ピン芸日本一決定戦『R-1グランプリ2025』。過去最多5,511人のエントリーの中から決勝戦(カンテレ・フジテレビ系、8日18:30~生放送)に駒を進めたのは、ヒロ・オクムラ、チャンス大城、田津原理音、ハギノリザードマン、ルシファー吉岡、吉住、さや香 新山、友田オレ、マツモトクラブの9人だ(※決勝戦ネタ順)。

ファイナリスト9人へのインタビューを、決勝戦前日まで紹介。『R-1』史上最年長ファイナリスト、史上初となる50代での王者奪取を狙うチャンス大城は「“おっさんも出れる甲子園”。世の中の50代・60代の人を背負う気持ちで頑張ります!」と意気込む――。

  • チャンス大城

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年を取れば取るほど賞レースって出にくくなる

――決勝戦進出が決まった瞬間を振り返ってみていかがですか?

本当に今も夢を見ているみたいです。あの日から半分寝ているような、半分起きているような…仮想現実みたいな不思議な感覚で。決勝に行くなんて本当にありえるの? って。1人の人間がお笑い芸人を目指して、賞レースの決勝に行ける確率って、不可能に近い“欠片”みたいなもの。そこに自分が入れたというのは、今でも信じられないですよ。こんな“どポップ”な、ど真ん中、王道を。決勝に行けたというだけで、もう“面白いですよ”って宣伝されているようなものですからね。

――発表の瞬間は、驚いた表情をされていました。

子どもの頃から思い込むくせがあって。自分のエントリー番号は5000番台だと思っていたんですよ。だから、“3205番”って言われても、絶対僕じゃない、間違いだと思ったんです。そのあと“衣装にエントリー番号のシール貼ってるんで!”ってカバンを開けて、“ほら!”って出して…そのまま土下座をしました(笑)。

――『R-1』史上最年長、50歳でファイナリストとなりました。『R-1』にかける思いを教えてください。

50歳なんて、もう基本は賞レースとか出ないですよね。体力もそうですし、どうしても若い子にネタで勝てなくなるし。奥さんや子供もいて、責任とかいろいろな“重り”が背中に乗っかってくるので、年を取れば取るほど賞レースって出にくくなると思うんです。

2021年から3年間は、“芸歴10年以内”というエントリー制限もありました。僕は、“売れていないおじさん・おばさん芸人はいらないんだ”と、そう言われたような気がしたんです。でも、ちょっと待ってくれよ、と。俺たちはまだネタができる。ちゃんと4分のネタができる! それを証明したかったんです。

世の中にいる50代・60代の、芸人・俳優さん・ミュージシャンさん・サラリーマンさん…すべての方に見てもらいたいんです。若くてすごい発想をするやつらの中に、おじさんが飛び込んで頑張っている姿を。自分のために出るのは当たり前なんですけど、自分のため“だけ”に出るのはやめようと思ったんですよ。かっこつけすぎかもしれませんけど、世の中の50代・60代の人を背負う気持ちで頑張ります。“まだやれるんだぞ!”というところをアピールしたいです。

あと、劇場の出番もほしいので(笑)。「チャンス大城、『R-1』の決勝で頑張ってるやん!」っていうところを見てもらいたいですね。

中学時代の親友の息子が友田オレと同世代

――ファイナリスト9人を見て、特に意識する方はいらっしゃいますか?

友田オレくんが芸歴3年目(23歳)…若いですね。3年目で『R-1』の決勝行くなんて、本当にすごいと思います。僕が3年目の頃なんて、ほんまにカスみたいなネタやって1回戦ですぐ落ちていたので。

そういえば、僕の中学校時代の親友の息子が“伝書鳩”というトリオを組んでいて『キングオブコント2023』で準決勝まで進んだんですよ。友田オレくんとほとんど同い年で。だから今回は、自分の息子くらいの年の子と戦うことになる。それはもう“発想”では勝てないと思うんですけど、お父さん・お母さんくらいの年のやつでも、やれるんだぞ!というところを見せつけたいですね。

あと、ヒロ・オクムラは地下(劇場の)ライブで一緒に戦ってきたので、“あの頃”を思い出してアツくなってくれる人もいるかもしれないです。(決勝戦のネタ順)1番ヒロ・オクムラ、2番チャンス大城で、“地下魂”を見せつけたいです!

――“これだけはファイナリストの誰にも負けない!”と誇れる強みはありますか?

音マネ、音のクオリティーは誰にも負けないですね。“起承転結”はファイナリストの中で一番苦手ですけど(笑)、“なんじゃこれ?”というのは、見せられると思います。もうファイナリストの皆さん、天才ばかりですよね。高校野球に例えると大阪桐蔭、天理、智辯和歌山、履正社…最強軍団。そんな中で僕は…いや、いらんこと言わんとこ(笑)。でも、とにかく頑張ります!

――決勝戦のネタで注目してほしいところはどこですか?

マニアックなネタで取っつきにくいと思うんですけど、ちょっと我慢して向き合ってみてほしいです。“1回この人の映画を見てみようか”というような気持ちで、だまされたと思ってじっくり見てください!

――視聴者の皆さんに伝えたいことはありますか?

ギャグ・モノマネ・1人芝居・小話…全部入っていて、“幕の内弁当”みたいにしています。色は悪いですけど(笑)、1回口にしてみてください! よろしくお願いします。

――決勝戦に向けて意気込みをお願いします。

天才ばかりに囲まれていますが、関係ないです。あの人がウケたとかも気にしない。敵が誰であろうが、僕はただ4分をやり切る。それだけです!

――最後に、チャンス大城さんにとって『R-1グランプリ』とは?

「おっさんも出れる甲子園」です。甲子園は高校を卒業したら出られないけど、おっさんになってもまだ目指せる、青春できる、そして自分の力を証明できる場所。世間の皆さん、業界の皆さんに自分の力を見てもらいたいですね。


決勝戦のネタ尺は4分。ファイナリスト9人が争うファーストステージは、審査員による得点審査。ファーストステージの上位3人が進むファイナルステージは、審査員による決選投票が行われ、その結果で、優勝者が決定する。

決勝戦のMCを務めるのは、5年連続のタッグとなる霜降り明星&広瀬アリス。審査員は、4年連続の顔ぶれとなる陣内智則、バカリズム、小籔千豊、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、ハリウッドザコシショウに加え、新たに2人を迎えた7人体制となる。この2人の詳細は、決勝戦当日の8日(15:00~ ※一部地域除く)に放送される『霜降り明星のR-1グランプリを100倍楽しく見るTV』内で発表予定。