“洋羊コンビ”が語る互いの魅力
――今作で再び夫婦役で共演されるお二人ですが、お互いの魅力はどんなところに感じますか。
大泉:羊ちゃんとは、どんな役を演じても本当に楽しくて、なんて自在にお芝居をなさるんだろうといつもうっとりしています。共演はいつも「楽しいなぁ」の一言。僕のお芝居も素敵に見せてくれるし、シーン自体も良くなるし、すごい女優さんです。
吉田:そっくりそのままお返しします。洋さんが現場にいるだけでとてつもない安心感があるんです。洋さんは、いつも視聴者の視点で作品のことを考えてらっしゃるので、今作の現場でも、「ここをこうしたらどうか」という監督への提案は、そうすることで視聴者の方がより分かりやすくなるということばかりで。洋さんの提案によって、そのシーンに風穴が開いたり、深まったり、広がったりということが何度もありました。非常に頼もしい座長です。
吉田羊のコンサートに大泉洋がゲスト出演
――大泉さん、吉田さん、それぞれのファンの方からも、“洋羊コンビ”の共演も話題です。
大泉:ヒツジストの皆さんが!
吉田:子猫ちゃんの皆さんが!
――息ぴったりですね!(ヒツジスト…吉田羊のファンネーム、子猫ちゃん…大泉洋のファンネーム)。2022年には、吉田さんの芸能生活25周年記念コンサート「吉田羊NIGHT SPECTACLES THE PARALLEL~ウタウヒツジ~25TH ANNIVERSARY SPECIAL」に、大泉さんがゲストとして参加されたこともありましたが。
大泉:行きましたね、めちゃくちゃ楽しかったです。「素顔のままで」と「飾りじゃないのよ涙は」の2曲だけデュエットさせていただいたんですけど……全編出演でも良かったんじゃないかなと。
吉田:頭から終わりまで?(笑)
大泉:そうなると、“吉田羊のコンサート”じゃなくなっちゃいますけど。僕は昨年、一丁前に“音楽活動”と銘打っていろいろとやらせていただいたのですが、羊ちゃんのコンサートに呼んでいただいてステージで歌ったことが、その一つのきっかけになったと思っています。
――大泉さんが出演されて、いかがでしたか。
吉田:本当にマルチプレイヤーだなと。お芝居もできて、おしゃべりもできて面白くて、歌も歌えて、踊れて。
大泉:踊れないわ(笑)。
吉田:こんな完璧な人、いないなと、ステージ上でもつくづく思いました。ただ、トークが達者でいらっしゃるので、時間が足りなくなるんです。持ち時間を設定したアラームをセットさせていただきました。
大泉:そうでしたね(笑)。しゃべりすぎると、アラームが鳴るという。「もう終わりです、大泉さん」と声をかけられました。
吉田:「もう帰ってください」って(笑)。
大泉:最終日は、そこに中井貴一さんもやってきまして。貴一さんもやたらしゃべりますから(笑)。
2024年の今、見てほしいドラマに
――(笑)。それでは、最後に今作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
大泉:戦争という重いテーマを描いた作品ではありますが、宮藤さんらしい笑いの要素もありますし、2024年に生きる家族が、戦争が終わる1年前にタイムスリップしてしまったことで見せるリアルな反応に、考えさせられる作品です。2024年を生きる僕たちにとって、とても意義のあるドラマになっているので、ぜひご覧ください。
吉田:戦争が人をどう変えていくのか、戦争がもたらす本当の怖さを宮藤さんのユーモアと新しい感覚で描き直した、今だからこそ作る意味がある、今だからこそ見ていただきたい作品になっています。『終りに見た街』は、今後またリメイクで作られることがあるかもしれませんが、そのときはきっと環境が変わっていて、新しい時代が反映された全く別の作品になっているはず。2024年の今、作られた今作を見届けていただきたいです。
1973年4月3日生まれ、北海道出身。演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。バラエティ番組『水曜どうでしょう』(HTB)でブレイクし、数々のドラマや映画に出演。TEAM NACS公演や三谷幸喜作品など、舞台でも活躍している。バラエティ番組でも活躍するほか、NHK音楽番組『SONGS』では番組責任者を務め、『NHK紅白歌合戦』でも複数回、司会を務めた。近年の主な出演作は、TBS『ノーサイド・ゲーム』(19)、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22)、フジテレビ『元彼の遺言状』(22)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(23)、Netflix『浅草キッド』(21)、映画『月の満ち欠け』(22)、『こんにちは、母さん』(23)、『ディア・ファミリー』(24)など。公開待機作に『室町無頼』(2025年1月17日公開予定)がある。
2月3日生まれ、福岡県出身。2001年、小劇場で女優デビューを果たす。映像作品に進出後は、中井貴一や三谷幸喜との出会いを経ながらキャリアを重ね、『HERO』の第2シリーズや『映画 ビリギャル』といった話題作、さらには『ポカリスエット』のCMなどに出演して全国区の女優に。近年の出演作に、『きれいのくに』(21)、『妻、小学生になる。』(22)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(23)、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(23)、『光る君へ』(24)、『不適切にもほどがある!』(24)、映画『ハナレイ・ベイ』(18)、『映画 イチケイのカラス』(23)、『Winny』(23)、『クレイジークルーズ』(23)、『ハピネス』(24)など。
出演:大泉洋、吉田羊・奥智哉、當真あみ、今泉雄土哉・勝地涼、三田佳子、堤真一
特別出演 五十音順:神木隆之介、田辺誠一、塚本高史、西田敏行、橋爪功