女優の中村アンが主演を務める読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『約束~16年目の真実~』(毎週木曜23:59~)が、あす11日にスタートする。今作は、連続殺人犯となった父の無実を信じて刑事となった主人公・桐生葵(中村)が、16年ぶりに故郷に戻ってきた途端、ある失踪事件が起きるところから始まるオリジナルの心理サスペンスドラマ。葵が追う連続殺人事件の真実と、バディとなった刑事・香坂慧(横山裕)が抱える過去……2つの事件が、“ある存在”によって1つにつながったとき、連続殺人事件の真犯人、そして、16年間隠されたこの町の真相が明らかになる――。

今回は中村に、今作の見どころや役どころ、バディを組む横山の印象についてインタビュー。初主演ドラマ『ラブリラン』(18年)と同じ放送枠へのカムバックということで、「4キロ痩せた」と振り返る当時の思いや、6年間で成長したこと、女優として大切にしていることも聞いた。

  • 中村アン

    女優の中村アン 撮影:宮田浩史

初サスペンス、犯人知らない状態で演じたい

――まずはドラマ『約束 〜16年目の真実〜』と、中村さん演じる主人公・葵について教えてください。

1話完結ではなく、主人公・葵の高校生時代から始まる連続殺人事件を中心にストーリーがつながっているので、毎週見逃せない考察サスペンスドラマになっています。葵は過去に父親が逮捕された加害者家族なのですが、果たしてそれは真実だったのかと考えていて、その疑念を晴らすために刑事になって故郷に帰ってきました。正義感が強くて、ちょっとドライなキャラクターです。

――役作りのために、髪を切られたとか。

伸ばしていたのですが、台本を読むと葵は短いほうがいいなとイメージが膨らんで、潔く切りました。

――サスペンスは初めてということですが、心がけていることはありますか。

結末を知って演じるとお芝居がわざとらしくなってしまいそうだなと感じたので、犯人は隠してくださいとお願いしました。葵のキャラクターはぶらさずに、視聴者の皆さんと同じ目線でいたいと思っています。

  • 中村アン

「毎日が本当に必死」だった初主演連ドラ

――読売テレビ制作のドラマは、連ドラ初主演を務めた『ラブリラン』(18年)以来の出演となります。同じ木曜深夜のドラマ枠に、再び主演として帰ってくることができた喜びはありますか。

信頼できるスタッフの方々と、ホームのように感じられる場所でまたご一緒できてうれしいです。もちろん新たにご一緒させていただく皆さんもたくさんいますので、新鮮な気持ちで臨みたいと思っています。

――佐津川愛美さんとも、『ラブリラン』に続く共演ですね。

さっつん(佐津川)は『ラブリラン』で親友役だったのですが、今回も同級生役でまた共演できてうれしいです。ほかの皆さんははじめましてですが、テレビでご活躍を拝見している方々なので、一緒にお芝居をするのが楽しみです。

――『ラブリラン』からちょうど6年、ご自身で成長したと感じる点は。

あのときは毎日が本当に必死で、余裕ゼロでした。主演の方ってこんなスケジュールをこなしていたんだって、初めて体感して驚きましたね。撮影中に4キロぐらい痩せたので、今映像を見返すと体がカリカリだなって思うんですけど。まだ誰にどう頼っていいのかが分からず、勝手に自分を追い込んでしまっていたところもあったのですが、今はいろんな経験を経てメンタル的に少し強くなりました。お芝居でも成長を遂げている……はずです!(笑)

  • 中村アン

――人に頼るのが苦手なタイプだったんでしょうか。

以前は、友達にさえ頼ることができないタイプでした。撮影中はあまり人と会わないのですが、終わってから大変だったことを打ち明けると、逆に友達が「気付いてあげられなくてごめんね」と言ってくれたりして。誰かに相談したところで、自分の問題を解決できるのは結局自分だという思いが強かったので、頼りたいとも思っていなかったし、頼っていいものだとも知らなかったんです。今は共演者の方に心を開いて、話しやすい距離を自分から作れるようになりました。

――お友達が「気付いてあげられなくてごめん」と思わず言ってしまうほど、『ラブリラン』で苦労されていたんですね。

『ラブリラン』をやっていなかったら今の自分はいなかったと思うくらい学ばせていただきました。そんな『ラブリラン』が最近配信でも見られるようになったんです。私もほかの作品を見ようとしたときに表示されて、「はっ!」とビックリしちゃって(笑)。「皆見ないで!」なんて思いつつも、私も家で時間があるときに再生して、「頑張っているな」と思い返しながら見ています。