特殊詐欺根絶をPRする「特殊詐欺根絶ラッピングタクシー」が2024年7月より導入される。特殊詐欺防止に関するラッピングタクシー導入は都内で初めてとなる。
導入に合わせ警視庁深川警察署にて出発式が行われ、協力する大和自動車交通の担当者らが隊列走行の出発を見送った。
特殊詐欺根絶を目指すラッピングタクシーが走行
2024年の被害件数は5月末時点で1,279件にもおよび、被害総額は39億2,000万円にものぼる特殊詐欺。
公共機関の職員などを装って現金やキャッシュカードをだまし取ったり、医療費の還付金が受け取れると装ってATMを操作させ犯人の口座に送金させたりするような犯罪が、依然として多く発生してしまっている。
出発式に際し、深川警察署長の山田俊彦氏は「特殊詐欺は被害者をパニックにさせて冷静な判断を失わせる犯罪です。犯人が一番嫌がるのは街中から『電話でお金やキャッシュカードの話をするのは詐欺です』と聞こえてくることだったと、実際に捕まった犯人が言っていました。今回のタクシーのラッピングは目からそのような情報が入ってくるので、同様の効果を大いに期待しています」と話す。
「大和自動車交通様の卑劣な特殊詐欺は絶対に許さない、何とか防ぎたい、社会貢献をしたいという想いを、このような形にしてくださったことに、心より感謝を申し上げます」と謝辞を述べた。
これを受け、大和自動車交通 総部部長 井上和久氏は「ラッピングタクシーはタクシーアプリのお知らせを始めエンタメ関係、スポーツや格闘技関係の広告など、いろいろご活用いただいていますが、特殊詐欺を根絶しようというキャンペーンに参加させていただけることを、心より嬉しく思います」と、防犯意識向上の一助となれることへの喜びを明かす。
大和自動車交通へ感謝状も贈呈
続いて、深川防犯協会 会長 菅野氏は「深川警察署の皆さんを始め、多くの方の協力により管内は大きな事件もなく過ごせておりますが、事件はいつどこで、どのように起こるか分かりません。常に明るい街であるように、今後もご協力いただきたい」と、今後も各所と協力しながら防犯に努めたいと話した。
ラッピングタクシーには、警視庁のシンボルマスコット「ピーポくん」が描かれ、吹き出しの中には「電話でお金!? それはサギです!」というメッセージと、注意マークが書かれており、都内に10台が走行することになる。
今回の協力に関して、山田警察署長より大和自動車交通に感謝状も贈呈された。
テープカットを終えた後は、ラッピングタクシーの隊列走行が白バイを先頭に行われ、多くの警察職員らが敬礼する中、タクシーが深川警察署を出発した。
このラッピングタクシーは12月まで走行する予定。