大井川鐵道は、2022年9月の台風で被災し、いまなお不通が続く区間を実際に歩き、見学する日帰りツアーを5月11・18日に実施すると発表した。
不通が続く川根温泉笹間渡~千頭間の運転再開については、静岡県を中心とした「大井川鐵道本線沿線における公共交通のあり方検討会」で昨年3月から議論が始まり、今年3月に同会で「早期における金谷~千頭間の運転再開をめざす」との方向性が確認された。
今回、大井川鐵道は不通区間の現状を知ってもらうとともに、全線運転再開に対する思いを発信し、運転再開と継続的な維持に向けた課題を探る機会として、被災区間見学ツアーを企画したという。
ツアー当日、新金谷駅から「SL南アルプス号」で家山駅へ移動。貸切バスに乗り換え、下泉駅でバスを降り、とくに被害が大きい下泉~田野口間(3.6km)を同社職員の解説付きで歩く。田野口駅で休憩・昼食後、貸切バスで千頭駅へ。被災により同駅に取り残されている元南海電鉄の車両で運転席への着座体験を実施するほか、転車台を回す体験も行う。千頭駅からは貸切バスと快速急行を乗り継ぎ、新金谷駅・金谷駅に帰着する。
参加は中学生以上限定とされ、旅行代金は1人2万8,000円。被災区間を歩く際に着用するヘルメットを全線運転再開祈願記念品として持ち帰ることができる。「アソビュー」サイトにて申込みを受け付けている。