パナソニックは2月4日、室内での花粉対策に関する調査結果を発表した。調査は2025年1月8日~1月11日、20~60代の男女524名を対象にインターネットで行われた。
室内の花粉対策、困りごとは?
「ご家庭に花粉にお困りの方はいますか?」という質問では、「自分」47%、「パートナー」24%、「子ども」16%という順に多く、68%が家庭内に花粉に困っている人がいることがわかった。
自身を含め、家庭内に花粉症で悩んでいる人がいる方を対象に、室内での花粉対策をたずねたところ、「空気清浄機の使用」42%、「室内干し」36%、「窓を開けない」33%が上位の回答となった。わずかながら「エアコンの使用を控える」と回答した人も3%いたが、エアコンは部屋の空気を吸い込んで、暖めたり冷やしたりし、再び室内に吹き出すのが基本動作。そのため一般的にはエアコンから花粉が入ってくる心配はないので、使用を控える必要はないという。
つづいて、「室内の花粉対策でお困りごとはありますか?」と質問したところ、「効果があるのかわからない」35%、「何をしたら良いかわからない」30%という結果に。
花粉が家の中に入り込むのはナゼ?
快適な室内環境にするコツを、花粉対策に詳しい住生活ジャーナリストの藤原千秋さんが解説している。密閉されていると考えがちな家の中だが、生活の中で人や空気の出入りが頻繁に行われている。日常の暮らしの中で、花粉はどのように家に入ってくるのか。
実は家の中に花粉を多く持ち込んでいるのは「人」。花粉が飛散している季節には、外を出歩く身体にも花粉は多く付着するという。よく、髪や顔、上半身の衣類に付くと言われるが、盲点なのがパンツやスカートの裾。地面に落ち、舞い上がった花粉が付いてしまうことも。特にウール(羊毛)などフワッとしたテクスチャの衣服に付きやすい傾向が強い。逆に表面がツルっとした綿やポリエステルなどの素材は付着しにくく、環境省によればウールは綿と比較すると約10倍近く花粉の付着量が多くなるという。またこの"持ち込み花粉"は、家族の数が多いほど、また家の出入りが多いほど増えるため注意が必要となる。
ペットと花粉の関係
近年では人のみならず、犬や猫といったペットへの花粉の影響も問題になっている。特に屋外を散歩する犬は地面に落ちている花粉が付着しやすいという。そのため、お散歩の時間帯やお散歩後のケア、お掃除の頻度など気をつけてあげる必要がある。
実は家の中のこんな所に花粉は潜んでいる
屋内に入った花粉は人や空気の動きで舞い上がり、そして上から落ちてくる。ホコリと一緒で、面の部分に溜まっていることがほとんど。また自然と部屋の隅に花粉が溜まっていくほか、静電気が発生しやすい家電製品の裏も集まりやすいポイント。玄関や屋内の床、家具の上面や裏に加え、窓サッシや網戸、そしてカーテン、ソファー、ラグマットなどの布製品にも付着しやすいので注意が必要だという。
花粉の屋内への侵入、対策は?
生活の中で知らず知らずのうちに、家に入ってきてしまう花粉。その悩みから解放されるには、「落とす」「除去する」の2つがポイントになる。
身体に付いた花粉は、玄関先で十分に落とす
室内への花粉侵入を防ぐ第1のポイントは、身体や衣服に付着したものを玄関先で十分に落とすということ。衣服やバッグなどの携行品に付いた花粉は玄関先で、コロコロと回す粘着ローラーや衣類用ブラシで落とすことができる。ブラシは樹脂製のものだと静電気が発生して、かえって花粉を引き寄せてしまうことがあるので注意が必要だという。靴もブラシでしっかりはらうことが大切。お散歩から帰ってきたペットは、濡れたタオルで毛を拭くことができる。
室内掃除をする時は花粉を舞い上げない方法を
花粉に悩まされにくい室内環境を整えるには、定期的なお掃除が大切。人や空気の流れがなければ花粉は自然に落ちてくるので、人の動きがない早朝は掃除におすすめだという。
掃除をする時には窓をおもいっきり開けて換気をする…という人がいるが、せっかく除去した花粉が屋外から入ってきてしまうので、なるべく避けたいところ。換気扇や空気清浄機の併用が推奨される。
屋内の花粉掃除には水拭きがベスト
花粉除去には水拭き掃除がおすすめだという。木製のフローリングや樹脂製の床材、畳などであれば拭き掃除を行い、その後、掃除機を使用できる。カーペットが敷いてある場合は掃除機を初めから使うが、床を転がして使うキャニスター掃除機は排気が後ろに出るため、動かすと花粉が舞い上がってしまうことも。どちらかといえばスティックタイプがおすすめだという。
家具や家電に付いた花粉やホコリは、ハンディワイパーが便利。もしくはタオルに中性洗剤を少しスプレーして、拭き取ってもOK。布製品は、掃除機か粘着ローラーを使うことができる。
ホコリが溜まりがちな給気口は、掃除機に隙間ノズルかブラシノズルを付けて掃除を。また、あらかじめ給気口に専用フィルターを付けておくと集じんができ、掃除の労力も大幅に省くことができる。サッシや網戸の掃除も定期的に行いたい。
ちなみに、最も花粉が落ちやすいのは、洗面所(脱衣所)とトイレだとか。どちらも衣服の着脱回数が多い場所のため、この2カ所は、まめな掃除が推奨される。
空気清浄機や花粉対策
日常的な空気清浄機の使用も対策のひとつ。空気中のごく小さな粒子を捕集することができる「静電HEPAフィルター」を使った空気清浄機なら、直径およそ30µmと言われている花粉をしっかり捕集。さらに、ほこりや黄砂、ウイルスなど、空気中の汚れをしっかりキャッチしてくれる。