東京商工リサーチは8月20日、2024年度「賃上げに関するアンケート」調査結果を発表した。同調査は、2024年8月1日~13日の期間、6,899社を対象にインターネットで実施したもの。

  • 賃上げ動向 年度推移

はじめに、今年度賃上げを実施したかを聞いたところ、84.2%が「実施した」と回答。前年度(84.8%)から0.6ポイント下落したが、3年連続で8割台に乗せ、コロナ禍前の水準を上回ったという。

  • 規模別の実施率

規模別の「実施率」は、大企業が94.0%(794社中、747社)で前年度(89.9%)から4.1ポイント上昇したが、中小企業は82.9%(6,105社中、5,063社)で、前年度(84.2%)を1.3ポイント下回る結果に。

  • 実施内容

賃上げを実施したと回答した企業(5,628社)に対し、賃上げ項目を尋ねると、「定期昇給」の74.2%(4,181社)が最多回答となった。次いで「ベースアップ」が61.4%(3,459社)、「賞与(一時金)の増額」が38.5%(2,171社)と続いた。

規模別では、「新卒者の初任給の増額」が大企業の45.6%(710社中、324社)に対し、中小企業は22.1%(4,918社中、1,087社)にとどまり、23.5ポイントと最大の差がついた。

同社によると「初任給の上昇やベースアップは長期にわたる人件費の上昇につながるため、大企業に比べて体力に乏しい中小企業には実施のハードルが高い。しかし、新卒採用や人材定着に与える影響が大きく、人手不足が深刻化する中では、大企業だけでなく中小企業も安定した賃上げを実施できるような支援策や環境整備が重要になっている」とした。