京王電鉄は、鉄道事業において2024年度に総額398億円の設備投資を行うと発表した。おもな取組みのひとつに「座席指定列車の追加導入と運行拡大」を挙げ、5000系新造車両を2編成(20両)増備するとしている。新型通勤車両2000系の導入に向けた準備も推進する。

  • 座席指定列車「京王ライナー」などで活躍する5000系(2022年12月のイベント取材時に撮影)。新造車両が2編成増備される

京王線の車両5000系は2017年9月に登場。10両編成で運行され、ロングシート・クロスシートの両方に転換できる座席を搭載している。通常列車に加え、座席指定列車「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」でも活躍中。車両の増備も進み、2022年度以降に新製投入された編成はリクライニング機能付きロング・クロスシート転換座席を搭載している。

5000系を使用する座席指定列車「京王ライナー」は、着席ニーズへの対応を目的として2018年2月に運行開始して以来、好評とのこと。2024年度は「京王ライナー」のサービス拡充を図るため、5000系新造車両を2編成(20両)増備し、「京王ライナー」の運行本数拡大を進めるという。

  • ロング・クロスシート転換座席を搭載した5000系の車内(2022年12月のイベント取材時に撮影)

あわせて京王線の新型通勤車両2000系について、導入に向けた準備を推進する。新型通勤車両2000系は幅広い世代の利用者や多様な社員の声から得られたニーズをAI等も用いて分析し、コンセプトにマッチする外観デザインと内装を採用。10両固定編成で、2026年初めに1編成の営業運転を開始し、2027年3月までに計4編成(40両)を導入する計画となっている。

京王電鉄は「日本一安全でサービスの良い鉄道」の実現をめざし、連続立体交差事業(京王線笹塚~仙川間)を着実に推進。ホーム安全対策にも取り組み、永福町駅(2・4番線)や久我山駅などでホームドアの整備とホーム・車両間の隙間縮小の対策を進める。大規模災害への備え、バリアフリー設備の整備といった利便性向上施策にも取り組み、安全で快適なサービスの提供をめざす。