グッドネーバーズ・ジャパンは、養育費の受け取り状況等に関する調査結果を10月3日に発表した。同調査は2024年8月9日~8月25日の期間、グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンク事業「グッドごはん」の利用者であるひとり親家庭の保護者1,481人を対象にインターネットを用いて行われた。

  • 回答者の5割「養育費を一度も受け取っていない」

子どもの片方の親から養育費を受け取っているか聞いたところ、「一度も受け取っていない」(50.3%)が最多だった。また、「決まった金額を毎月不足なく受け取っている」と答えた人はわずか2割程度にとどまった。

養育費を継続的に受け取っていない人に対し、受け取っていない理由を尋ねたところ、「相手が支払いを拒否しているため」「離別当初から相手が経済的に不安定なため」「相手から身体的/精神的暴力やハラスメントを受けていたことから、相手と関わりたくないため」「相手が行方不明になった・一方的に連絡を途絶えさせたため」と回答した人が比較的多い割合を占めた。

養育費の受け取りに関し、自由記述回答では、相手に支払い能力がないために受け取りがかなわない事情や、子どもとの面会交流が養育費支払いの対価とはならないにもかかわらず面会を交換条件にされる状況に苦悩するケースなどもみられた。

養育費を継続的に受け取っていない回答者のうち、「相手と養育費の取り決めをしていない」「養育費を支払うよう相手に直接働きかけたことがない」人はいずれも約半数だった。

  • 相手による身体的・精神的暴力の影響

養育費の取り決めをしなかった理由、および相手に直接支払いを働きかけたことがない理由を尋ねたところ、ともに「相手から身体的/精神的暴力やハラスメントを受けていたことから、相手と関わりたくない(なかった)ため」が最多だった。

一方、養育費について「決まった金額を毎月不足なく受け取っている」と答えた人においても、受け取りにおける相手とのコミュニケーションに関し精神的負担を感じている様子がみられたという。

「決まった金額を毎月不足なく受け取っている」人に、1カ月あたりの受け取り金額(子どもが複数人いる場合は合計額)を尋ねたところ、「月額1〜5万円台」が約6割だった。回答者が養育する20歳未満の子どもの人数別に確認すると、子ども1人あたりの受け取り金額が月額1万円にも満たない家庭もみられた。

  • 養育費の金額が少なすぎる状況も

また、現在受け取っている養育費の金額は、子どもの教育や監護に必要な費用として適切だと思うか聞いたところ、8割以上が「少なすぎる」「やや少ない」と答えた。