受験シーズン真っ只中の冬は、子どもたちの努力が実を結ぶ重要な時期です。しかし、同時にインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が猛威を振るう季節でもあります。「試験直前に体調を崩したらどうしよう」と不安に感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。

大切な試験本番で実力を発揮するためには、日々の予防対策が欠かせません。本記事では、医師がすすめる最も効果的な感染症対策と、家庭で揃えておきたい必需品を総合内科専門医・感染症専門医の小幡 史明先生に詳しく解説してもらいました。受験生を健康で守るために、今からできることを一緒に確認していきましょう!

■今年流行している感染症は

――今年の冬に特に流行している感染症は何ですか? その特徴を教えてください。

小幡先生:今年の冬に特に流行している感染症には、以下のものがあります。

(1)インフルエンザ

特徴:インフルエンザウイルスは、毎年冬季に流行しますが、今年は特にA型インフルエンザ(H3N2型)が多く報告されています。急激な発熱、咳、喉の痛み、筋肉痛などが主な症状です。重症化するリスクも高く、特に高齢者や基礎疾患を持つ方に注意が必要です。

(2)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

特徴:新型コロナウイルスも依然として流行しています。オミクロン株の亜系統が主流で、軽症化傾向がありますが、感染力が非常に高いため、感染者数は依然として多いです。

(3)RSウイルス感染症

特徴:特に小児において、RSウイルスによる感染が増加しています。咳や喘鳴、呼吸困難を引き起こすことがありますが、重症化することもあるため注意が必要です。

――インフルエンザが例年より流行している背景には何があるのでしょうか。

小幡先生:インフルエンザが例年より流行している背景には、以下の要因が考えられます。

(1)免疫の低下

過去数年にわたり、COVID-19の影響でマスク着用や社会的距離を保つことが一般的でした。その結果、インフルエンザウイルスへの曝露が減少し、集団免疫が低下しました。このため、感染が広がりやすくなっています。

(2)ワクチン接種率

インフルエンザワクチンの接種率が前年よりも低下している地域もあり、これが流行の一因となっています。特に高リスク群での接種が不十分な場合、重症化のリスクが増加します。

(3)ウイルスの変異

インフルエンザウイルスは毎年変異し、新たな亜型や変異株が出現します。今年は特にH3N2型が流行しており、これが感染の拡大に寄与しています。

(4)社会活動の再開

社会活動の制限が緩和され、人々の移動や接触が増えたことも、ウイルスの伝播を助長しています。特に冬季はインフルエンザウイルスが活発になるため、流行が顕著です。

今年の冬はインフルエンザをはじめとする感染症が流行しており、特にA型インフルエンザの感染者が増加しています。免疫の低下やワクチン接種率の低下、ウイルスの変異、社会活動の再開などが流行の背景にあるため、引き続き感染予防対策を徹底することが重要です。

■効果的な感染対策とは

――家庭でできる最も効果的な感染症予防策を教えてください。

小幡先生:家庭での感染症予防には、以下のような効果的な対策があります。

(1)衛生管理の徹底

こまめな掃除:ドアノブやスイッチ、リモコンなど、頻繁に触れる場所を定期的に消毒することが重要です。

洗濯:タオルや衣類はこまめに洗濯し、特に外出から帰った際に使用したものは早めに洗うよう心がけます。

(2)栄養管理

バランスの取れた食事:免疫力を高めるために、ビタミンやミネラルを豊富に含む食材(野菜、果物、魚、豆類など)を積極的に摂取することが推奨されます。

水分補給:十分な水分を摂ることで、体の機能を正常に保ち、免疫力を高めることができます。

(3)健康管理

十分な睡眠:睡眠不足は免疫力を低下させるため、子どもも大人も十分な睡眠を確保することが重要です。

定期的な運動:適度な運動は免疫力を高め、健康維持に寄与します。

――子どもたちが学校や塾で感染を防ぐために、具体的にどのようなことを心がけるべきですか?

小幡先生:学校や塾での感染予防には、以下の具体的な対策が有効です。 (1)個人の持ち物の管理

自分専用の文房具:文房具や教科書など、他の子どもと共有しないようにし、自分専用のものを持参します。

(2)健康状態の確認

体調不良時の登校自粛:特に発熱や咳がある場合は、他の子どもへの感染を防ぐためにも学校を休むことが大切です。

(3)ソーシャルディスタンスの確保

人との距離を保つ:できるだけ他の子どもとの距離を保ち、特に混雑する場面では注意を払います。

――手洗いやマスク、換気以外に推奨される対策はありますか?

小幡先生:手洗いやマスク、換気以外にも以下の対策が推奨されます。

(1)免疫力を高めるサプリメント

必要に応じて、ビタミンCやD、亜鉛などのサプリメントを摂取し、免疫力をサポートします。ただし、医師と相談の上で使用することが重要です。

(2)ストレス管理

ストレスは免疫機能に影響を与えるため、リラックスする時間を設けたり、趣味を楽しむことが重要です。

家庭での感染症予防には、衛生管理や栄養、健康管理が効果的です。子どもたちは学校や塾での行動を見直し、持ち物の管理や体調確認を行うことで感染リスクを低減できます。手洗いやマスク、換気に加え、免疫力を高める対策やストレス管理も重要です。

■受験生へのアドバイス

――受験を控えた子どもたちに特に注意してほしい健康管理のポイントはありますか?

小幡先生:日常から生活リズムを整えることが大切です。

規則正しい生活:睡眠、食事、勉強のリズムを整えることで、体調を維持しやすくなります。特に、毎日同じ時間に寝起きすることが重要です。

バランスの取れた食事:栄養価の高い食事を心がけ、特にビタミンやミネラルを含む食品(野菜、果物、魚、豆類など)を積極的に摂取することが大切です。

――試験当日に体調を崩さないために、直前にできることを教えてください。

小幡先生:受験当日には次のようなことに気を付けましょう。

十分な睡眠:試験前日は特に、しっかりと睡眠をとることが重要です。睡眠不足は集中力や判断力を低下させます。

軽めの食事:試験当日の朝食は消化の良いものを選び、エネルギーをしっかり補給します。例えば、お粥やバナナ、ヨーグルトなどが良いでしょう。

――家庭での感染症対策を進める際に、保護者が気をつけるべきことや心構えはありますか?

小幡先生:保護者の方は、次のようなことを心がけるとよいでしょう。

予防接種の確認:インフルエンザワクチンなど、受験生が必要な予防接種を受けているか確認し、感染症のリスクを低減させましょう。

清潔な環境作り:家庭内の衛生状態を保つために、定期的に掃除や消毒を行い、特に共有部分や物品を清潔に保つよう心がけます。

健康状態の確認:子どもが体調を崩さないよう、日々の体調を確認し、異常があれば早めに対応することが重要です。

まとめ

受験生にとって、健康管理は非常に重要です。規則正しい生活や栄養バランスの取れた食事、ストレス管理を行うことが、試験当日の体調を整えるための鍵となります。また、家庭での感染症対策を進める際には、保護者が子どもの健康状態を確認し、清潔な環境を整えること、ポジティブなサポートを心がけることが大切です。

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