について、納得できる説明が必要、勤続年数が関係ないのであれば転職する方が増えそう、退職金を踏まえて人生設計をしているので困るといった意見が見られた。

退職金に代わる収入確保の必要性

  • 退職金に代わる資金を準備していますか?/資金の準備を十分にできていない理由として、最も当てはまるものを選んでください

「退職金に代わる資金を準備していますか?」と質問したところ、「十分に準備できている(3.2%)」「多少準備できている(23.4%)」「あまり準備できていない(37.9%)」「全く準備できていない(35.5%)」という回答結果になった。「十分に準備できている」「多少準備できている」と回答した人は少数で、大多数の方が退職金に代わる資金の準備は十分にできていないようだ。

では、どのような理由で資金を十分に準備できていないのだろうか。前の質問で、「多少準備できている」「あまり準備できていない」「全く準備できていない」と回答した人に「資金の準備を十分にできていない理由として、最も当てはまるものを選んでください」と質問したところ、「子どもの教育費や家族の支出が優先されているため(26.4%)」との回答が最も多く、次いで「物価高騰で生活費が増えたため(25.4%)」「計画を立てていなかったため(15.4%)」となった。子どもの教育費や家族の支出、物価高騰による生活費の増加などが資金の準備に大きく影響していることがわかった。

退職金に代わる資金を準備する計画を立てていなかった人もいるようだが、退職金に代わる収入確保の必要性を感じている人はどの程度いるのだろうか。退職金制度がない会社に勤めている人に、「退職金に代わる収入確保についてどの程度必要性を感じていますか?」と質問したところ、約8割が「とても感じている(39.9%)」「やや感じている(37.9%)」と回答した。大多数が、退職金に代わる収入を確保する必要性を感じていることが明らかになった。

キャリアを見直すべきタイミング

  • ご自身のキャリアを振り返った際、"どのようなときに"行動を起こせば退職後の不安軽減に繋がると思いますか?

では、退職後の不安を軽減するためには、どのようなタイミングで行動を起こすことが重要だと思っているのだろうか。

再び全員に、「ご自身のキャリアを振り返った際、"どのようなときに"行動を起こせば退職後の不安軽減に繋がると思いますか?」と質問したところ、「昇進や昇給の限界を感じたとき(36.1%)」と回答した人が最も多く、次いで「上司や経営層からのサポートや期待を感じないとき(15.2%)」「自身のスキルや経験が不足していると感じたとき(14.2%)」となった。キャリアの行き詰まりや、自身のスキルや経験不足を感じたときに、将来を見据えた行動を起こすことで不安を軽減できると思っていることがわかった。