日産自動車が「キューブ」の認定中古車を使ったカスタム車「CUBE Retro Renovation」を20台限定で発売した。販売会社の奈良日産自動車と共同で実施する「トライアル販売」という位置づけだが、何が狙いなのか。日産が開催した説明会を取材してきた。
キューブのレトロな中古車カスタムはいくらで買える?
日産は中古車の内外装をリフレッシュしたり、顧客の好みに応じたカスタムを施したりする「中古車プログラム」について以前から検討を進めていた。その一環として「東京オートサロン2023」に参考出品したのが、キューブの中古車を使ったコンセプトカー「CUBE Refreshed & Retro CONCEPT」だった。同モデルには来場者や業界関係者などから多くの反響があったという。これを受けて「CUBE Retro Renovation」を奈良日産で限定販売することを決めたそうだ。
今回のキューブには、内外装部品を新品に交換したりメンテナンスしたりする「リフレッシュパッケージ」と、専用加飾などで個性的な内外装に仕上げる「カスタムパッケージ」を用意。購入者は予算や好みに応じてパッケージや個別オプションを選択してクルマを購入する。奈良日産によれば納期は早くて3週間程度、長くて1カ月半ほどとなる見込み。
値段はどのくらいになるのか。奈良日産が示したモデルケースは以下の通りだ。
各パッケージには「プレミアム」「スタンダード」「エントリー」という段階が設定してあり、購入者は必要や好みに応じて選択できる。
新車は高い! 若年層との接点を探す日産
今回のキューブ中古車はトライアル販売の位置づけで、日産は商品や価格の市場受容性を検証し、今後の事業化や対象モデルの拡大の検討につなげる。将来的には中古車だけでなく、ユーザーの保有車を対象とするサービスの提供も視野に入れる。
自動車メーカー自らが中古車のカスタム、販売の領域に入っていくのは珍しい。日産としては新車価格が上昇し続けている現状を踏まえ、特に若年層との接点を作りたいとの思いから、中古車の魅力向上につながる施策に注力しているそうだ。中古車の購入検討者は半数以上が20~30台と若年層の比率が高い。日産としては自社の中古車でクルマに親しんでもらい、将来的には新車を購入してもらいたいと考えているらしい。