ヤマハ発動機が6月6日、電動アシスト自転車(eバイク)を常設展示するショールーム「Yamaha E-Ride Base」を横浜シンフォステージにオープンする。

ショールームではeバイクの展示だけでなく、180度のスクリーンシアターや横浜の街を巡る試乗体験などを通じてブランドの認知向上を図る意向だ。執行役員クリエイティブ本部長の木下拓也氏は、「eバイクのさらなるアップデートを図る場にしたい」と意気込みを語った。

▼「新しく交流し、新しい文化を作り、新しい製品を作っていきたい」

横浜シンフォステージはこの春、みなとみらいに完成したばかりの複合施設。ヤマハ発動機はオープンに先駆けてプレス発表会を実施し、木下氏はこのショールームについて「ヤマハ発動機の電動自転車を体験していただきつつ、これを改めて世の中の皆さんとアップデートしていきたい」と展望を語った。

  • 執行役員クリエイティブ本部長の木下拓也氏

「我々は1993年、世界で初めて電動アシストというコンセプトを持つ自転車を商品化した。それから30年、日本では原付バイクの市場が減っていく一方で、そのぶん電動アシスト自転車が市場を伸ばし、今では世界的にも4兆円の市場規模になっている。

マウンテンバイクやグラベルロードのようなスポーツタイプのeバイクもだんだん増えてきたが、我々もスポーツタイプのeバイクは得意しているところ。電動アシスト自転車のパイオニアとしてはいろいろと考えることも多く、お客さんと一緒にさらにアップデートしてくため、ここをコミュニケーションの場、リサーチの場にしていきたい」(木下氏)

さらに木下氏は、「これまでヤマハ発動機は、本社がある静岡県磐田市にしかショールームを構えておらず、横浜で2つ目になる。横浜は磐田のように坂道が多く、eバイクの利用価値も高い。さらに横浜市は独自に『自転車活用推進計画』も持っているので、これに我々も貢献しながら、皆さんと新しく交流し、新しい文化を作り、新しい製品を作っていきたい」と訴えた。

▼訪れるだけで楽しい!さまざまな“体験”を軸にしたブランディング

ショールームの責任者を務める橋本耕氏によると、ショールームに設置された180度シアターは横20m、高さ3.5mの巨大スクリーンとなっており、ここではヤマハ発動機の歴史やeバイクの魅力が表現された没入型の映像体験ができる。

映像視聴後は体験乗車エリアへと順路が続いている。この「ポート」と名付けられたエリアには試乗用に約30台のeバイクが用意されており、ヤマハ発動機が誇るスポーツ電動アシスト自転車「YPJシリーズ」が全種類、全サイズ揃っているという。

eバイクの乗車体験は1回30分(無料)で、試乗者向けにヘルメットなども無料で貸し出しており、手袋に至ってはそのまま持ち帰りが可能。ライド中にかさばらないように開発された、ヤマハ発動機オリジナルのペットボトル入りミネラルウォーターも無料で配られている。ペットボトルはウイスキー用の水筒「スキットル」を彷彿させる珍しいデザインで、ボトルキャップを開けるのにも躊躇してしまいそうなほど可愛らしい。

「ラボ」というエリアでは電動アシスト自転車を中心にさまざまなヤマハ発動機の製品が展示されており、中には電動アシスト機能付きの車椅子やバイク、電動アシスト自転車「PAS」のプロトタイプ、ジャパンモビリティショーに出展された実験段階中の電動バイク「MOTOROiD」なども並ぶ。

ラウンジにはお茶カフェスペースも用意されており、eバイクなどのドライブユニットの生産工場がある静岡県周智郡森町産の水出し緑茶と、「うなぎパイ」で知られる春華堂とのコラボサブレなどが無料で楽しむことができる。

他にも「Yamaha E-Ride Base」では、スタッフと一緒に横浜の街をeバイクで巡る「eバイク横浜ガイドツアー」(約90分、事前予約制)やデジタルスタンプラリー、週末限定のオリジナル巾着づくりなど、さまざまなイベントが断続的に開催される予定となっている。

橋本氏は、「当社のeバイクは、乗れば本当に楽しいものになっている。オートバイやボードは免許も必要なので試乗のハードルも高いが、eバイクであれば自転車に乗れる人なら誰でも乗ることができる。ここでの試乗体験を基軸にしたブランディング活動を展開しながら、新しいファンを掴んでいきたい」と意気込みを語った。

Yamaha E-Ride Base, Yokohama(ヤマハ イーライド ベース)

住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい 5-1-2 横浜シンフォステージ イーストタワー1階
営業時間:夏期(3月〜11月)10:00〜19:00、冬期(12月〜2月)10:00〜17:00
休館日:毎週火曜/第1・第3月曜(※第1・第3月曜が祝日の場合はその週の水曜が休館)