リクルートは、企業の人材マネジメントをテーマとしたアンケートの中から「女性管理職について」の調査結果を2月21日に発表した。調査は2023年3月29日〜3月31日の期間、企業で働く人事担当者5,048人のうち、従業員規模30人以上の企業に勤める2,761人を対象に集計された。
はじめに、企業の人事担当者に、従業員全体と課長相当職以上における女性の割合を質問。女性管理職の割合が「30%以上」の企業は9.9%、6割以上の企業は10%未満だった。
女性管理職・女性従業員について、どちらも「30%以上」に注目。女性管理職は規模が小さい企業の方がわずかに割合が高いものの、女性従業員は約34%と、企業の規模によって大きな違いがないことも明らかに。
一方、女性管理職の割合が「0%」の企業に着目すると、従業員数が299人以下の企業で多く見られ、その割合は26.5%だった。
また、女性管理職割合別にどういったポジティブアクションをしているのか尋ねると、全体で「セクハラ防止のための規定を策定している」(女性管理職30%以上:42.3% /30%未満:43.9%)が最多の取り組みに。
次に全体で選択率が高かったのは、「子どもを持つ従業員に対して法定を上回る短時間勤務制度を整備している」(女性管理職30%以上:33.8%/30%未満:27.5%)だった。
従業員規模別にどういった取り組みをしているのか聞くと、全体としてあらゆる項目で1,000人以上の企業の選択率が高く、さまざまな取り組みを通して、職場での能力発揮や労働環境の改善に力を入れていることがわかった。
全体で最も取り組まれている割合が高いものは、「セクハラ防止のための規定を策定している」だった。次いで、「子どもを持つ従業員に対して法定を上回る短時間勤務制度を整備している」が続いた。
企業がどのような背景からダイバーシティマネジメントに取り組むのかについて尋ねた設問を、女性管理職の割合によって分けてみると、女性管理職割合が高い企業(30%以上)において51.6%が「組織の人材多様性を高める必要があるため」と回答している。
次いで、「これまでのやり方では必要な人材を確保できないため」「従業員から、より高い成果を引き出すため」が続き、人材活用の観点から実施するという意向が目立つ結果に。
一方、女性管理職割合が「30%未満」の企業の方が高かったものは「女性活躍推進法・次世代育成支援対策推進法といった法律の施行などの政府・官公庁の要望に対応するため」だった。
女性管理職割合別で採用状況や離職率に違いがあるかについては、必要な人数を確保できているかという「人員数」の観点で、「採用できている」と回答した割合は14.7ポイントの差が生まれた。(女性管理職割合「30%以上」:46.3%/「30%未満」:31.6%)
「人材レベル(求める人材要件に合致する人を採用できているか)」では、「30%以上」の企業で37.5%、「30%未満」の企業で24.6%という結果に。若年層の離職率では「30%以上」の企業で42.1%、「30%未満」の企業で46.3%と、差があることがわかった。