俳優の平泉成が初主演を務める映画『明日を綴る写真館』(6月7日)が公開されることが2日、明らかになった。
■映画『明日を綴る写真館』に平泉成、佐野晶哉ら
同作はあるた梨沙氏による同名漫画の実写化作。60年のキャリアを誇り、公開直前に80歳を迎える平泉が満を持しての初主演を飾る。相手役には、先日CDデビューが発表となりエンタメ界の注目を集める「Aぇ! group」に所属し、俳優としての活躍に期待が集まる佐野晶哉が抜擢された。
平泉は自身の趣味である写真撮影ともリンクするカメラマン役として、さびれた写真館を営む鮫島を演じる。佐野は、鮫島に弟子入りを志願する気鋭の若手カメラマン・太一役に。年齢も考え方も全く違うが、“自分に素直になれない”という共通点を持つ2人は、人々の抱える“想い残し”のために奔走し、自分自身と向き合い互いに影響し合いながら成長。やがて思いもよらない奇跡を起こす。
年齢58歳差の2人の競演に加え、ウェディングプランナーとして活躍する太一の母・冴絵役に黒木瞳、鮫島の妻・桜役に市毛良枝、鮫島写真館に訪れる客・牧役に佐藤浩市、牧の妻・悦子役に吉瀬美智子、太一の父親役に高橋克典、街のケーキ屋を営むパティシエ・杉田役に田中健、さらに美保純や赤井英和といった、ベテラン俳優陣が出演する。企画・プロデュース・監督は、平泉と佐野も出演した映画『20歳のソウル』(22年)でメガホンを取った秋山純が務めた。
ポスタービジュアルと予告映像も公開。ポスタービジュアルでは、長年シャッターを切ることで様々な“人生”の瞬間を切り取ってきたベテランカメラマンの鮫島(平泉)と、気鋭の若手カメラマンとしての華々しいキャリアを捨てて鮫島に弟子入りした太一(佐野)を上下に配置した。
予告映像では、鮫島と太一の出会い、そして “想い残し”を抱えた写真館を訪れる人々の人生の瞬間が切り取られる。鮫島と出会う前は他人に関心を持たず淡々と写真を撮っていた太一だが、「音が鳴るんです。鮫島さんの写真は。」と、鮫島が撮った写真に感銘を受け、弟子入りを志願。遺影を撮りたいと願い出る牧(佐藤)や、ホスピスで療養生活を送る雪代(美保)らの人生に触れていく。「被写体を撮ることだけが写真家の仕事じゃないだろ」そう言って客の心残りや後悔に向き合う鮫島の姿勢を傍で見守るうちに、太一自身の過去への“想い残し”に対する気持ちが変化していく。感情を露わにして涙を流す太一と、後悔の表情を見せる鮫島が抱える“想い残し”が気になる映像となっている。
●平泉成 コメント
秋山監督から「映画を一緒にやりましょう」とお誘いを受け、お話をお聞きしたところ、なんと主演での出演でした。いつの日かこんなことも…と60年、コツコツと積み重ねてきたつもりの俳優人生でした。
鮫島写真館に集う人々の優しくて心温まる愛情物語、そして何より私好みのシナリオでもありましたので「よろしくお願いします」とお返ししました。撮影が始まり、多くのスタッフ・キャストのみんなとパスだ、フェイントだ、ロングパスだ、とまるでサッカーのような現場でしたが、秋山監督の大きな背中を皆で追いながら全力で走り抜きました。
佐野くんは素直でチャーミング、とてもとても良かったです。また若い頃から知っているベテラン俳優陣も快く出演してくださり、そのお芝居は深みを増した素敵なものでした。
人の温もり、人を想う心が物語の底にあり、きっとこの作品を押し上げてくれると思います。
どうか劇場に足をお運び楽しんでください。
●佐野晶哉 コメント
五十嵐太一役で出演させていただきますAぇ! groupの佐野晶哉です。
「またかならずやろう!」と言ってくださっていた秋山監督と中井さんの作品に、もう一度出演させていただき撮影期間は喜びの毎日でした。
日常に綴られている愛を思い出せる温もりに溢れた作品です。
成さんと鮫島さんの背中を重ね合わせながら太一と共に成長させていただきました。
この映画が皆さんの明日を彩る一枚になることを願ってます。
●原作:あるた梨沙 コメント
映画化のお話をいただいたときは、驚きと喜びが同時に湧き上がりました。
まさか自分の漫画が映画化するなんて!の驚きと、私の漫画を見つけてくれてありがとうございます!の喜びです。
一度、撮影現場にもお邪魔したのですが、写真を確認するためにモニターを見つめる太一の表情、そこに声をかける鮫島さんの優しい声色。平泉さん、佐野さん、おふたりともイメージ通りに(イメージ以上に)キャラクターを表現してくれていて感動しました。
太一たちの仕事が、生活が、成長が、たくさんの方に見ていただけることを嬉しく思っています。
映画版『明日を綴る写真館』の公開、とても楽しみです!
【編集部MEMO】
映画『明日を綴る写真館』は、あるた梨沙氏による同名漫画の実写化作。さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)の写真に心を奪われた気鋭カメラマン・太一(佐野晶哉)は、華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えてまで深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた“想い残し”があることを知る。変わりゆく太一が、悔いのない未来のために踏み出した一歩。その先に続く、思いもよらない奇跡に涙する。
(C)2024「明日を綴る写真館」製作委員会 (C)あるた梨沙/KADOKAWA