近畿経済産業局は2月3日、企業の省エネに取り組む当局所属の省エネ技術指導員4名が登場するトレーディングカード「省エネおじさんカード」を制作し、公開した。

  • 「省エネおじさんカード」

    「省エネおじさんカード」

同カードを制作するにあたり、行動経済学者の竹林正樹氏(青森大学客員教授)が監修、デザイナーの壽山吉隆氏(HAREBARE inc.)がデザインを担当し、カードには、企業の省エネに取り組む近畿経済産業局所属の省エネ技術指導員4名が採用されている。

近畿経済産業局エネルギー対策課では、近畿管内の企業(主に中堅・中小企業)のカーボンニュートラル促進をミッションとしており、金融機関や中小企業向けに研修を行っているが、研修で理解は促進されるものの、「コンプレッサ」や「インバータ」などマニアックな用語が度々登場するため、実際の現場で一歩進んで実際の省エネアクションに進んでもらうことに課題があったという。

  • 「省エネおじさんカード」

    「省エネおじさんカード」

そこで、各企業とのネットワークを持つ金融機関に向けて、実際の省エネ事例とその効果をわかりやすく紹介するツールとして「省エネおじさんカード」を制作することに。行動経済学「ナッジ」理論から、ゲーミフィケーションや損失回避バイアスの要素を取り入れ、「会社の照明を高効率照明に交換」「コンプレッサの吐出圧力を減らす」などの省エネ対策によって、CO2がどのくらい削減されるか、コストが何円削減されるかをわかりやすくデザインされている。また、火・水・風・光などの属性と、カードに記載されたCO2削減量で誰でも簡単にカード対戦ができ、コミュニケーションが取れることも大きな特徴となっている。

同局は今後、この「省エネおじさんカード」を地域の金融機関・中小企業向け研修イベントやカーボンニュートラルのプロモーションに活用し、企業の脱炭素実現に貢献していくという。