ラクスは11月12日、「カスハラを受けたときの心身への影響」に関する調査の結果を発表した。調査は2024年10月1日~10月2日、全国の顧客対応を行う部門に所属している1,012名を対象にインターネットで行われた。
約7割が半年以内に1回以上カスハラを受けていた
「半年以内に何回カスハラを受けたことがありますか?」と質問したところ、「1回(11.9%)」「2回(17.1%)」「3回(15.6%)」「4回(6.2%)」「5回(5.7%)」「6回~10回(5.7%)」「11回~15回(2.0%)」「16回以上(4.1%)」「半年以内に受けたことはない(31.7%)」となり、約7割が1回以上カスハラを受けていることがわかった。
カスハラを受けたことがある人に「そのカスハラは、どのような内容でしたか?」と質問したところ、「暴言や罵声(50.7%)」と回答した人が最も多く、次いで「威圧的な言動(32.0%)」「不当なクレーム(31.0%)」となった。言葉や態度によるカスハラを受けたことがある人が多いことが示された。
約6割がカスハラで仕事へのモチベーションやパフォーマンスが低下したと回答
「カスハラを受けたとき、感じたことを教えてください」と質問したところ、「ストレス・精神的疲労(61.1%)」と回答した人が最も多く、次いで「怒りや憤り(39.9%)」「恐怖心(34.2%)」「不安感(34.0%)」となった。約6割が、「ストレス・精神的疲労」を感じたようだ。
では、カスハラを受けた後、心身に影響があった人はどのくらいいるのか。
そこで、「カスハラを受けたあと、心身に何か影響はありましたか?」と質問したところ、「仕事のモチベーションが低下した(33.7%)」と回答した人が最も多く、次いで「業務パフォーマンスが低下した(26.8%)」となった。
カスハラによって心身にダメージを受けると、仕事を続けることが困難になって離職や休職にもつながりかねない。従業員を守るためにもカスハラを事前に防ぐ対策は非常に重要だといえる。
誰にも相談できず抱え込んでしまうケースも
続いて、「カスハラを受けてつらいと感じたとき、相談した人は誰ですか?」と質問したところ、「上司(38.6%)」と回答した人が最も多く、次いで「同僚(32.4%)」「家族(20.3%)」となった。しかし、誰にも相談できない人も一定数いることがわかった。
カスハラへの会社の対応とは? 社内で事前に相談ができている人は約半数
「カスハラを受けたあと、会社は何か対応してくれましたか?」と質問したところ、「報告と共有フローの作成(27.2%)」と回答した人が最も多く、次いで「カスハラ対応マニュアルの作成(24.9%)」「カスハラに関する研修の実施(22.4%)」となった。
カスハラを受けた後のフローの整備、マニュアルの作成や研修の実施など再発を防止するための対応をした会社が多い一方で、なにも対応しなかった会社も少数、存在するようだ。
カスハラはいつどこで起こるかわからないため、日頃から社内でカスハラを受けた際の対応や事前に防ぐ対策を考えておくべきといえる。そこで、「社内で、日頃からカスハラ対応についての話し合いや研修などはできていますか?」と質問したところ、「できている(17.0%)」「ややできている(37.4%)」「あまりできていない(27.5%)」「まったくできていない(18.1%)」という回答結果になった。4割以上の人が、カスハラに対する日常的な取り組みが不十分であることが判明した。