女優の長澤まさみが主演を務める、映画『スオミの話をしよう』(9月13日公開)が第37回ヘルシンキ国際映画祭に特別招待されることがこのほど、明らかになった。

  • 映画『スオミの話をしよう』

同作は、三谷幸喜監督が脚本・演出を務める、長澤主演のオリジナル作。大富豪の妻・スオミ(長澤)が失踪し、彼女の前の夫たち4人が集合する。大富豪も含めた5人の男たちは、それぞれが接していたスオミの姿を語り、どれだけ彼女を愛していたかマウントを取り合っていく。

映画『スオミの話をしよう』第37回ヘルシンキ国際映画祭で特別招待上映

今作の主人公の名前“スオミ”は、フィンランド語で“フィンランド”という意味。三谷監督がたまたまBlu-rayで見ていた洋画作品で、最初に字幕をどこの国の言語にするか選択する時、日本語や英語に交じってsuomi(=スオミ)というワードを発見したことから「スオミはフィンランド語のことなんですが、その時すごくその言葉が印象に残って。日本人っぽくもあるけど、あまり聞いたことがない名前だなと。そこで主人公はスオミに決めました。正直、その時は、深い意味はなくたまたま目についたというだけなんです(笑)。でもそこから彼女の設定が生まれていきました」と主人公の名前や設定に至ったという。

映画のエンディングで、長澤演じるスオミが華麗に歌い踊り、出演者全員が参加した話題のミュージカルシーンのナンバーはフィンランドの首都である「ヘルシンキ」。三谷幸喜が「今作の注目シーンであることには間違いありません」と語る多幸感あふれるシーンで、先日実施された完成報告会でも「このメンバーが集まって、皆さんの顔を見た時に“この人たちと一緒に踊ってみたいな”という感じがあったんです。そこで急遽、最後のミュージカルシーンを作りました」とコメントしている。

そんなフィンランドに纏わるエピソードが登場する今作が、第37回ヘルシンキ国際映画祭で特別招待上映されることに。先日イベントで集まった監督・キャストにヘルシンキ国際映画祭特別招待上映決定の情報が発表されると、長澤まさみはじめキャスト全員からは大きな拍手と歓声が上がり、「フィンランドの人は、どんな気持ちであの歌を聞くんだろう」との声も。三谷監督に映画祭への意気込みを聞くと「ヘルシンキ国際映画祭に行ってきます! ヘルシンキのみんな!待っててね!」と期待を滲ませた。

7月には三谷監督が富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭のマスタークラスに参加し、韓国のファンとのティーチインやサイン会を実施。その際は今作の上映はされなかったため、ヘルシンキ国際映画祭での上映が本作のインターナショナルプレミアとなる。ヘルシンキ国際映画祭では現地時間9月24日夜に上映、上映後三谷監督によるティーチインを予定している。また、10月12日から台湾で開催される第24回高雄映画祭では、特別上映作品として上映される。

ペッカ・ラネヴァ(ヘルシンキ国際映画祭アーティスティックディレクター)コメント

『スオミの話をしよう』は愛されるべき5つの異なる顔を持つ女性を題材にした(笑いがはじける)スパークリングコメディで、そこにはLove&Anarchy(愛と自由・何者にも支配されない)という映画祭のテーマとフィンランドそのものに繋がるスパイスも散りばめられています。脚本と監督を務めた三谷幸喜氏を初めてヘルシンキ国際映画祭に招待できることになり、大変うれしく思います。

【編集部MEMO】
映画『スオミの話をしよう』あらすじ
突然行方をくらませた、大富豪の妻・スオミ(長澤まさみ)。スオミの失踪を知り、夫が住む豪邸に集結したのは、彼女を愛した5人の男たち(西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎)。しかし、彼らがそれぞれに語るスオミのイメージは、見た目も、性格も、全く異なるものだった。一体、スオミの正体とは? ひとつの屋敷を舞台に、三谷幸喜真骨頂!サスペンス・コメディの幕が上がる。

(C)2024「スオミの話をしよう」製作委員会