2月9日〜11日の期間、フェムテックイベント「Femtech Fes!(フェムテックフェス)」が六本木アカデミーヒルズにて開催されました。生理にまつわるアイテムやサービスが多数紹介される中、筆者が注目した製品をレポートしていきます。
■フェムテックフェスとは?
"フェムテック"は、月経、妊娠、更年期など女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスなどを指します。今年で4回目となる「Femtech Fes!(フェムテックフェス)」は、フェムテックやフェムケアのサービス・アイテムに触れるだけでなく、ワークショップなどを通して学びも得られるイベント。
プロダクトは約200種類、協賛企業は国内外合わせて100社以上、海外起業家の講演やトークイベントも行われ、過去最大規模にて開催。初日にはチケットの予約申し込みが5000人を超えたことからも、"フェムテック"への関心の高まりが見受けられます。
そんな盛り上がりを見せたイベントの中でも、生理にまつわるサービスやアイテムを中心にみていきましょう。
■月経管理アプリ「Clue(クルー)」
「Clue」は、"フェムテック"という言葉の生みの親であるIda Tin(イダ・ティン)氏がはじめた月経管理アプリ。生理周期を管理し、生理の開始日を予測してくれるのが主な特徴です。
また、生理開始日の予測以外にも、その日の気分や性行動といった多面的な記録も可能。入力内容でユーザーの生理周期や傾向を把握し、科学とデータの力でどのように心と体が変化しているのかを伝えてくれます。生理の様子を通じた健康チェックを行うことで、自分の身体について理解を深めることができるサービスです。
■経血から健康状態を確認できる!? 「サイクルチェック」
ドイツのブラッドが販売する「サイクルチェック」は、経血から生理周期や健康状態を分析する初のサービス。色や粘度、血液に含まれた細胞組織などから、生理の周期サイクルや身体の状態が把握できるのだそう。
まだ日本には入ってきていませんが、当然のように廃棄している経血から自分の健康をチェックできたらうれしいですよね。
■つらい生理をサポートするアイテムが多数登場!
SNSでも話題になったトイレットペーパー型ナプキン「Egal(イーガル)」は、アメリカで誕生したロール式の生理ナプキンです。
トイレットペーパーと同じように設置ができる本品を開発した、同社CEOのペネロペ・フィニーさんは、「生理用品はトイレットペーパーと同じように扱わなければならない」と話します。
現在は、アメリカに加え、カナダ、イギリス、南アフリカなどの大学や銀行、公園、病院、空港、図書館といった公共施設などに導入。また、フランス、イタリア、ルワンダでは、実証実験を行っているのだとか。
日本でも「生理の貧困」が叫ばれている昨今、Egalが目指すトイレットペーパーのように必要なときにそこにあることが、当たり前である社会になってほしいですよね。
そのほか、富士メディカルサービスの医療機器「月経痛緩和デバイス セラフィナF」にも注目。生理中の痛みを和らげてくれるアイテムで、薬を使用せず「TENS」という電気刺激を使用することで、筋肉がゆるみ、鎮静効果を得ることができるデバイスなのだとか。
本製品は、電極パッドを痛みのある部分に貼り付け、自分に合う心地の良い刺激を0〜5のモードの中から選んで使用。衣服のウエストに挟めるほど小型で軽いので、場所を問わず持ち運べるといった生理痛に悩む女性の味方です(本製品は医療機器のため一般販売はされていません)。
生理前の晴れない気分に寄り添う「わたしプロローグ」
1月25日より通販にて販売を開始したアサヒグループ食品の「わたしプロローグ」は、カルピスに由来する「CP2305ガセリ菌」を配合したフェムケア商品。生理前のイライラ、不安、眠気、疲労感といった悩みを軽減するという日本初の機能性表示食品です。
担当者によれば「発売してからまだ10日ほどですが、おかげさまで売れ行きは好調です。発売以降、お母さんやおばあちゃんが"娘や孫のために"といった注文が多く、女性だからこそわかる悩みなのだなと(売れ行きに)驚いています」とのこと。乳酸菌でケアできるという安心感があり、幅広い世代から支持を得ているそうです。
本品はサプリメントタイプで、好きな時間に1日2粒をそのままかむ、または水で摂取します。試しにかんでみると、ほんのり甘味を感じた後にさっと溶けていきました。においや味わいに違和感がないので、取り入れやすいのが魅力です。
■膣ケアアイテム「LIP INTIMATE CARE(リップインティメイトケア)」
「LIP INTIMATE CARE(リップインティメイトケア)」は、スウェーデン生まれのデリケートゾーンケアブランドです。1本で膣ケアが完了するクレンジングオイルのほか、バームやジェル、Vラインに使用するスクラブやシェービングジェルなどを取りそろえています。
保湿効果の高いクレンジングオイルだけでも十分な効果が期待できるそうですが、より乾燥が気になるときは敏感肌用のオイルに替える、入浴後にはバームを使用するのも◎なのだとか。
今を生きる女性のQOLを向上させるべく誕生した"フェムテック"は、不快な気持ちや我慢が当たり前になっていた自分に立ち止まるきっかけを与えてくれました。生理にまつわる最新のサービスやアイテムを通して、あなたも健康を見つめ直してはいかがでしょうか?