
プロ野球 最新情報
シーズンの半分以上を消化している2024年プロ野球。この世界で活躍する選手の中では、高校時代ともにプレーした同級生コンビも多い。それでも、プロ入りするタイミングは高卒だけでなく大卒、社会人を経てからなど様々なケースがある。ここでは、高校時代のチームメイトで、プロ入りのタイミングが異なった同期コンビを紹介する。
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徳山壮磨・泉口友汰
大阪桐蔭高で全国制覇を果たした徳山壮磨と泉口友汰。徳山は大学卒業後、泉口は社会人野球を経験したのちにプロ入りを果たした。
徳山と泉口は、3年春の甲子園で優勝を経験。同大会で徳山は背番号「1」を背負い、泉口は全5試合中2試合でスタメン出場した。同年夏も聖地への帰還を果たし、卒業後は徳山が早稲田大に、泉口は青山学院大にそれぞれ進学した。
両者は大学でも躍動した。徳山は1年春から好投を披露し、3年春には16イニングを自責点ゼロに抑えてベストナインを受賞。名門高でエースナンバーを背負った実力を見せつけ、2021年ドラフト2位で横浜DeNAベイスターズから指名を受けた。
泉口も1年春から出場機会を得ると、4年秋には10試合の出場で打率.297を残し、ベストナインを受賞。その後は社会人野球のNTT西日本で2年間プレーし、2023年ドラフト4位で読売ジャイアンツに入団した。
プロの舞台でもお互いに奮闘中だ。徳山は今季から一軍の舞台を経験すると、プロ初登板から8試合連続無失点を記録。リリーフ事情の厳しいチームだが、力のあるストレートとフォークを武器に、チーム内で2位の登板機会を得ている。
ルーキーイヤーの泉口も、持ち前の守備力を発揮し、今や門脇誠と遊撃のポジションを争う存在だ。打率は2割前後だが、6月11日の楽天戦ではプロ初ホームラン、翌日にはプロ初猛打賞を記録。打撃面も徐々に調子を上げている。
すでに主力と言ってもいい徳山と泉口。一軍公式戦で両者の対戦はまだないが、近い将来に実現するかもしれない。
森下暢仁・川瀬晃
大分商時代からプロ注目の存在だった森下暢仁と川瀬晃。森下は大学卒業後、川瀬は高校卒業後にプロの門を叩いた。
両者は1年夏の甲子園で、出場機会こそなかったがベンチ入りをしていた。3年夏には森下がエース、川瀬が遊撃のレギュラーとしてプレーしたが、大分県大会決勝で明豊高に0-1で惜しくも敗戦。
卒業後、森下はプロ志望届を出さずに明治大へ、川瀬は2015年ドラフト6位で福岡ソフトバンクホークスへの入団を果たした。
高校の時点でプロの評価も高かった森下は、大学でも実力を発揮した。1年春から登板機会を得ると、3年秋の東京大との試合では8回までノーヒットピッチングを披露。2019年ドラフト会議でも目玉の1人となり、1位で広島東洋カープに入団した。
川瀬より4年遅れでプロ入りしたが、先に頭角を現したのは森下だった。ルーキーイヤーから18試合に登板して10勝3敗、防御率1.91をマークすると、同年の新人王を獲得。
今季は右肘の張りで出遅れたが、すでに6勝をマーク。また、6月25日のヤクルト戦ではマダックス&猛打賞を達成するなど、打撃面も好調。まさに”二刀流”の活躍を見せている。
川瀬はプロ3年目に一軍出場を果たしたが、その後の数年間は打撃面で苦戦した。それでも、今季は4月27日の西武戦でサヨナラ打を放つなど、打撃が好調。内野の全ポジションをこなすユーティリティー性も光り、今や貴重な戦力だ。
今季で27歳とまだ若い両者。森下には先発4本柱の一角として、キャリアハイの10勝以上、川瀬にはスタメン奪取を期待したい。
戸田懐生・田中幹也
東海大菅生高で同学年だった戸田懐生と田中幹也。その後、戸田は独立リーグを経て、田中は大学卒業後にプロの世界へ入った。
両者は、2年夏の甲子園でベスト4を経験。同大会で戸田は背番号「11」を背負い、エースナンバーは1学年上の松本健吾(現:ヤクルト)が着けていた。それでも、3回戦では青森山田高を相手に完投勝利を収めるなど、実力の高さを見せた。
田中も同大会では全4試合、「1番・遊撃」でスタメン出場した。当時から守備には定評があり、打撃でも同大会で打率.500(16打数8安打)をマーク。小柄ながらも、攻守でチームに欠かせない存在だった。
その後、戸田は右肘の故障もあってKTCおおぞら高等学院に転校。卒業後は四国アイランドリーグ・徳島インディゴソックスでのプレーを経て、2020年育成ドラフト7位で読売ジャイアンツに入団した。
一方、田中は卒業後に亜細亜大へ進学した。1年春から出場機会を得ると、3度のベストナインに輝くなど活躍。高い野球センスを評価され、2022年ドラフト6位で中日ドラゴンズの一員となった。
こうしてプロ入りした両者だが、ともに苦しい時期を経験した。戸田はプロ1年目に支配下契約を勝ち取って一軍も経験したが、翌2022年オフに育成落ち。田中はプロ1年目に右肩の手術を受け、ファームでも8試合の出場に終わった。
それでも、今季はお互いに能力を発揮している。特に田中は一軍に欠かせない存在となっており、二塁のレギュラーになりつつある。育成契約の戸田も、ファームでは26試合に登板し、防御率1.93。今季中の支配下契約も目指せる数字だ。
戸田は田中の活躍も刺激に、まずは支配下契約を。田中はバッティングの状態を上げ、二塁のレギュラーをさらに強固なものにしたい。
石原彪・山本祐大
京都翔英高でともに汗を流した石原彪と山本祐大。石原は高校卒業後、山本は独立リーグからプロ入りした。
両者は3年夏に甲子園を経験。初戦で浜屋将太(現:西武)を擁する樟南高に敗れたが、石原は「4番・捕手」、山本は「5番・中堅」として出場し、石原は2安打、山本は1安打を記録した。
その後、石原は2016年ドラフト5位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。山本は独立リーグの滋賀ユナイテッドベースボールクラブ(現:滋賀GOブラックス)に進むと、捕手の座を確保。2017年ドラフト9位で横浜DeNAベイスターズに入団した。
同じ”捕手”としてプロ入りした両者だが、先に頭角を現したのは山本だった。ルーキーイヤーにプロ初打席でホームランを放つと、プロ6年目の昨季は71試合の出場で打率.277をマーク。今季も打撃は好調で、盗塁阻止率はセ・リーグ2位の.438を残している。
石原は昨季までの在籍7年間、一軍ではわずか5安打と苦しんでいた。それでも、プロ8年目の今季に自身初の開幕一軍を掴むと、4月2日の日本ハム戦でプロ初ホームランを記録。同20日の西武戦ではプロ初の猛打賞をマークし、ブレイクの兆しを見せている。
リーグは違えど、プロの世界で奮闘する両者。山本に続き、石原も一軍の主力になれるか期待したい。
岡留英貴・リチャード
強豪・沖縄尚学高でともにプレーした岡留英貴とリチャード。岡留は大学卒業後、リチャードは高校卒業後にプロ入りした。
高校時代の岡留はオーバースローで投げており、3年夏は背番号「10」をつけた。リチャードも高校通算25本塁打を記録する強打者で、チームの主砲に君臨。しかし、3年間で1度も甲子園の土を踏むことはできなかった。
卒業後、岡留は亜細亜大に進学。リチャードは2017年ドラフト育成ドラフト3位で、福岡ソフトバンクホークスに入団した。
岡留は、大学進学後にサイドスローへ転向。1年秋から登板を重ねると、威力のあるボールが評価され、いつしかプロ注目の存在になった。その後、2021年ドラフト5位で阪神タイガースから指名を受けた。
プロ入り後、一軍の戦力となりつつあるのは岡留だ。昨季の7月4日にプロ初登板を果たすと、同年は8試合の登板ながらも1勝0敗、防御率1.29をマーク。今季は開幕一軍入りするなど、成長株の1人である。
一方リチャードは、確実性が課題だ。プロ3年目に支配下を勝ち取り、ファームでは4年連続の本塁打王を獲得。しかし、一軍では活躍できていないのが現状。変化球への対応、三振の多さなど、技術面で苦しんでいる。
今季でプロ3年目を迎えた岡留は、今後の一軍定着に期待。プロ7年目を迎えたリチャードは、後半戦に一軍で見せ場を作れるのか注目したい。
有原航平・福田周平
広島の名門・広陵高でともにプレーした有原航平と福田周平。そんな両者だが、有原は大学卒業後、福田は社会人野球を経てプロの世界に入った。
両者は、3年春の甲子園で4強に進出した。同大会で、有原はエースとして全4試合に先発登板。福田も切り込み隊長として、全4試合の出場で打率.429(14打数6安打)と活躍。その後、有原は早稲田大に、福田は明治大に進学した。
新天地でも活躍した両者。有原は1年春から登板機会を得ると、3年秋には最優秀防御率(0.72)を獲得した。2014年ドラフト会議で有原は目玉選手となり、4球団が1位指名。抽選の末、北海道日本ハムファイターズに入団した。
福田も2年春から俊足巧打の野手として活躍し、2度のベストナインを受賞した。卒業後はNTT東日本に進むと、2017年の都市対抗野球では首位打者(.550)と橋戸賞を獲得。社会人野球でも結果を残し、2017年ドラフト3位でオリックス・バファローズに入団した。
有原と福田は、プロ入り後も結果を残している。有原はルーキーイヤーに新人王を受賞すると、プロ5年目には24試合の登板で15勝をマークした。2021年からはメジャーにも挑戦したが、昨季からNPBに復帰。現在は福岡ソフトバンクホークスでプレーしている。
福田もルーキーイヤーから多くの出場機会を得た。プロ2年目にはパ・リーグ2位タイの30盗塁をマークすると、2022年にはゴールデングラブ賞を受賞。今季は6月に右足首を負傷して離脱したが、現在は復帰している。
今季もチームに欠かせない戦力となっている両者。有原は勝ち頭としてチームを4年ぶりのリーグ優勝に、福田はチームのリーグ4連覇に向けた起爆剤になれるか注目だ。
【了】