どんなことでもとにかく学びたい。そこから、新しい自分を発見していく。
本の要約サービス・フライヤーが展開する「Dig Talk」は、本をひとつのきっかけとして、その人の人生の奥底を「深掘る(ディグる)」動画コンテンツです。
今回は、モデル、スポーツトラベラー、トレーナーとして幅広く活動する福田萌子さんが登場。Prime Videoで配信された「バチェロレッテ・ジャパン」では、初代バチェロレッテとして、その言動の豊かさに多くの視聴者が共感しました。本動画でも、その魅力の虜になることは間違いありません!
2023年に第一子を出産し、「子どもを育てるってこんなにクリエイティブなことはない」と語る福田萌子さん。どんどん成長していく子どもの様子を見守るだけで、毎日が発見で溢れている実感をもてるそうです。そんな福田さんは、とにかく新発見を追い求める「学びの人」。これまでの人生で、何を見て、どのように感じ、それをどう消化してきたのか。そこから、いまの福田さんができあがるまでの過程が浮かんできます。 動画の見どころを4つ、紹介します!
■日常のすべてが旅になる
福田萌子さんがまず挙げたのは、『新・観光立国論』というビジネス書。イギリス人アナリスト、元ゴールドマン・サックスのデービッド・アトキンソン氏の書いた本で、日本が観光国になるために必要なことを提案しています。
この本を初めて読んだ20代の頃、旅行が好きだった福田さんは、月に2回ほど海外に行き、いろいろなホテルに泊まっていたそうです。海外を選んだのは、その地でただ日常を過ごすだけでも「旅」になるから。海外は、文化も建物も歴史も日本と違っていて、学ぶ幅に広がりがある。だからこそ、若いうちになるべくたくさん海外に行きたかったのです。 そうした旅行先で一番長く滞在するのがホテル。海外には、友だちとワイワイしながら泊まれるコテージのようなホテルもあれば、超富裕層の人たち向けの一泊500万円くらいの部屋を有するホテルもあります。かつての日本は、そういった意味でのホテルのバリエーションが足りない印象を、福田さんも持っていたそうです。
この『新・観光立国論』には、多様性をもたせて、いろんな層の人たちに楽しんでもらえるようなものをつくる、おもてなしをする必要がある、というようなことが書かれています。それを受けての福田さんの学びにはハッとさせられます。
■人はなぜ学んだほうがいいのか
福田萌子さんが『新・観光立国論』のようなビジネス書を大事にするのは、自分のなかの引き出しを増やすためでもあります。「自分とは関係ないものだわ」と最初からカテゴリー分けせず、すべての情報を学んでいこうとする。それがいつか自分の役にも立つし、自身の子どもに伝えられる言葉、提供できる環境になるかもしれない。
人間は日々、いろいろな選択肢で迷うものですが、そこでの決断力の差は、情報量の差から生まれる、と福田さんは述べます。だから、いまのところはもしかしたら必要ないと感じる情報でも、すべて自分のなかに取り込もうとしているそうです。
学ぶことが好きなんですね。それは「この世にあるものをすべて見て、知って、理解して、この人生を終えていきたい」という言葉にも現れています。
現実的には、それを実現できるだけの時間が足りません。それでも、福田さんがどのような姿勢でこの課題と向き合おうとしているのかを知れば、あなたの人生も少し明るいものに感じられるかもしれません。
■児童書だからとバカにしてはいけない
福田萌子さんが挙げたもう一冊は、ジェームス・マシュー・バリーの書いた名作、『ピーター・パン』です。英米文学を専攻していた福田さんは、大学の授業で「この本と本当の意味で出会えた」と語ります。文化や時代背景、作者の人物像を学んでいくことで、目に見えるところだけでなく、その奥行部分まで触れ、初めて『ピーター・パン』という物語が理解できたのです。
児童文学というとたいてい、「それって子どもの本でしょ」という反応が返ってきます。そんなとき福田さんは、『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイスが語った、子どもしか読む価値のない本は、子ども時代においても読む価値はない、というような言葉を思い出すそうです。
子ども時代は、人生のもっとも多感なときで、とてつもない成長の幅があります。そういう繊細で、感覚の鋭い時期に読む本が児童書。「子どもの本だから読まない」という言葉には、「子どもの本は自分には必要ない、ちょっと劣っているものだ」という勝手なカテゴリー分けが見え隠れしています。
児童書を書いている人は、「子どもの本」ではなく「万人にいいものだ」と思って書いているのです。
そう考えている福田さんでも、『白雪姫』にはまったく共感できないそうです。その理由がまた明快でおもしろいです!
■愛していてもコントロールしてはいけない
絶賛子育て中の福田さんに、「一番怖いことは?」と尋ねてみたら、涙を流しながら、「子どもを失うのが怖い」と語りはじめました。
子どもは少しでも目を離した隙に、何かを口に入れてしまったり、電気の流れているコンセントに触れてしまったり、どこかから落ちてしまったりする可能性があります。ほんのささいな不注意で、一瞬のうちに命を失ってしまうかもしれない。「安全に成長させられるかどうか」と考えると、その命の重さ、尊さに、つい不安を感じてしまうのです。
でも福田さんは、「過保護にしすぎると人格形成に影響が出るかもしれない」とも話します。家族は、「一番身近な愛すべき他人」であるけれど、心配や愛情のあまり、コントロールしようとしてしまうのは違う、ということです。
そうした考えにはじまる、福田さんの家族観と、自分との向き合い方には、共感できる人も多いはずです。
いかがでしたか? これらの内容を、福田萌子さんの声と表情付きで受け取れば、より強い納得感を得られるはずです。ご興味のある方はぜひ、本編動画をお楽しみいただけますと幸いです。
書籍『子どもがわたしに教えてくれること』(主婦と生活者)
著者 : 福田萌子/発売日:2024年12月06日