京王電鉄は8日、サンリオキャラクターのラッピングトレインと9000系の車両リニューアルに関するプレス向け取材会を実施した。10両編成の9000系をリニューアルし、あわせてサンリオキャラクターのラッピングトレインも装いを一新。3月10日から営業運転を開始する。

  • 京王電鉄が9000系10両編成をリニューアル。サンリオキャラクターのラッピングトレインがリニューアルの1編成目に
    (C)2025 SANRIO CO.,LTD. TOKYO,JAPAN 著作 株式会社サンリオ

同社の9000系は2000年12月に営業運転を開始。8000系よりさらに軽量化したステンレス車体とし、VVVFインバータ制御装置を採用するなど、一層の省エネルギー化を図った。2006年には、都営新宿線への乗入れ仕様となった9000系も登場。現在、8両編成(8編成、計64両)と10両編成(20編成、計200両)の9000系が活躍しており、このうち都営新宿線にも乗り入れる10両編成の9000系を順次リニューアルしていく。装いを新たにしたサンリオキャラクターのラッピングトレインが、9000系リニューアルの1編成目となり、運行開始に先立ち報道関係者らにお披露目された。

ハローキティをはじめとしたサンリオキャラクターのラッピングトレインは、2016年3~8月に初代となる車両を運行した後、2018年11月に2代目の車両が登場。10両編成の9000系1編成(9731編成)にフルラッピングを施し、やさしい色合いのピンク色を基調に、サンリオキャラクターと花をデザインに取り入れ、華やかでかわいらしいサンリオの世界観を表現していた。2代目の車両は約6年間にわたり運行され、2024年8月をもって旧デザインでの運行を終了している。

新デザインとなったサンリオキャラクターのラッピングトレインも9731編成を使用。サンリオのかわいらしい世界観はそのままに、京王多摩センター駅(サンリオピューロランドの玄関口)の装飾に合わせたシックな色合いの外装ラッピングを施した。車体前面から側面(乗務員室ドア付近)にかけて、落ち着いた色味の濃紺とゴールドを基調にデザイン。車体前面の窓下、前照灯・尾灯の上部に京王電鉄の制服を着用したハローキティとシナモロールが登場している。車体側面のドア横に配置したサンリオの人気キャラクターたち(計8キャラクター×各2ポーズ)も京王電鉄の制服を着用しており、鉄道員をほうふつとさせるポーズのキャラクターもいるという。

  • ハローキティとシナモロールが登場し、サンリオキャラクターのラッピングトレインとフォトセッション
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  • サンリオキャラクターのラッピングトレインは車体前面をフルラッピング。側面は部分ラッピングとし、京王電鉄の制服を着用した人気キャラクターたちをドア横に配置した

2代目はフルラッピングだったが、3代目は車体前面のみフルラッピングとなっている。これに関して、報道関係者らとの質疑応答で、「車体の正面と側面に少しメリハリをつけたいというのと、今回のラッピングで初めて当社の制服を着用したキャラクターもいるため、そちらを極力目立たせたいという意図もあり、側面は少しシンプルにしました。内装もシックになっているので、フルラッピングだと重々しい印象がつきすぎてしまうのでは…という思いもありました」と説明があった。東京都屋外広告物条例に関連した質問もあったが、「今回は前向きな理由で、シンプルにフルラッピングよりも部分ラッピングのほうがより際立つのではないかと考えています」と答えていた。

サンリオキャラクターのラッピングトレインを公開するにあたり、ハローキティとシナモロールも登場し、フォトセッションが行われた。ハローキティは京王電鉄の制服を着用し、ときおり敬礼する場面も。サンリオキャラクターのラッピングトレインにヘッドマークを掲出したほか、種別・行先表示器のフルカラーLEDを活用し、ハローキティとシナモロールのイラストも表示された。