帝国データバンクは29日、全国約119万社の事業会社を対象に実施した国内企業の女性社長比率に関する調査の結果を発表した。

これによると、国内企業の女性社長比率は2023年10月時点で8.3%となり、前年の8.2%を上回り過去最高を更新した。小幅な上昇にとどまり依然として1ケタ台が続き、統計として遡れる1990年(4.5%)から緩やかに上昇しているものの、低水準にとどまっている。

  • 女性社長比率(1990-2023 年) 出展:帝国データバンク

    女性社長比率(1990-2023 年) 出展:帝国データバンク

女性社長を年齢構成比でみると、「60~64歳」 が 13.4%で最も高かった。次いで 「70~74歳」が 13.3%となり、僅差で続いた。都道府県別では「徳島県」が12.0%で最も高かった。前年から0.4ポイント上昇し2年連続のトップとなった。

一方で、14年連続で最も低かった「岐阜県」(6.0%、同0.2ポイント上昇)を筆頭に、製造業が集積している中部地方では低調な結果が続いている。

  • 女性社長比率 都道府県別 出展:帝国データバンク

    女性社長比率 都道府県別 出展:帝国データバンク

業種別の女性社長の比率をみると、「不動産」が 17.3%になり、他業種に大きく差をつ けて最も高かった。次いで「サービス」(11.2%)や「小売」(10.9%)といった、「BtoC」業態が中心の業種が続き、全体(8.3%)を上回った。

資本金別の女性社長比率をみると、「1000万円未満」が 9.2%となり最も高かった。以下、「1000万円以上5000万円未満」(7.9%)、「5000万円以上1億円未満」(5.7%)、「1億円以上」(2.7%)の順となり、資本金の額が小さい企業ほど女性社長比率が高い傾向がみられた。

女性社長の出身大学別では、「日本大学」が前年比8人増の277人となり4年連続で最多となった。同大学では、過去最高の女性社長数を更新。次いで「慶應義塾大学」(255人、前年比10人増)がトップと22人差で続き、「早稲田大学」(239人、同8人増)も含め3 つの大学で200人を超えた。

プライム上場企業では、先んじて女性役員比率の目標が設定されたが、このように大企業が先導役として女性活躍を推進する流れは、今後ますます強まると同社は見ている。