南海電気鉄道は、2026年4月をめどに鉄道事業を分社化すると発表した。本体は不動産事業をはじめ、鉄道・不動産に続く「第3の事業」構築に注力するという。

  • 南海電鉄の特急「ラピート」

大阪・なんばを拠点とする同社は、南大阪・和歌山エリアを中心に、鉄道・バス等の公共交通サービス提供からオフィス・住宅の開発、ショッピングセンターの経営まで、多彩な事業を展開してきた。近年は2050年の企業像を見据え、コア事業である鉄道事業と不動産事業を強化するとともに、「第3の事業」の柱を創造すべく取り組んでいる。

これら3事業をスピード感をもって推進していくために、「分社化によって、それぞれの事業特性に応じた実行体制を持つ強靭な組織に改革していくことが必要」と説明。鉄道事業分社化を通して経営の機動性強化と意思決定のスピード向上を図り、持続的な成長の実現に取り組むとしている。

分社化の具体的な方法は、南海電気鉄道を分割会社とする会社分割により、同社が100%出資する新会社に鉄道事業を承継させる吸収分割方式を想定。2025年6月に開催予定の定時株主総会決議による承認と、必要に応じて所管官公庁の許認可が得られることを条件として実施する。なお、分社化に先立ち、2025年4月1日に泉北高速鉄道を吸収合併する予定となっている。