ディライトは10月8日、「地域ごとの葬儀の風習の違い」に関する調査の結果を発表した。調査は2024年9月18日~9月20日、葬儀に行ったことがある、または参列したことがある20~70代の男女1,004人を対象にインターネットで行われた。
首都圏・関西で「新聞の訃報欄」はほとんど使われない
「知人の葬儀があることを知る経路として、経験したことがあるものを全て選んでください(複数回答可)」と質問したところ、以下のような結果となった。
東北地方・北陸地方・九州地方では新聞の訃報掲載欄の利用率が比較的高くなっており、新聞が地域社会の重要な情報源として機能していることが伺える。首都圏では新聞の訃報掲載欄が4%にとどまったこと、関西では上位に入ってこなかったことから、新聞購読率の低下やコミュニティの規模と結びつきの違いがみられる結果となった。
続いて、「直近で経験した葬儀はどのような形式でしたか?」と質問したところ、以下のような結果となった。
首都圏は家族葬の割合が半数以上となり、都市化に伴う生活様式の変化、核家族化、地域コミュニティの希薄化などが要因として考えられる。また東北や九州などの地方では、地域社会の結びつきが強いため、一般葬を選択する要因の1つになっていることが示唆された。
東北地方では火葬後に葬儀が行われる割合が3割以上
「葬儀の流れはどちらでしたか?」と質問したところ、東北地方とそれ以外の全国で差異がみられる結果となった。
東北地方では、火葬を先に行う「前火葬」の割合が3割以上と、全国平均の約1割を大きく上回っている。東北地方では火葬を先に行う風習が根強く残っているようだ。
続いて、「亡くなってから葬儀を行うまでの日数を教えてください」と質問したところ、以下のような結果となった。
首都圏では7日以上と回答した人の割合が最も多くなっている。これは人口密度が高いために、葬儀場や火葬場の予約の混雑などが大きな要因になっていると考えられる。
他の地域、特に九州地方では「1日~3日」で葬儀が行われるケースが9割以上と、亡くなってから比較的日数を置かずに葬儀ができる傾向が見られる。
首都圏と関西地方では費用を抑えた葬儀が多い傾向に
葬儀を行ったことがあると回答した人のみに、「葬儀を行う際の費用はどれくらいでしたか?」と質問したところ、以下のような結果となった。
唯一、首都圏でのみ30万円未満の低価格帯の割合が3番目に高くなっており、関西地方では「30万円未満」と「30万円~90万円未満」を合わせた90万円未満が4割以上と、比較的低コストで行われていることを示している。人口の多い地域においては、小規模な葬儀や費用をある程度抑えた傾向が強いことが示唆された。
一方、首都圏・関西地方以外の「東北地方」「北陸地方」「九州地方」では、150万円以上の費用をかけて実施している割合は27%以上と高くなっているため、伝統的な葬儀形式が好まれている可能性がある。