メルクバイオファーマはこのほど、生殖や性に関する意識と実態についての調査結果を発表した。調査は2024年3月15日~3月18日、15~49歳の男女31,000人を対象に行われた。
10代では39.3%、20代では41.5%が「子どもを授かりたい」
子どもを授かりたいかという質問に対し、10代は39.3%、20代は41.5%が将来子どもを「授かりたい」と回答した。子どもを授かりたくない理由には、「国や自治体の制度などの出産・育児支援が不足」「経済的に難しい」が上位に挙がった。
生殖や性に関する教育を受けたかった理想の年齢
生殖や性に関する教育を受けたかった理想の年齢は、10代13.5歳、20代14.7歳、30代15.1歳、40代15.2歳となった。実際に正しい知識を得た年齢は10代13.8歳、20代15.0歳、30代15.2歳、40代15.5歳だった。
妊孕性に関する知識
妊娠のしやすさ、妊娠する力のことを「妊孕性(にんようせい)」と言うが、妊孕性の知識度を図るため、妊娠・出産に関する質問をしたところ、「男性は精子の産生のみで受精能力があるといえる」(「誤り」が正解)に正解した人は10代25.8%、20代27.6%、30代30.5%、40代30.3%となり、正しく認識していない人が約7割となっている。
「月経があれば妊娠することができる」は「誤り」が正解だが、こちらもどの年代も7割前後が誤った認識をしていることがわかった。
生殖や性に関する知識を得たのは学校の授業で
生殖や性に関する知識を得たのは、「中学校の授業」「小学校の授業」「高校の授業」などで、教わった内容は「男女の身体の違い」「男女の身体の機能の違い」「妊娠の仕組み」「月経(排卵)が起きる仕組み」が多いことが分かった。「ジェンダーの多様性やLGBTQ+」について10代は半数以上が学んでいるが、年代が上がるとともに教わっていない割合が高まっている。
親の約9割が、自分の子どもへの「性教育をしたことがない」
自身の子どもに生殖や性に関する教育をした経験がある親は、20代8.0%、30代8.7%、40代8.6%だった。
生殖や性に関して親子で「十分話したことがある」高校生は男女とも8.0%で、話したことがない理由の上位は「気まずい」「恥ずかしい」などだった。
親の25.3%が生殖や性に関する知識がなくて「困った経験あり」と回答しており、73.0%は、自身の子どもに生殖や性に関する知識を正しく伝えられる「自信がない」と回答している。
生殖や性に関して情報源にしている人や機関
生殖や性に関して医学的に正しい情報が得られている男子高校生は48.0%、女子高校生は54.0%、男子高校生の父は19.0%だった。
男子高校生にとっての生殖や性に関する情報源(人や機関)は「友人・知人」、女子高校生は「学校の先生」だった。一方、親にとっての生殖や性に関する情報源は「特にない・わからない」が半数で最多だった。
生殖や性に関する情報を得る際に信頼できるメディアは、高校生は男女とも「学校の教材」が一番多いものの「特に気にしていない、わからない」が最多に。親も「特に気にしていない、わからない」が約半数で最多だった。
女子高校生の8割が身体の悩みを抱えるも、約6割は「誰にも相談しない」
男子高校生の52.0%、女子高校生の80.0%が身体の悩みを抱えていることが分かった。男子高校生の身体の悩みは「睡眠不足」「体型」「ストレス過多」、女子高校生の悩みは「体型」「体毛」「生理痛」などだった。
身体の悩みを相談する相手を尋ねたところ、男子高校生は「友人・知人」「母親」「父親」、女子高校生は「母親」「友人・知人」「SNS」の順となった。
身体の悩みを誰かに相談するのは、男子34.0%、女子43.0%で、男女とも相談しない人が多かった。