ブランド&クリエイティブエージェンシーKITOがこのほど立ち上げたクラフトドリンクブランド「Brewing Tomorrow」より、第一弾としてアルコール度数わずか0.5%のクラフトビール『BREWTO Tropical XPA』が10月30日より公式サイトにて発売されます。ローアルコールでクラフトビール特有の味を楽しめるのか、ひと足先にその味わいを確かめてきました。

  • 10月30日より公式サイトにて発売する『BREWTO Tropical XPA』(330ml 880円)

お酒が好きな人、控えたい人が一緒に乾杯を

近年の健康意識の高まりからか、ローアルコール・ノンアルコール飲料を目にする機会が増えてきました。同社 代表取締役の木原かえ氏によれば、世界的なローアルコール・ノンアルコール飲料のトレンドは、それぞれの頭文字を取った造語“nolo(ノーロー)”や、特定の場ではローアルコール・ノンアルコール飲料を、別の場ではアルコール飲料と場面ごとに分けているライフスタイルの人々を表す“Substituters(サブスティチューターズ)”といった用語が注目されているのだそう。

一方日本では、味よりも機能にこだわる商品が多く、味わいで満足できるローアルコール・ノンアルコールプロダクトが求められていると考え、“お酒が好きな人、控えたい人が一緒に乾杯できるドリンクを作りたい”という思いから本プロジェクトがスタートしました。

  • KITO 代表取締役 木原かえ氏

木原氏が理想とするクラフトビールを作ろうと、声をかけたのは山口県山口市を拠点とするクラフトビールメーカー「山口地ビール」。古くから親交があった代表取締役社長 中川弘⽂氏もローアルコール・ノンアルコール飲料に強い関心があったことから、2年近い歳月を経て『BREWTO Tropical XPA』の商品化に漕ぎ着けました。

  • オンラインで発表会に参加した山口地ビール 代表取締役社長 中川弘⽂氏

目標は明確ではあったものの、完成までにはさまざまな苦労があったのだそう。木原氏は「アルコール度数を下げようと醸造すると糖分が残り甘い味になってしまったり、甘い味を調整しようとするとアルコール度数が1%以上になってしまったり。中川社長が試行錯誤を重ね、新しい方法に挑戦する姿を見て、アルコール度数の低いおいしいビールを作ることの難しさを実感した」と当時を振り返りました。

また、中川氏は「副原料を一切使わずに麦とホップと水と酵母のみでいかに重厚感のある味わいを出しながら、アルコール度数も0.5%より抑えることに非常に苦労した。完成したものを初めて飲んだ時は非常に重厚だったのでこれも1%を超えたなと思ったのですが、測った結果0.5%で収まったので諦めなくて良かったなと思った」と笑顔で語りました。

本当にローアル?華やかな香りと重厚感を感じられるクラフトビールならではの味わい

完成した『BREWTO Tropical XPA』は、山口県 鳴滝の天然水と源泉された香り高い3種類のホップを使用。フルーティーなアロマと爽やかな苦味が特徴的で、ローアルコールでありながらクラフトビールならではのしっかりした味わいや風味を楽しめます。

発表会では、『BREWTO Tropical XPA』とともに現在開発中のモルト糟を再利用した『モルトグラノーラ』を使ったおつまみのペアリングが行われ、筆者も実際に試飲してみることに。

『BREWTO Tropical XPA』は、グラスで香りを楽しみながらゆっくりと味わうのがおすすめなのだそう。グラスに注がれると、オレンジジュースのような濁りがあり、マンゴーやエルダーフラワーのようなすっきりとした甘く華やかな香りが漂います。

気になる味はというと、本当にローアルコール?と思ってしまうほどの重厚感。水っぽさというかもう少しさらっとした味を想像していましたが、何も言われずに提供されたらアルコール飲料だと間違えてしまうほど本格的で、クラフトビール特有の味を追求してきたことがひしひしと伝わってきます。

試作段階だという『モルトグラノーラ』は、通常のオーツ麦よりも軽く、サクサクな食感。特にエスニック味の甘じょっぱさがお酒のおつまみにぴったりでした。モルトは栄養価も高いことからクラフトビールとセットでギフトにしても喜ばれそうです。

最後に木原氏は、「お酒が好きな人でも控えたい人でも、初めて会った者同士がちょっとリッチなローアルコールで乾杯すれば、お互いの気持ちが近付くのではないかと思い、“知り合うときに”をコンセプトに『BREWTO Tropical XPA』を作った。1人で味わう場合は、休日のランチや気分転換に飲んでいただいて、散歩に出かけるとか映画を観に行くようなライフスタイルが広がる飲み方を楽しんでほしい」とおすすめのシチュエーションを語りました。