高校生を対象にした国内最大級のビジネスコンテスト「第10回マイナビキャリア甲子園」(2024年春開催)に生命保険協会の代表として出場し、Creation部門で優勝した高校生の2人組が6月28日、日本生命(東京・丸の内)の社員に向けてプレゼンを披露した。

  • 高校生が日本生命の社員向け研修のステージに上がった

■アバターに保険をかける

渋谷教育学園幕張高等学校の池野さん、麻布高等学校の清水さんが結成した『質疑応答独占』チームは、今春開催の「第10回マイナビキャリア甲子園」のCreation部門で見事に優勝。そこでこの日、日本生命の社員研修に講師として招かれた。

  • 『質疑応答独占』のプロフィール

『質疑応答独占』が創造したのは、バーチャル空間に息づく自身の分身=アバターに保険をかける、という新しい概念。世界がリアルからバーチャルに変容し、誰しもがクリエイターとなり情報を発信できるようになった、そんな未来に相応しいサービスとして提案する。

  • 会場では50名ほどの社員が参加した

「個人の『肉体』より『精神』に重きが置かれる時代では、精神・自己の健康を保障するニーズが高まります。そこで、現在の生命保険ではカバーできない領域に対応する『精命保険』を提案します。あと10年もすれば、誰しもがバーチャルに集まる未来がやって来ます。でもその空間は、まだ法律の整っていない無法地帯です。そこで多様な自己(アバター、アカウント)に保険をかけるプランの提案です」と池野さん。

  • 精命保険という概念

たとえばメタバース空間において、利用者は自身が作成したアバターに保険をかけることができる。このアバターが悪意を持った第3者のなりすましにより被害を受けたときに、保険が適用される。同プランはSNSなどの各種サービスにも適用される。

  • なりすましにより、アバターに悪いイメージがついてしまうことに備える

  • 保険料が支払われるしくみ

「精命保険による安心感により、人々の挑戦が促進されます。ただのデータでしかなかった個人のアカウントに保険料が支払われることで、実態のないものに明確な価値を持たせることが可能になります。これは目に見えないデータにも所有・権利・価値を持たせるNFTの理念にも通じることです」と池野さん。

  • 高校生のプレゼンに、熱心に耳を傾ける姿があった

最後に「時代に適応し、時代に先駆けるのが精命保険です。これによりウェルビーイングな社会を実現できたら、と考えています」とまとめると、会場から大きな拍手がおくられた。

研修の狙いについて、日本生命の幹部は「新たな発想、新たな考え方に直接触れる、良い機会ととらえました。生命保険業界で、カッチリとした仕事をしていくことは当然ながら大事なことです。けれども、社会、人、時代はどんどん変化しています。進化のスピードも早まっています。日本生命グループも、そのスピードに負けないような新しい発想、ものの見方、仕事の仕方をして、新しい事業を進めていかないといけない。私たちは、中期経営計画として『期待を超える安心を、より多くのお客様へ。』を掲げました。自分たちが変わる、そのことで日本生命グループも変わる――。研修を通じて、そんな気持ちも持ってもらえたら」と話していた。