「毎度話を遮ってくる人、うざい……!」、話を遮ってくる人に対してこのように感じている人がほとんどなのではないでしょうか。自分が話しているときに話を遮られて話題を変えられたら、誰だって不快になりますよね。
今回は、話を遮る人の心理と遮られたときの上手い対処法を解説します。
話を遮る人の特徴と心理
話を遮る人の特徴と、その行動にいたる心理を考えてみましょう。
せっかちで待っていられない
話を遮る人の典型的な特徴のひとつは、せっかちであることです。相手の話を最後まで聞くことに耐えられず、つい自分の意見を述べることを優先してしまいます。結論に早く辿り着きたくて、あえて話を遮ることで相手を催促していることも。
自己中心的で他人に興味がない
話を遮る人には、自己中心的な性格で他人に興味がないことが多いです。他の人の話や意見に耳を傾ける気はさらさらなく、聞き役を続けるのが退屈になると相手の話を遮って自分の話をしようとします。
コミュニケーションが苦手
話を遮る人のなかには、悪意はなく、単純にコミュニケーションが苦手で人の話を遮ってしまう人も存在します。上手くコミュニケーションをとるには、相手の発言をよく聞き、タイミングを見計らって自分の意見を伝える必要がありますが、このスキルが未熟で会話のキャッチボールがうまくできないため、他の人が話している最中に無意識のうちに割り込んでしまうのです。
「会話に加わらなければ」という意識が前のめりになって、おかしなタイミングで自分の話を切り出してしまうのでしょう。
思いついたらすぐに話したい
思いついたことをすぐに話さずにはいられないという衝動も、話を遮る行動につながります。アイデアや感想が頭に浮かぶとその場でそれを表現せずにはいられず、人が話している途中でつい口を挟んでしまう人は多数。
話の主導権を握りたい
話を遮る人のなかには、会話の主導権を握りたいという欲求が強い人もいます。会話において自分が中心であることに安心感を覚えるため、他の人が話し始めると、自分の意見をすぐにはさみ込んで自分のペースに引き込もうとします。
他の人の意見を受け入れられない
話を遮る人のなかには、他の人の意見を受け入れたくない、あるいは受け入れる余裕がない人もいます。自分の考えが正しいと信じて疑わず、他の人の意見に聞く耳を持ちません。
自分の考えに固執しているので、他の人が自分と異なる意見を言うのが気に入らず、話を遮るのでしょう。
緊張状態または興奮状態にある
話を遮る行動は、緊張や興奮の状態からも生じることがあります。たとえば、大事な商談やプレゼンの際に、緊張のあまり冷静な判断ができなくなり、無意識のうちに他の人の発言を遮ってしまうこともあるでしょう。
過度に興奮している状態でも同じようなことが起こります。意図的に話を遮ろうとしているわけではなく、とっさの反応で思わず遮ってしまうこともあるようです。
会話にNGワードが出るのを防ぐため
話を遮る行為が、ときにファインプレーとなることもあります。複数人の会話のなかで、触れてはいけない話題やNGワードがあり、事情を知らない人がその内容の発言をしそうになったときに、いち早く気づいた人がわざと違う話題を出してその発言を遮るというケースです。
事情を知らない人は「なぜ話を遮るの?」と怪訝に思うかもしれませんが、この場合は話を遮ることが周囲への気配りになりますよね。
話を遮る人への上手い対処法
話を遮る人がいて思うように会話が進まないときに有効な対処法を紹介します。
ジェスチャーで表現する
言葉で指摘するのがむずかしい場合には、ジェスチャーをつかうことも一つの手です。たとえば、手のひらを相手に向けて「ちょっと待って」といった意思表示をすることで、相手に「今、話をしているのはあなたではなくて私です」というサインを送ることができます。片手ではなく両手でこのジェスチャーをすると、より強力な意思表示を示すことができるでしょう。
上記のようなジェスチャーをすれば相手も自然と話をストップさせるはずなので、そのタイミングで「最後まで聞いてほしい」と伝えれば、相手は話すのをやめてくれるでしょう。
このような非言語的なアプローチは、言葉での衝突を避けつつ、相手に自分の意図を伝える手段となります。
はっきりと伝える
話を遮る人の多くは、自分が人の話を遮っているという認識がありません。きちんと自覚してもらうために、「今は私が話をしているので、最後まで聞いていただきたいです」と伝えてみましょう。
友人であれば、「ねえ、最後まで聞いてよー!」と明るく冗談風に指摘すれば、雰囲気を壊すこともありません。
返答を減らす
会話中に相手が何度も遮ってくる場合、遮ってきた人への返答を減らしてみましょう。人は相手がいきなり沈黙すると、「何か自分がやらかしてしまったかな?」「何かあったのかな?」と意識が相手に向くようになります。
トークのプロは、人からの注目を集めるために沈黙を上手く活用するともいわれています。相手が話を遮ってきたタイミングで沈黙をするのは、相手の意識を自分に向けるために効果的です。
最後まで話を聞いて、満足させる
話を遮る人は、「とにかく喋りたい」という気持ちが強いです。黙って話を聞きつづけて、その欲求が満たされるのを待つのも一つの手。順番が入れ替わって腑に落ちないことがあるかもしれませんが、一通り相手が話し終わったあとに「で、さっきの話に戻していい?」と自分が話を始めればいいのです。
話を遮る人にならないために
ここまで読んでみて、自分が無意識のうちに話を遮っていないか心配になった人もいるのではないでしょうか。話を遮る人にならないために気をつけるべきことを紹介します。
発言前にひと呼吸おいてみる
相手の話を聞いているなかでつい自分の意見を言いたくなる瞬間がありますが、その衝動に駆られてすぐに話を始めた時点で、「話を遮る人」になってしまいます。そうならないために、発言する前にひと呼吸おくことを意識しましょう。
相手が話をしているときはとにかく聞くことに徹すること。また、自分が話す番だと感じたときも、すぐに話すのではなく、1、2秒の間を取りましょう。そうすることで、相手の話に被せて話してしまうのを防げるはずです。
相づちを意識する
相手が話しているときに、相づちを意識的に入れることも大切です。相づちは、相手の話を真剣に聞いていることを示すサインになります。「うん」「そうなんですね」「なるほど」「ええ」などの言葉を使うことで、相手は安心して話しつづけることができ、会話が途切れることなくスムーズに進みます。
ただし、相づちを入れるタイミングや頻度には注意が必要です。あまりに頻繁だったり、タイミングがずれていたりすると、逆に煩わしく感じられてしまうこともあります。相手の話が一段落したタイミングで適度に相づちを入れ、自然な会話を保ちましょう。
会話の流れに気を配る
会話は一方的に自分の話だけをするものではなく、相手の意見や感情を尊重しながら、双方の意見を交わすものです。スムーズに会話を続けるには、相手が話している内容をしっかりと理解し、自分の意見をタイミングよく加えることが求められます。
相手の言葉を聞きながら表情や仕草なども観察し、相手が言いたいことを話し終えたタイミングを見計らって自分の意見を述べましょう。会話の流れを意識することは、相手の話を遮らずに自然に会話を続けるための大切なポイントです。
話を遮る人は上手く対処しよう
本記事では話を遮る人の特徴や対処法を紹介しました。自分の話を遮られたら不快に思うかもしれませんが、話を遮る人の多くは無意識のうちにその行動にいたっています。感情的にならず冷静な対応を心がけて、よりよいコミュニケーションを図りましょう。