10月19日、「反射材フェア2024」が池袋 サンシャインシティ 噴水広場で開催され、JA共済が地域貢献活動の一環として実施している「服装“見えやすさ”診断 見えチェック」の体験ブースが出展された。オープニングセレモニーの様子やJA共済の「見えチェック」の取り組みについて紹介していく。

■薄暮〜夜間に最も多い重大な交通事故

反射材フェアは交通安全の知識や反射材の大切さを楽しみながら学べるイベントで、JA共済は平成27年度から協賛している。。夜間の交通事故防止に効果的な反射材を、一人でも多くの人に活用してもらうため、交通安全に役立つ最新の反射材製品などを紹介する。

オープニングセレモニーの挨拶で全日本交通安全協会の理事長・野田健氏は、「近年、交通事故は減少傾向にありましたが、昨年は死者数で8年ぶり、重症者数で23年ぶりに前年より増加してしまいました。また、本年も油断を許さない状況にあり、本年上半期の交通事故による歩行中の死者数を見てみますと、夜間の交通事故は昼間の1.9倍となっております」と述べ、反射材の大切さについて語った。

「昼間における歩行中の死者数は若干減少しているものの、夜間の死者数は1割以上増えています。これから日の入りが一段と早くなり、夕暮れ時から夜間にかけての交通事故が増える時期になりますが、反射材をつけていれば防げていたのではないかと思われるケースも散見されます」 歩行者や自転車の交通事故は、昼間より夕方〜夜間のほうが重大事故につながる割合が急激に高くなる。暗闇の中では歩行者や無灯火の自転車は目立ちにくく、自動車ドライバーの危険の発見が遅れやすいためだが、そこで活躍するのが反射材だ。

反射材は再帰反射という性質を持つ素材。大きく分けてガラスビーズタイプとプリズムタイプの2つのタイプがあり、光が当たると光源に向かって光を反射する。ドライバーに早いタイミングで自己の存在を気づいてもらいやすくなり、それだけ重大な事故を回避できる確率が高まることにつながる。

「反射材フェア2024」のステージでは反射材を用いたエクステンションや衣装を身につけたアイドルグループ「エラバレシ」のミニライブや、同グループのメンバーがモデル役の反射材ファッションショーを実施。 相模女子大学ダンスサークルの反射材を用いた衣装でのダンスパフォーマンスといったプログラムも行われた。

また、会場内には反射材製品の展示コーナーや暗闇での反射材用品の効果を体験できる暗幕テント、本物の白バイに跨って写真撮影できるフォトスポットを設置。家族連れ客などで賑わいを見せていた。

■ファッショナブルな最新の反射材製品を多数販売

会場の販売コーナーも充実しており、“推し活”などにも活用できるものや、オシャレで気軽に身につけやすいものなど、多種多様な反射材製品を取り扱っていた。

プログラム終了後のステージには、JA共済が地域貢献活動として実施している「見えチェック」の体験ブースが設けられ、JA共済の交通安全をテーマにしたショートドラマなども大型ビジョンで上映された。 令和5年から本格実施されているJA共済の「見えチェック」は、薄暮の時間帯・夜間の交通事故削減に向けて歩行者がドライバーからどのように見えるのか診断できるというもの。

服や身体に当たった光がどの程度反射するかを表す「反射率」を、上半身と下半身でそれぞれ測定して、光が当たっている箇所の明るさを表す「輝度」を算出することで、薄暮時間帯での服装の“見えやすさ”を3段階で判定する。

体験者はグリーン背景で全身を撮影されるだけ。数分で距離と時間帯ごとの輝度が解析され、見え方がデジタルイメージで再現される。白や黄などの明るい色の服装は光をよく反射するため薄暮時間帯・夜間でも見えやすく、逆に黒や紺などの落ち着いた色は暗闇と同化して見えにくい服装となるわけだが、反射材の効果も一目で理解できる。

「交通事故対策活動や啓発活動に継続的に取り組んでおり、その一環として反射材フェアを協賛し、ブースも出展してきました」とは、JA共済連 農業・地域活動支援部 部長の堤谷清隆氏。 当初は診断結果を紙に出力していたが、今年3月からスマホにデータを提供するかたちに変更するなどアップデートも進めてきたとのことで、出展の思いを語っていた。

「死亡事故が最も多い時間帯が17〜19時。自動車と歩行者の事故、昼間と薄暮時間帯、夜間で比べると、薄暮時間帯や夜間は自動車と歩行者の死亡事故の割合が4割を超えています。「見えチェック」診断を受けてもらう機会を全世代に提供することで、自動車と歩行者の事故の減少や交通事故による死亡者・重症者の減少に少しでも貢献できればと思っています」(堤谷氏)