永谷園は3月3日、電子レンジで簡単に調理できるおかずの素「本日の逸品」(全8種類)を発売した。希望小売価格は324円。本格的なおかずを手軽に食べられる、大人の2人家族に向けた商品となっている。永谷園の担当者が商品の特徴について説明した。

  • 永谷園が、おかずの素「本日の逸品」を発売

■気になるラインナップは?

「本日の逸品」は、中華5品+和風3品で展開する。どれも必要な具材を専用パウチに入れてチャックを閉め、電子レンジで加熱するだけで完成する。

  • 「本日の逸品」のラインナップ

・『広東風麻婆豆腐 やや中辛』。用意する食材は豆腐。豆鼓醤の深みに、オイスターソースの風味。ごま油とねぎ油が美味しさを引き立てる。

・『四川風麻婆豆腐 中辛』。用意する食材は豆腐。豆板醤、甜面醤(テンメンジャン)、豆肢醤で辛さと旨味を引き出した。

・『麻婆茄子 中辛』。用意する食材はなす。オイスターソースの旨味に、甜面器+豆板醤でコクを出した。隠し味に黒酢を使っている。

・『すき焼き風肉豆腐』。用意する食材は豆腐。みりんの甘さとコクに、牛肉、牛脂、ねぎの濃厚な旨味が特徴。

・『豚バラ大根』。用意する食材は豚バラ肉、大根。2種類のしょうゆでコクと旨味を出した。本枯れ節の香りが広がる。一味唐辛子がアクセントになっている。

・『ふんわりかに玉』。用意する食材は卵。たけのこ、人参、かに肉、椎茸入り。卵を用意するだけで、かにの旨味が楽しめる。

・『なすの肉みそ』。用意する食材はなす。2種類の味噌を使い、旨味を引き立てた。唐辛子とにんにくがアクセントになっている。

・『青椒肉絲』。用意する食材はこま切れ肉(牛もしくは豚)、ピーマン。オイスターソース、帆立エキスの2種の旨味に黒胡椒が効いている。

  • 『広東風麻婆豆腐』の場合。豆腐1丁(約350g)をさいの目に切って袋に入れてチャックを閉め、レンジで加熱する

  • 『青椒肉絲』の場合。牛または豚のこま切れ肉150gを袋に入れてチャックを閉め、レンジで加熱。その後、袋にピーマンを入れて2回目の加熱で完成する

『ふんわりかに玉』の調理工程は、以下の通り。卵3個をボールでよく溶きほぐして専用パウチに入れ、中のソースなどと混ぜたらチャックを閉める。袋を立てた状態で電子レンジに入れて、600Wなら約6分(500Wなら約7分)加熱すれば完成する。

  • 調理イメージ。手間が要らず、汚す調理器具も最小限で『ふんわりかに玉』が完成する

レンジパウチのスチーム製法により、フライパンでは再現できないようなふんわり食感を実現した。2種類のかにエキス+かに肉を使っており、かにの香りや旨みがしっかりと感じられる仕上げになっている。

  • 専用パウチを開けてお皿に移してできあがり。かに玉の良いにおいが広がる

■時代に寄り添う新ブランドに

永谷園 マーケティング本部 企画マネージャーの藤村裕氏は、1980年代にファミリー世帯に向けて発売した「麻婆春雨」、そして1990年代に個食ニーズに応えて発売した「煮込みラーメン」といった往年のロングセラー商品を振り返る。「時代とともに家族のあり方が変わる中、永谷園では『日常の食卓に寄り添いたい』という気持ちで新商品を提案してきました」と藤村氏。そのうえで「近年では、世帯構成の少人数化が進んでいます。そこで2人世帯のお客様が日々の暮らしを自分らしく豊かに過ごせるように、との思いを込めて開発したのが新ブランド『本日の逸品』になります」と紹介する。

  • 永谷園 マーケティング本部 企画マネージャーの藤村裕氏(左)と、開発担当者の佐藤志保氏(右)

商品開発を担当した佐藤志保氏は、「本日の逸品」について「定番のおかずが手間なく本格的に仕上がるおかずの素です。ちょっと良いものを味わいたい、という大人が満足できる味付け、そして世界観になっています」とアピールする。

ターゲット層のひとつに想定しているのが、シニア層(60代以上)の2人世帯。藤村氏は「シニア層のお客様は料理を手作りしたい気持ちはありつつも、手間は減らしたいと思っています。体力の低下があり身体的な負担は減らしたい、そして自分の時間を過ごしたい、頑張り過ぎない心地良い暮らしを送りたい――。最近では、仕事に定年があるように調理に定年があっても良い、ということで『調理定年』という考え方が提唱されて共感を呼んでいます」と紹介。「本日の逸品」は、そんなお客様のお悩みに寄り添える商品になっています、と強調した。