旧車の祭典「Nostalgic 2days」(ノスタルジック2デイズ、2月17日~2月18日にパシフィコ横浜で開催)で宇宙船のようなスーパーカーに遭遇した。しかも、マツダのブースに展示してあったから驚きは倍増だ。「RX500」というらしいが、どんなクルマなのか。マツダの人に聞いてみた。
なぜマツダはスーパーカーを開発したのか
「RX500」はマツダが1970年の「第17回東京モーターショー」に展示したコンセプトカーだ。コンセプトカーではあるものの、マツダとしてはロータリーエンジンをリアミッドシップに搭載するスポーツカーの開発に向け、かなり真剣に作った「スタディモデル」だったという。1967年に発売した「コスモスポーツ」の後継モデルを作るべく、RX500で研究を進めていたらしい。
RX500が積んでいるのは、「ファミリアロータリークーペ」というクルマがレースで使った「10A型」というロータリーエンジン。空力を調べるため風洞実験まで行ったというから、当時のマツダの本気度は高かったようだ。
大きすぎる(とはいえ、横幅は1,720mmしかないらしいが)などの理由により、結局は市販化に至らなかったRX500だが、このクルマから得られた知見は1978年発売の初代「RX-7」に引き継がれているという。エンジンの位置は移動したものの、RX-7の「フロントミッドシップ」という積み方に、同じミッドシップだったRX500の名残を見て取ることができるのかもしれない。
RX500は3台ある? 噂を検証!
ちなみに、RX500のボディカラーは登場時は緑色、東京モーターショーでは黄色で、現在はシルバーに落ち着いている。3色あるので「RX500は3台あるのでは?」との噂が流れたそうだが、このクルマは正真正銘、世界に1台しかない。登場から数カ月でボディカラーが緑から黄色に変わったのは、1970年の東京モーターショーでマツダブースを担当した黒川さんが、展示するクルマを黄色で統一したいとの意向を示したからなのだそうだ。
RX500が市販化されなかったのは残念だが、昨年の「ジャパンモビリティショー」で発表した「MAZDA ICONIC SP」(アイコニックSP)を市販化に結び付けることでマツダには雪辱を果たしてほしいところだ。