お笑いコンビ・フットボールアワーが、4月13日に大阪・なんばグランド花月、4月19日に東京・ルミネtheよしもとで単独ライブ「フットボールアワー 25」を開催することが決定した。2010年7月に行った「ドレキグラム'10」以来、約15年ぶりの単独ライブとなる2人にインタビューし、開催を決めた思いや漫才への思い、そして2人の関係性の変化など話を聞いた。
「15年ぶりですけど構想2カ月」 コロナ禍で再確認した漫才への思いも
昨年結成25周年を迎えたフットボールアワー。今回の単独ライブは会社からの提案だったという。
後藤は「会社から『イベントやりませんか?』と言われて、いろいろタイミングがよかった。コンビの関係性も然り、アキナがコントライブに呼んでくれたり、漫才もいっぱい作っておかなネタないなとか、いろいろ重なって」と開催を決意した思いを述べ、岩尾は「僕から言い出すタイプではないので、言うてくれたらやるのになと思いながら過ごしていた。去年が結成25周年で、このまま25周年も過ぎていくかと思っていたんですけど、マネージャーから言われ、いいタイミングだと思ってやることにしました」と語った。
話を聞いたのは去年の秋頃で、開催を決めたのは年末とのこと。岩尾が「15年ぶりですけど、それに費やしているのは2~3カ月ぐらい」と言うと、後藤も「構想2カ月です」と笑った。
2003年に『M-1グランプリ』で優勝し、今でも劇場で漫才を披露し続けている2人。テレビのバラエティでも活躍し、個人でも活動しているが、漫才は2人にとって「軸」だという。
後藤は「コロナ禍でテレビの収録がどんどんなくなっていったときに『俺はいったい何屋さんですか』と。『あ~漫才師か』というのがあって、劇場の出番を増やしてくれとお願いした覚えがあります」とコロナ禍で改めて漫才師だということを再確認したと言い、「劇場に関しては今までどんだけ忙しくても欠かしたことはない。我々としては続けているイメージ。『久しぶりに漫才やっている』という声を必ず聞きますが、そういう声を聞くと寂しくはありますね。テレビで漫才やるのは1年に多くて4回。なかなか全員に届くわけもなく」と吐露する。
岩尾も「2人だけしかいないので一番自由に、その分、言い訳もきかない。だから一番しっかりしとかなあかんものであり、一番楽しくやれるものでもある。漫才・コントこだわらず始めたんですけど、気づけば漫才師、漫才が芯になっていましたね」と漫才への思いを述べ、今回の単独ライブで漫才師であるということを「しっかり見てもらいたい」と期待。「プラス、コントもやんねんでって」とも話した。
結婚・子供誕生で後藤が優しく!? 岩尾「絶対離婚しないでほしい」
15年前と比べて、コンビの関係性はどのように変化してきたのだろうか。
岩尾は「今と比べたら15年前は仲悪かったんやろうなと、思い返すと思うような関係。それが改善されたという感覚はあまりないけど、周りから『昔に比べたら全然いい感じになっている』と言ってくれる人がいるので、年も取ったし、そういうことで徐々に変わっていったかなと。ネタ作りをしていても、前はお互い作家さんにしかしゃべらない。今は2人でもしゃべるようになっている」と説明。
後藤は「とにかくムカついていました。頑張らなっていうところで、なかなかコイツ行かんなとか。俺は頑張っているのにお前はなんだって。各々仕事するようになって、そのへんがあまりなくなったかもしれない」と過去に抱いていた思いをぶっちゃけ。また、「昔は、水の飲み方がムカつくとか、そんなところから腹立ちますから。『飯の食い方、歩き方から全部腹立つ』と言うと、『よう見てるな。嫌やったら見ない』と言われて。だから気にはなっているんでしょうね。おもしろがり方が変わってきているんでしょうね」と話した。
そんな後藤の変化について岩尾は、プライベートも影響していると分析。「直接的に言ってくるわけではなく、でもギスギスした空気がずっと流れているような時期がけっこうあって、それが徐々に、(後藤が)結婚し、子供ができて親になり、そういう幸せをつかんだから、全体的に優しく。だから絶対離婚とかしないでほしいなと。プライベートの充実とか、成功を収めたことによって、こっちへの優しさが生まれたかなと思うので、引き続き奥さんには頑張ってほしい」と話して笑いを誘った。
今後の単独ライブの可能性「ずっとやりたいと思えたらいいなと」
15年前とは関係性も変わった2人による今回の単独ライブ。来年以降もやっていきたいと思う可能性もあるようで、後藤が「ライブは蓄積だと思う。30年頑張ってきましたけど、やっておいたらよかったなと思うところがそこ。そういうのにつながればええなと思っています」と期待を込めると、岩尾も「ルミネもNGKもずっと毎月出させてもらっていて、舞台に立つことが楽しいと常に感じている。単独にこだわらなくてもええやんっていう思いもあったんですけど、今回やって、やっぱ自分らだけでやるライブは楽しいからずっとやりたいと思えたらいいなと思います」と同調した。
ポスタービジュアルは、YouTubeの企画で2年前に撮影した後藤の愛犬と岩尾の愛犬の2ショット。後藤は「合成みたいに見えるんですけど、実際この2匹が並んで撮った写真なんです。コンビみたいな顔しているなって。イメージを象徴しているような。何かの機会あったらポスターこれにしたらええねんって。我々も写真撮っていろいろやってもらったんですけど、結局これが一番よかった」と述べ、岩尾が「(自分たち)立ち位置通り」と言うと、後藤も「偶然なんです」と話していた。