第37期竜王戦(主催:読売新聞社)決勝トーナメント準決勝が、7月26日(金)に関西将棋会館で行われました。先手広瀬章人九段と後手山崎隆之八段の対局は、115手で広瀬九段が勝利し、挑戦者決定三番勝負への進出を決めました。

序盤、山崎八段はなかなか戦型を表明せず、のらりくらりと様子を伺いますが、2筋に飛車を振り、向かい飛車を選択。盤面右側が主戦場になる気配が漂います。やがて角交換が行われ、戦いが加速。後手はたたきの歩や垂れ歩で、敵陣を崩そうとしますが、先手は飛車、角、銀を活用して、攻めをさばきつつ逆に進撃を開始。

盤面右側で派手なドンパチ的展開になりますが、やがて後手は歩切れに。ここで先手は自陣に手を入れ守りを固めつつ、後手の飛車、角を抑え込んでいきます。縦横無尽に活躍するはずの後手の大駒が、先手の激辛な攻撃で哀れなまでに押し返されます。

きづけば先手の前線がグイグイとせり上がり、さらに駒台にはたくさんの歩が用意され、後手は満身創痍の状態に。ここで勝機なしと見て、山崎八段が21時13分、投了を告げました。

この勝利で広瀬九段は挑戦者決定三番勝負に駒を進め、藤井竜王への挑戦権をかけて佐々木勇気八段と29日に対局します。

  • 着実に優勢を築いていった広瀬八段。挑戦権を獲得できれば、2年ぶりのタイトル戦となる(写真は第35期竜王戦七番勝負第1局のもの 提供:日本将棋連盟)

    着実に優勢を築いていった広瀬八段。挑戦権を獲得できれば、2年ぶりのタイトル戦となる(写真は第35期竜王戦七番勝負第1局のもの 提供:日本将棋連盟)