• 久保田紗友(左)と前田公輝

――今作の『Friday's EDGE』という放送枠は、名前の通り深夜ならではのエッジの効いた作品をラインナップするということなのですが、演じてみて「エッジが効いている」のを感じた部分はありますか?

前田:多ジャンルなものを30分でお届けするというのは、エッジ効いてるなと思いますね。たくさんの要素がふんだんに詰め込まれている作品なので、最初はそれをどう描くのかな?と思ったんです。そもそも1話30分でラブコメだけでもちゃんとお腹いっぱいになると思いますし、人の生死に関わってくるところからラブコメにはつながりづらいと思うんですよ。それでも、濃度の高いものが作られているので、みんな「あっという間だった」と言ってくれて、そこが面白い部分なのかなと思いますね。

久保田:私自身も視聴者として見たとき、ここまで盛り込まれているのに、置いていかれないと感じました。30分だとものすごく展開が早い部分もあるんですけど、ちゃんと納得して演じられる状況だったので、演じる側としてはありがたかったですし、ここまで多ジャンルが融合している作品は新しいなと感じました。

――8月30日深夜からHuluでシーズン2となる「恋路編」が配信されます。見どころを教えてください。

前田:ラブコメ、サスペンス、ファンタジーと、いろんな要素がある中でどこかに振り切っているわけでもなく、グラデーションとしてちゃんと次のジャンルに向かっていけるような感覚になっています。恋路編は稜英と奈津実の立場が全然違う状態になっていくのですが、シーズン1の「追憶編」との関係性や呼吸が垣間見られる瞬間があるので、感情が地続きになっているのが伝わると思います。2人の関係が最終的にどういうゴールを迎えるのかを楽しんでもらえたらうれしいです。

久保田:シーズン1の「追憶編」はめちゃめちゃ気になるところで終わるんです。私だったら絶対すぐHuluに入っちゃうので(笑)、皆さんも「追憶編」を見たら、シーズン2の「恋路編」をすぐに見ていただきたいなと思います。それと、シーズン1の「追憶編」をもう一度最初から見てみると、見方も変わると思うので、奈津実視点や稜英視線とか、いろんな角度から何度も楽しんでいただけたらうれしいなと思います。

  • 久保田紗友(左)と前田公輝

自分と役との中間地点のところにいる映像

――ドラマ公式X(Twitter)で公開されたお花畑のキスシーンのオフショット動画に反響が集まっていますが、ご本人としてはどんな気持ちですか?

前田:撮られているの、知らなかったんです(笑)。あれは2人の立ち位置を確認しているところなのですが、他の作品だとスタッフさんが立ってやることが多いので、あまり僕たち演者がやることはないんです。他のシーンでもそういうことが結構あったので、本当に僕らに委ねてくださって、ものづくりの一員になれているなという実感があります。自分と役との中間地点のところにいるので、あの動画はなかなか貴重な映像だと思います(笑)

久保田:私は、前田さんのことを触っていいのか?いけないのか?って悩んじゃいました(笑)

前田:役と自分自身のどっちでやればいいんだろう?という感覚の瞬間なんですよ。

久保田:そうですよね! 分かります!

前田:あの瞬間は芝居で学んだことがないので、スタンスが分からないんです(笑)。だから、撮られてるのも気づいてなかったんです。

久保田:私も集中して気づいてなかったです。

――あのお花畑のシーンは、すごく幻想的な映像に仕上がっていましたよね。

前田:webtoonのファンタジーのところがちゃんと出ていて、ホッとしました。いろんな工夫をして世界観を作り出しているんです。

久保田:フレア(※反射で画面を白っぽくする撮影技術)も照明で白に飛ばしてるわけじゃないんです。わざとピンボケさせて、フォーカスが合わないようにしていたりしてるんですよね。現場では映像をチェックしていなくて、どういう仕上がりになるのか分からない状態だったので、すごく新鮮で面白かったです。

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<久保田紗友>
・ヘアメイク:ナライユミ