電動モビリティが集まる「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2024」(新宿住友ビル三角広場で本日まで開催中)で見かけた真っ赤なクルマ。こんなところになぜ消防車が? と疑問に思ってよく見ると、実はこれ、「移動型電源車」というものだった。さて、どんなクルマ?
民間企業から引き合いあり?
北海道電気相互という企業のブースに展示してあったのは、消防車風に作った移動型電源車だ。
移動型電源車とは、発電システムを搭載した車両のこと。停電時や災害時などに現場に駆け付け、エンジンの駆動力で発電機を回して作った電力を周囲に供給できるクルマである。小さな発電システムをトラック型の移動型電源車に積めば、空いた荷室スペースを使って普通にモノを運ぶ業務にも利用可能。屋根に太陽光パネルを取り付けたり、蓄電池を搭載して「動くバッテリー」のような機能を持たせたりなど、ユーザーの希望に応じてさまざまなタイプの車両が製作可能だという。
緊急時には現場に駆け付け、小さなものならスマートフォン、大きなものなら電気自動車(EV)、家屋、ビルなどに電力を供給することができる移動型電源車。需要が増えていると聞いたので官公庁や自治体の導入事例が増えているのかと思いきや、引き合いが多いのは倉庫や工場を持つ事業者とのことだった。北海道電気相互の担当者によると、民間企業が「BCP対策」として移動型電源車を購入するケースが増えているそうだ。
ユーザーは希望に応じてベース車両を選べる。トラックだけでなく、バスで移動型電源車を作ることも可能だ。発電システムのサイズ(出力)からオプションとして何を取り付けるかまで、選択の幅は広そうだった。車両の価格については「どんなオプションを取り付けるかで大きく変動します」とのことで、いくらくらいなのかについては聞くことができなかった。納車までの期間は150日程度を見てほしいとのこと。
ちなみに、写真の赤いクルマは消防車などを手掛けるモリタとのコラボレーションで作ったデモカー的な車両だそうだ。