スコラ・コンサルトは1月23日、「組織に関するアンケート調査」の結果を発表した。調査は2024年10月18日~10月22日および11月14日~18日、社員100名以上の企業の一般職・管理職・役員6,186人を対象にインターネットで行われた。
今のチームのメンバーでいることに満足している?
「今のチームのメンバーでいることに満足している」(「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」の合計)割合は、20代は54.0%、30代は43.5%、40代は42.4%、50代は43.9%、60代は50.6%と、40代が最も低い。40代は20代より11.6%低く、60代より8.2%低い。
「今のチームのメンバーでいることに不満」(「そう思わない」と「どちらかと言えばそう思わない」の合計)割合は、20代は15.4%、30代は22.3%、40代は24.8%、50代は22.6%、60代は14.9%であり、40代が最も高かった。
現在の職場への不満
「あなたは、現在の職場にどのような不満を持っていますか」と質問したところ、上位10項目のすべてで40代の回答が最も多いという結果に。グラフから外れた11位以下も含む全選択肢の20項目について、回答の合計ポイント(各選択肢のパーセンテージの合計)は、20代は148.9ポイント、30代は186.5ポイント、40代は213.2ポイント、50代は185.5ポイント、60代は167.0ポイントと、40代の不満の回答が最も高かった。
40代の回答の上位3つは、「一部の人に業務が集中している」(26.7%)、「社員のそれぞれの仕事が手一杯で余裕がない」(22.9%)、「仕事を怠ける、サボる社員がいる」(20.4%)だった。
直属の上司への不満
「あなたの直属の上司について、あなたが不満に思うことは何ですか」と質問した。上位10項目のうち7項目で、40代の回答が最も多いという結果に。グラフから外れた11位以下も含む全選択肢の22項目について、回答の合計ポイント(各選択肢のパーセンテージの合計)は、20代は139.4ポイント、30代は168.9ポイント、40代は194.7ポイント、50代は168.2ポイント、60代は177.3ポイントと、40代の不満の回答が最も多かった。
40代回答の上位3つは「部下への仕事の配分が適切でない」(16.9%)、「上の役職者の顔色ばかりを気にしている」(15.9%)、「部下への教育や助言が不十分」(15.9%)だった。
現在の仕事への不満
「あなたは、現在の仕事にどのような不満を持っていますか」という質問でも、上位10項目のうち7項目で、40代の回答が最も多いという結果に。
グラフから外れた11位以下も含む全選択肢の16項目について、回答の合計ポイント(各選択肢のパーセンテージの合計)は、20代は160.6ポイント、30代は188.0ポイント、40代は212.8ポイント、50代は185.2ポイント、60代は138.7ポイントと、40代の不満の回答が最も多い。
40代の回答の上位3つは、「仕事の負担やストレス、プレッシャーが大きすぎる」(27.4%)、「仕事に必要なリソース(人、モノ、金)が不足している」(26.8%)、「仕事の進め方が非効率的すぎる」(19.8%)だった。
世代が違う人と接する中で最も驚いたこと・困ったこと
「あなたが仕事をしていて、世代が違う人と接する中で最も驚いたこと・困ったことは、どのようなことですか」と質問した。
40代が下の世代(20代~30代)と接して驚いたこと、困った経験としては、「同じミスを指摘した際に、すぐに泣かれてしまった事。何も厳しい口調もしていないのにどのように接していいのかわからなくなった。あまりにも怒られ慣れていない」「プライベートな誘いは、ほとんど断る」「仕事を休むことに対する罪悪感がないこと」「先輩や取引先に対してタメ口で話していることに驚いた」「すぐに結果を求めたいのか、そこまでに必要なプロセスを無視したがる」「自分で調べたりせず、全部質問してくる」「無断欠勤、欠勤連絡をLINEでする」などの回答が寄せられた。
40代が40代後半~60代と接して驚いた・困った経験には、「定時で帰るより残業しているほうが仕事をしていると思っている」「自分の成功体験を元に話をしたがる、また強要する」「昔のやり方にこだわり、現在のもっと効率的なやり方を取り入れようとしない」「男性は電話をとらない。女性の仕事と思っているようで、出ない」「力仕事でもないのに、女性には任せられないと言われて驚いた」「メールでのやり取りをしないで、電話で連絡を取るように指示された」「PCの操作をなかなか覚えない」といった回答が集まった。
職場のミッドライフ・クライシスの兆しか
今回の調査から、40代は仕事において高い不満や負荷を抱えていることが統計的に明らかになった。40代は一般に、仕事のパフォーマンスが高い一方で、期待やプレッシャーも大きくなる年代。また20代と60代の中間の年代となり、上の世代からも下の世代からもストレスを受ける立場となる。このように40代の不満が高い状態は「職場のミッドライフ・クライシス」の兆しと言える。調査会社は対策として、「自分自身の価値観を再認識する」こと、「積極的な対話を通して相互理解を深める」こと、「多様性を前提としたチームワークを構築する」ことなどを挙げている。