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日本野球機構(NPB)は、12月9日に2024年度の現役ドラフトを開催する。同制度は各球団2人以上の対象選手を選出し、必ず1人以上指名する見込み。移籍の活性化により、出場機会に恵まれていない選手の新天地での活躍が期待される。ここでは、今年の現役ドラフトで特に注目したいセントラル・リーグの野手を紹介する。
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小野寺暖(阪神タイガース)
・投打:右投右打
・身長/体重:183cm/83kg
・生年月日:1998年3月17日
・経歴:京都翔英高 - 大阪商業大
・ドラフト:2019年育成選手ドラフト1位
プロ5年目の今季は、左手首の故障もあって25試合の出場にとどまった小野寺暖。昨季は打率.347のハイアベレージを記録したが、チームでは厳しい立ち位置となっている。
大阪商業大から2019年育成選手ドラフト1位で阪神タイガースに入団。プロ2年目の2021年4月に支配下登録を勝ち取った。
一軍では思うような結果を残せないシーズンが続いたが、昨季は自己最多の43試合に出場し、打率.347の好成績をマーク。昨オフには一塁や三塁守備に取り組み、出場機会の増加を目指した。
しかし今季は、6月に左手首の靭帯損傷により長期離脱。シーズン終盤に復帰したが、一軍では25試合の出場で打率.148と低迷した。
本職とする外野のポジションは前川右京、井上広大など若手選手が存在感を示しており、レギュラー奪取には熾烈な争いを勝ち抜く必要がある。
現役ドラフトの対象となれば、他球団も注目の存在となるだろう。
中村奨成(広島東洋カープ)
・投打:右投右打
・身長/体重:181cm/84kg
・生年月日:1999年6月6日
・経歴:広陵高
・ドラフト:2017年ドラフト1位
今季は打率1割台と目立つ活躍ができなかった中村奨成。高卒8年目を迎える来季は、正念場のシーズンとなりそうだ。
広陵高時代には、3年夏の甲子園で大会記録となる6本塁打をマーク。打線の中軸かつ正捕手とチームの大黒柱を担い、甲子園準優勝の原動力となった。
迎えたドラフト会議では2球団が1位指名で競合。抽選の結果、広島東洋カープへの入団が決まった。
高卒3年目の2020年に一軍デビューすると、翌2021年には39試合に出場し、打率.283、2本塁打、3盗塁と能力の高さを示した。同年から外野守備に挑戦し、2024年からは外野手登録に変更。
だが、足踏みのシーズンが続いており、今季は30試合の出場で打率.145と振るわず。それでも、ファームでは74試合出場、打率.278、8本塁打、32打点、6盗塁と結果を残している。
心機一転、新たな環境で再スタートを切るのも、1つの選択肢となるだろう。
増田陸(読売ジャイアンツ)
・投打:右投右打
・身長/体重:179cm/88kg
・生年月日:2000年6月17日
・経歴:明秀学園日立高
・ドラフト:2018年ドラフト2位
2022年に5本塁打を放ち、覚醒を予感させていた増田陸。しかし、今季も4試合の出場にとどまるなど、近年は不本意なシーズンを過ごしている。
明秀学園日立高から2018年ドラフト2位で読売ジャイアンツに入団。プロ入り後は故障に苦しみ、2021年オフに育成契約となった。
それでも翌2022年に支配下へ復帰し、一軍デビュー。同年は69試合出場、打率.250、5本塁打、16打点の好成績を収めた。
さらなる飛躍が期待されたが、昨季は状態が上がらず、一軍出場がないままシーズンが終了。高卒6年目の今季も4試合の一軍出場に終わり、5打数無安打。二軍でも108試合の出場で打率.225、5本塁打、33打点と目立つ数字を残せなかった。
一塁や二塁など内野の複数ポジションをこなすが、巨人は今年のドラフト会議で内野手を数多く獲得。来季はさらに厳しい立ち位置となることが予想される。
高いポテンシャルを秘めるだけに、新たな環境で復活を目指す選択肢もありそうだ。
石垣雅海(中日ドラゴンズ)
・投打:右投右打
・身長/体重:181cm/88kg
・生年月日:1998年9月21日
・経歴:酒田南高
・ドラフト:2016年ドラフト3位
パンチ力のある打撃が持ち味だが、一軍では出場機会が限られている石垣雅海。移籍によって出場機会の増加が期待できる選手の1人だ。
酒田南高から2016年ドラフト3位で中日ドラゴンズに入団。ルーキーイヤーから二軍で実戦経験を重ね、2020年には二軍で40試合の出場ながら、打率.372、5本塁打、21打点と傑出した数字を収めた。
2022年には一軍で50試合に出場し、打率.162と確実性に課題を残すも、3本塁打を記録。しかし一軍定着には至らず、今季はわずか9試合の出場に。
中日は村松開人、福永裕基など近年のドラフト会議で多くの内野手を獲得しており、厳しい立場に置かれている。
一方、二軍では94試合に出場して打率.259、5本塁打、23打点と長打力を発揮。内野の全ポジションを高いレベルでこなすことができ、移籍を機に大化けする可能性を秘めている。
現役ドラフトの対象となれば、多くの球団が興味を示すことになりそうだ。
豊田寛(阪神タイガース)
・投打:右投右打
・身長/体重:178cm/88kg
・生年月日:1997年4月28日
・経歴:東海大相模高 - 国際武道大 - 日立製作所
・ドラフト:2021年ドラフト6位
今季は2年ぶりに一軍出場を果たした阪神タイガースの豊田寛。しかし、思うような結果を残せないままシーズンを終えた。
東海大相模高では、2年時から2年連続で夏の甲子園に出場し、3年夏には全国制覇を経験。卒業後は国際武道大、日立製作所を経て、2021年ドラフト6位で阪神へ入団した。
ルーキーイヤーとなる2022年は、一軍で5試合に出場したが、初安打は記録できず。昨季はファームで93試合に出場し、打率.271とまずまずの数字を残したが、一軍昇格の機会は巡ってこなかった。
迎えた今季は、6月に一軍昇格を果たし、待望のプロ初安打をマーク。しかし、活躍を継続できず、最終的に11試合出場で打率.211、本塁打ゼロに終わった。
阪神は今季、前川右京、井上広大といった若手外野手が一軍で存在感を発揮。やや厳しい立場となっている。
ファームでは90試合の出場で打率.294と好成績を収めているだけに、他球団で出場機会が得られれば、ブレイクする可能性も大いにあるだろう。
神里和毅(横浜DeNAベイスターズ)
・投打:右投左打
・身長/体重:179cm/86kg
・生年月日:1994年1月17日
・経歴:糸満高 - 中央大 - 日本生命
・ドラフト:2017年ドラフト2位
今季は、自己ワーストとなる25試合の一軍出場に終わった神里和毅。チームでは外野のポジションが激戦区となっており、新たな環境で再起をかけるのも、選択肢の1つとなるだろう。
日本生命から2017年ドラフト2位で横浜DeNAベイスターズに入団。ルーキーイヤーから86試合に出場するなど、多くの出場機会を得た。
翌2019年には中堅のレギュラーに定着し、自己最多の123試合に出場。打率.279、6本塁打、35打点、15盗塁の好成績を収めた。
しかし、その後は打撃成績を大きく落とし、代走や守備固めなどの起用法がメインとなった。
毎年80試合前後の出場機会を得ていたが、昨季は64試合、今季は25試合と出番が激減。梶原昂希や蝦名達夫など若手外野手の台頭もあり、一気に厳しい立場となった。
一方、二軍では47試合の出場で打率.297とまずまずの数字を残している。外野守備には定評があり、球団によってはまだまだ一軍戦力となりそうだ。
【了】