少年時代の大谷翔平も在籍したリトルリーグ。その祭典とも言える「文部科学大臣杯 JA共済トーナメント 第58回 全日本リトルリーグ野球選手権大会」が7月20日、21日にかけて行われた。アメリカで行われるワールドシリーズの出場権を得るために全国12のリーグがトーナメントを戦い、今年は見事に東京の城北リーグが優勝を勝ち取った。

今回は、第58回 全日本リトルリーグ野球選手権の大会前日に行われた開会式の模様をお届けしたい。

▼2017年以来の世界一へ!全日本リトルリーグ野球選手権、開幕

関東甲信で正式に梅雨明け宣言が出された翌19日、晴天のもと、東京・八王子市のスリーボンドベースボールパーク上柚木でリトルリーグ全日本選手権の開会式が行われた。

入場した選手たちは国歌を斉唱。その後、昨年贈呈された文部科学大臣杯 優勝旗・優勝杯、準優勝杯などの返還セレモニーが行われた。

返還セレモニー後は日本リトルリーグ野球協会の坂谷内 実会長が挨拶。

  • 坂谷内 実会長

坂谷内会長は、「優勝チームはアメリカのワールドシリーズに日本代表として参加することになります。私の記憶では2007年以来、日本のチームは5回、ワールドシリーズのチャンピオンになっています」と話しつつ、「2017年に東京北砂チームがワールドシリーズで優勝して以来、世界一の座を勝ち取っていません。我々は勝利至上主義で協会を運営しているわけではありませんが、そろそろ世界一になってほしいという声もあります。今回は日頃の練習成果をあますことなく発揮し、世界一を目指して頑張ってください」と呼びかけた。

  • 八王子・初宿和夫市長

八王子市の初宿和夫市長も挨拶に立ち、全日本リトルリーグ野球選手権大会が八王子で開催されること、そして開催にあたって尽力した関係者たちに感謝の意を表明。トーナメントに臨む選手たちを鼓舞した。

  • 参加記念タオルを贈呈するJA共済の和泉崇之氏

この日は東京連盟第1代表・城北リーグで主将を務める渡辺友貴選手が選手宣誓を行った。

渡辺選手は「選手一同は全国大会という大きな舞台に立つことができました。中学生にとっては最後の大会です。仲間と過ごしてきた時間を胸に刻み、全力で戦い抜き、世界大会の切符を手に入れます。笑顔あふれる最高の大会にすることを誓います」と声高に訴えた。

▼選手たちが周囲への感謝を伝える「絆プロジェクト」

会場にはモニターも設置され、「絆プロジェクト」の一環として作成された「ありがとうのメッセージ」の映像が流された。大会に出場する各チームの選手や関係者が家族や親戚、監督やチームメイトなど周囲の人間への感謝の気持ちを表明するメッセージ動画集である。

リトルリーグは学校の部活と違い、基本的にはボランティアで運営されており、地域や保護者などから広い協力を得ることでその運営が成り立っている。言い換えればこうした「絆」なくしては立ち行かないシステムであり、だからこそ「ありがとうのメッセージ」を通じ、日頃の感謝を言葉にしてシェアすることで「絆」を可視化することも重要となってくる。

映像を手掛けるのは、リトルリーグのメジャーパートナーに名を連ねるJA共済。実はJA共済は兼ねてより子どもたちの文化支援やスポーツ支援に力を入れており、野球やサッカー、バレーボール、ラグビーなどさまざまな分野に協賛。子どもたちがスポーツを通じて成長する場を全国的に支援しており、この日流された「ありがとうのメッセージ」も毎年制作を続けている。

会場では「ありがとうのメッセージ」の映像の他に、JA共済が募った八王子市民からの応援メッセージも掲示された。

八王子にキャンパスを持つ拓殖大学の野球部一同や、八王子学園八王子高校の野球部のOB、八王子のスポーツ店や和菓子店、スイーツ店、パン店など、地元の方々から熱い応援メッセージが手書きで記された。「スポーツを通じて地域を盛り上げたい」。まさに全国各地に根を張って活動するJA共済ならではの貢献方法である。

今回、見事に優勝した城北リーグも、日本全国の「絆」を胸に大いにアメリカで活躍してくれるに違いない。