20代は社会人生活を始めたばかりで、お金の使い方に慣れていない人も多いです。毎月の給料日前には手持ちのお金が全くない、という経験がある人もいるかもしれません。しかし、早い段階で収入と支出を把握し、家計管理の習慣を身に付けることで、無理なく貯金し、将来に備えることができます。 このコラムでは、20代の方に向けて、無理なく楽しみながら家計簿をつけ、将来に向けてしっかり貯金するコツを紹介します。

1. 家計簿をつけることのメリット

まず、家計簿をつけることから始めてみましょう。家計簿をつけることで以下のようなメリットがあります。

(1)お金の流れを可視化する
家計簿をつけることで、毎月の収入と支出が一目で分かり、お金の使い過ぎや無駄遣いを見直すきっかけになります。

(2)貯金のモチベーションアップ
家計簿で現在の支出を把握することで、貯金の目標が明確になり、目標金額に向けてモチベーションが上がります。

(3)金銭感覚が身に付く
家計簿をつける習慣を作ると、日々何気なく使っていたお金も意識するようになり、計画的な買い物やお金の使い方が身に付きます。

2. 初心者でもできる家計簿のつけ方

家計簿というとノートに記載していくようなイメージを持つ方もいるかもしれません。 しかし最近では初心者や忙しい社会人でも気軽に使える家計簿が登場しています。

(1)シンプルな家計簿から始める
家計簿をつけるといっても、煩雑な項目や細かい内容まで記載しているとそのうち面倒くさくなってしまいますよね。

まずはシンプルに、収入・固定費・変動費の3つに分けることから始めましょう。
無理して細かく分類しすぎないことが長続きのポイントです。

(2) アプリで簡単家計管理
手書きの家計簿が続かない場合は、スマホの家計簿アプリを活用してみましょう。無料で使えるものも多くあるので気軽に始められます。

レシートを写真で読み取れるものや、クレジットカードや銀行、証券口座などと連携して自動で記録してくれるものもあります。うっかり記載し忘れたとしてもデータ連携をしてくれるのでとても便利です。銀行口座を紐づけることで資産や支出の見える化が行えるので、 貯金額の把握もしやすいです。

おすすめアプリ:Zaim、MoneyForward、Moneytreeなど。

(3)定期的に見直す習慣をつける
社会人になったばかりで忙しい日々を送る中で毎日家計簿をつけるのが難しい場合は、週末にまとめて記録する習慣を作ると続けやすいです。月曜から日曜まで使ったお金を週に1回確認することで、今週は使い過ぎてしまったことの反省や、節約ができた点などの結果をしっかり感じることができるでしょう。

また、その月の終わりに収支を見直して翌月からの改善点を探すのも大切です。

3. 無理なく貯金するためのコツ

毎月貯金をすることは大切ですが、継続できなければ意味がありません。

(1) 先取り貯金で貯金を習慣化
給料が入ったら、まず先に貯金分を確保する「先取り貯金」を行いましょう。銀行によっては自動積立設定や積立型の預金のシステムを利用することで使ってしまう前に貯金分を確保することができます。

(2) 固定費を見直して節約効果を最大化
家計簿をつけると毎月の固定費(家賃、通信費、保険など)が把握できます。 大きな出費がある固定費を見直すと、無理のない範囲で節約すると貯金効果が高まります。 例えば、毎月のスマホ代、Wifi代などの通信費は現在格安SIMやキャリアなどがあり、見直すと数千円の節約につながります。

(3) 生活費の予算を決めて使いすぎを防ぐ
20代の一人暮らしであれば毎月の生活費を把握するのは難しくありません。 必ず使う生活費の予算をざっくりと決めておき、その中でやりくりすることで、無駄遣いを防ぎながらメリハリのあるお金の使い方ができます。

例えば、食費や交際費は週ごとに予算を設定して管理し、予算をオーバーしてしまった分は翌週で帳尻を合わせる、などです。20代の社会人は仕事終わりに飲み会があったり、休日にリフレッシュするためにお金を沢山使ってしまう場合もあるかと思います。使う時と使わない時のメリハリをしっかり持って予算をやりくりすれば給料日前に生活費がカツカツになることも少なくなるでしょう。

4. 20代から始める資産形成の第一歩

(1) 貯金と並行して「つみたてNISA」などの投資も検討
銀行の預貯金だけでなく、数千円から1万円程から始められる「つみたてNISA」や「iDeCo」などの長期積立投資もおすすめです。積み立てる期間は長ければ長いほど、リスクを抑えることができる点や無理なくコツコツ続けることで資産を着実に増やしていくことができるメリットがあります。20代の若い頃から積み立てを始めると、時間を味方にして効率的な資産形成が可能になります。

(2) 将来の大きな目標に向けて貯金計画を立てる
20代からしっかりと貯金をしておくと、将来、結婚したり家を購入したりする際のしたいときの助けになるでしょう。 そのほかに、年に数回は旅行を楽しみたい方、留学をしたい方、子どもが生まれた際の教育資金など将来どんな生活をしていてもまとまったお金があると選択肢が広がりますよね。

将来の安心を得たり、夢を実現したりするためにコツコツ貯金をする楽しさを知ると、自然と貯金の習慣が続きます。

5. 無理なく貯めるために意識したい習慣

毎月5万円は必ず貯金しよう! と大きく貯金額を設定したとすると、日々の生活を切り詰めたり、貯金をすることがストレスになったりして継続できなくなることがあります。 少額からでもまずは月にどのくらい貯金をするのが望ましいのか、収入の状況なども合わせて設定することが大切です。

また、見栄を張らないで自然体で生活することが第一です。多くの場合、社会人になりたての20代のうちは、独身であれば自由にお金を使う事ができるため、無理な買い物をしがちです。収入が支出を上回ってしまってもあまり気にしない方もいるかもしれません。

時には日頃頑張っている自分へのご褒美として贅沢をすることもよいでしょう。しかし貯金をしたい方にとって、やはり自分の収入状況に合ったお金の使い方をすることが大切です。 日々の支出の中で余分にお金を使ってしまっていないか、家計簿を使って見直すことで無駄な部分を減らし、貯金に回すことができるでしょう。

(2) 小さな成功体験を積み重ねる
お金を貯めることは短い期間ではなかなか成しえません。期間を設けて毎月一定にコツコツと積み重ねていくことで数年後に大きな金額へとなっていきます。日々の積み重ねのなかで、無駄遣いを見直したり、固定費を見直すことで自然と貯蓄に回すお金が増え、貯める楽しさが増していきます。

例えば、固定費は一度見直せば年間にしたら大きな節約になるので、少し面倒くさく感じてしまうことでも是非実践してみてください。

まとめ

社会人になって、収入が増えた20代だからこそ、家計簿をつける習慣と無理のない貯金術を身に付けることで、将来の大きな目標にも備えることができ、お金の管理能力も自然と向上します。毎月カツカツで貯金ができていないという方は、今一度支出に無駄がないか、確認してみましょう。貯金だけに重きを置いてしまうと、例えば日々の生活が楽しくないと感じてしまうこともあると思います。例えば外食の代わりに、自炊を心掛け料理スキルを磨いたり、お金のかからない趣味を見つけるなどの楽しみを見つけるきっかけと考えてみると少し気が楽になるでしょう。

自分のライフスタイルに合った方法で楽しくお金を管理し、無理のない貯金生活をスタートしましょう!

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介</ h2>
小峰一真(こみねかずま)
所属:マイホームFP株式会社