12月1日に、足立区・千住の街をサンタクロースの扮装をした参加者が練り歩く「あだちサンタウォーク」が開催されます。今年で8回目を迎えるこのイベントの趣旨などを、実行委員会の近藤常博会長と、事務局を務めるジェイコム東京 足立局の鳥井満理子さんに聞きました。

  • 実行委員会の近藤常博会長、ジェイコム東京 足立局 管理部長の鳥井満理子さん

    右が実行委員会の近藤常博会長。特別養護老人ホームやデイサービスセンターの経営などを通じて、地域の福祉に関わっています。左が事務局を担当するジェイコム東京 足立局 管理部長の鳥井満理子さん

「あだちサンタウォーク」は2017年に初めて開催され、今年で8回目を迎えるイベント。「参加者がサンタの服装で街を歩く」というと、コスプレイベントの一種のようにも思えますが、サンタが街を歩くというのがイベントのすべてではありません。もうひとつの大事な要素として、参加者が支払った参加費やイベントの趣旨に賛同する企業からの協賛金による地域のこども食堂の支援、サンタクロースが家庭を訪問してプレゼントを届ける“サンタクロースデリバリー”の活動などがあります。サンタの服装で街を歩くことで地域の関心を集め、そうして集まった協賛金などで地域の子供たちを支援する、というのがこの「あだちサンタウォーク」です。

  • 昨年のイベントの模様

    昨年のイベントの模様

このイベントの趣旨を近藤さんは次のように説明してくれました。

「足立区の困窮世帯の子供たちに対して、目を向ける大人がいる、支援しているということを伝えたい。生まれ持った環境はあるけれど、そこに卑屈になることなく、子供たちには夢に向かって邁進してほしい」

サンタの扮装で街を歩くのは、参加者がサンタクロースになることを楽しむという狙いもありますが、支援対象となる厳しい状況にある子供たちに「サポートするよ」というメッセージを伝える意味もあります。

このイベントは、J:COMが地域での社会貢献活動として何かできないかというところからはじまったそうです。その際に、ジェイコム東京 足立局の当時の局長が大阪で開催されていた「サンタラン」(同イベントは現在「サンタパレード」に名称を変更)のことを知り、足立区でも同様のイベントを開催できないかということになって協力先を探していたところ、ちょうどこの時期に足立区の社会福祉法人の間で情報交換を行うための連絡会が設立されることになり、それを記念した事業として「あだちサンタウォーク」を開催することになったのだそうです。

大阪の「サンタラン」ではチャリティとして病児の支援を行っていますが、足立区では子供の貧困が社会課題として意識されつつあり、行政もその対策に力を入れ始めていた時期だったため、困窮世帯の子供たちを支援することになりました。

大きく分けると、12月1日に街を歩くイベントとしての「サンタウォーク」の部分をJ:COMが担当し、こども食堂の支援やサンタデリバリーといったチャリティ部分を足立区社会福祉法人連絡会が担当するという体制になっているそうです。

イベントの運営には、足立区内にキャンバスを持つ東京未来大学の教員・学生が長らく協力しています。また、一時期同大学からの参加者が少なくなった時期には、青年会議所の仲介で同じく近隣に所在する帝京科学大学からの参加があったとのこと。今年は、準備段階から両大学の学生が参加し、交流しながら運営に参加してもらう予定だといいます。

  • 輪投げコーナー

    たんに街を歩くだけではなく、ルートの途中には子供が遊べるゲームなども用意されています

「あだちサンタウォーク」に参加するには、参加費用の支払いが必要です。この参加費は支援の費用に充てられますが、支援の予算には地域の企業・団体からの協賛金が少なくない割合を占めているそうです。イベント立ち上げの際にはJ:COMから青年会議所(JC)や商店連合会などに働きかけて協賛金をつのったそうですが、現在では積極的にかかわってくれる企業・団体も増え、開催時期が近づくと先方から開催予定を尋ねてくれると話していました。企業によっては、協賛金ではなく、プレゼントになるような商品の提供という形で協力いただくこともあるそうです。

今年の参加申し込み状況を聞くと、例年なみの400人くらいの参加はありそうとのこと。雨天の場合は透明や赤の雨具で参加してもらうことになるそうですが、これまで当日が雨になったことはないそうです。2024年も、お話を聞いた11月26日の時点では天候に恵まれそうな予報で、一安心といったところのようです。

今年は初めての試みとして、サンタクロース衣裳を自前で用意してもらう「コスプレ参加」という参加方法を設定したそうです。サンタクロース衣装・防止付きの参加よりも参加費が低額となるため、全体としての減収になってしまうことを懸念して鳥井さんは反対されたそうですが、結果としてコスプレ参加を選ぶ人はそれほど多くなかったとのこと。このあたりは、参加者もこれがチャリティであることを理解しているということなのでしょう。ちなみに実行委員会で用意する衣装ではなく自前のサンタクロース衣装を用意する参加者は、これまでにも何人かいたそうです。

チケットサイト/エントリーフォーム/メール予約でのイベントの参加申し込みは本記事を執筆している11月26日の時点でまだ受け付け中。加えて、20人までであれば当日の参加も可能とのことですので、お近くにお住まいの方は、気軽に覗いてみてはいかがでしょうか。

  • イベント参加者で記念撮影

    イベント参加者で記念撮影

「あだちサンタウォーク」イベント概要

  • 開催日時:2024年12月1日(日) 13時スタート
  • 集合場所:足立区立千寿本町小学校 体育館 2階 (足立区千住3-30)
  • コース:北千住駅~旧日光街道周辺(コース全部を回ると1時間程度、調整可)
  • 参加費
    大人(中学生以上) サンタ衣装・帽子付き:1,500円
    コスプレ参加(サンタ衣装持参):500円
    3歳~小学生 子供用サンタ帽子付き:200円
    3歳未満:無料
    大人追加(中学生以上) サンタ衣装・帽子付き:1,000円