尿検査だけでがんリスクをチェックできる「マイシグナル シリーズ」などを提供する名古屋大学発ベンチャー企業Craifは10月31日、「がんに対する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年10月10日~10月11日、40-74歳の男女1,000人を対象にインターネットで行われた。
怖いと思うがんの種類、1位「すい臓がん」
特に怖いと思うがん種を尋ねたところ、「すい臓がん」が64.3%と最も多く、「肺がん」が34.3%、「大腸がん」が33.1%と続き、多くの人が「すい臓がん」を特に怖いと感じていることがわかった。
40代以上の7割以上が、すい臓がんのリスクファクターを1つ以上有していると回答
すい臓がんのリスクファクター(危険因子)についてあてはまるかどうか尋ねたところ、7割以上の人が、何らかの因子を有していると回答した。
「家族や親戚がすい臓がん」それがすい臓がんのリスクファクターであることを7割が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「家族や親戚がすい臓がんになった」に当てはまると回答した人は9.5%にのぼった。しかしながら、「家族や親戚がすい臓がんになった」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は70.7%と、約7割がすい臓がんの家族歴がリスクになるという事実について、知らないということがわかった。
「糖尿病・血糖値が高い」ことがすい臓がんのリスクファクターであることを7割が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「糖尿病・血糖値が高い」に当てはまると回答した人は8.9%にのぼった。しかしながら、「糖尿病・血糖値が高い」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は76.1%と、約7割が糖尿病がすい臓がんリスク因子であるという事実について知らないということがわかった。
「喫煙歴あり」がすい臓がんのリスクファクターであることを6割が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「タバコを吸っている・過去に吸っていた」に当てはまると回答した人は27.8%にのぼった。しかしながら、「タバコを吸っている・過去に吸っていた」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は64.4%と、約6割がタバコを吸うことがすい臓がんリスクを上げる要因になることについて知らないということがわかった。
「お酒をよく飲む」ことがすい臓がんのリスクファクターであることを6割が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「お酒をよく飲む」に当てはまると回答した人は22.2%にのぼった。しかしながら、「お酒をよく飲む」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は61.8%と、約6割が飲酒習慣がすい臓がんリスクを上げる要因になることについて知らないということがわかった。
「太っている」がすい臓がんのリスクファクターであることを7割が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「太っている」に当てはまると回答した人は18.3%にのぼった。しかしながら「太っている」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は73.4%と、約7割が肥満がすい臓がんリスクファクターである事実について知らないということがわかった。
「ピロリ菌感染・胃潰瘍」がすい臓がんのリスクファクターであることを8割強が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「ピロリ菌感染や胃潰瘍になったことがある」に当てはまると回答した人は12.7%にのぼった。しかしながら、「ピロリ菌感染や胃潰瘍になったことがある」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は84.6%と、約8割が一部の感染症がすい臓がんリスクファクターである事実について知らないということがわかった。
「歯周病・歯周炎」がすい臓がんのリスクファクターであることを8割強が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「歯周病・歯周炎」に当てはまると回答した人は17.8%にのぼった。しかしながら、「歯周病・歯周炎」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は86.5%と、約8割が歯周病・歯周炎がすい臓がんリスクファクターである事実について知らないということがわかった。
「すい炎」や「すい嚢胞」がすい臓がんのリスクファクターであることを約7割が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「すい炎やすい嚢胞になったことがある」に当てはまると回答した人はそれぞれ1.7%、0.6%。「すい炎やすい嚢胞になったことがある」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人はそれぞれ70.5%、79.5%と、約7割がすい臓に関連する疾病がリスクファクターである事実について知らないということがわかった。
「O型ではないこと」がすい臓がんのリスクファクターであることを9割強が知らず
すい臓がんのリスクファクターの1つである「血液型がA・BまたはAB」に当てはまると回答した人は41.2%にのぼった。「血液型がA・BまたはAB」がすい臓がんのリスクファクターであると知らなかった人は93.9%と、約9割が血液型がすい臓がんリスクファクターである事実について知らないということがわかった。
約7割が、がんに関わる検診を定期的に受けていない
がん検診(市区町村の住民検診、職場での職域検診)の受診頻度を尋ねたところ、「受診したことがない」が36.8%いることがわかった。また、「数年に一度程度」「数回程度」「一度だけ」と、がん検診が定期的な習慣となっていない層も含めると約7割が定期的にがん検診を受けていなかったことがわかった。また、がんのオプション検査(人間ドックのオプション検査等)を「定期的に受診している」が全体の14.4%と、がんの早期発見に主体的に取り組んでいる人はごくわずかであることがわかった。
がん検診を定期的に受けない理由、「面倒だから」「経済的に負担になるから」
がん検診(市区町村の住民検診、職場での職域検診)を定期的に受けなかった理由を尋ねたところ、「面倒だから」が23.2%、「経済的に負担になるから」が20.6%、「受ける時間がないから」が12.3%、と続いた。(n=689/がん検診を定期的に受診していない人)
積極的にすい臓がんのリスクを調べるための条件は?
どのような特徴のある検査があれば、すい臓がんのリスクを頻繁に調べようと思うか尋ねたところ、「経済的にやさしい検査」が64.8%、「手間がかからない検査」が53.2%、「精度が高い検査」が46.6%と続いた。