こんにちは。PR姉さん"さや姉"こと清水さやかです。
年内最後ということで、サービスオーナーの声を聴き今年の副業事情について締めくくりたいと思います。
早速、パーソルイノベーションが展開する副業マッチングサービス、「lotsful(ロッツフル )」代表の田中みどりさんに、今年の副業の振返りと来年の展望を伺いました。
ちなみに田中さん、「転職をせずにキャリアアップすることはできないのか?」ということを軸にした強いこだわりを持っています。
――今年の副業界隈でよく聞かれたキーワードってあるのでしょうか?? 自治体での副業や社内副業関連のニュースはよく見ますが。
田中さん:そうですね。社内副業、グループ間副業は、今年ならではの傾向だと思います。コロナが落ち着き、出社が増えてしまい、今までのように副業ができない方も、何か新しいことをやりたいと思った時に、自分の勤務先の他部署のお仕事を正々堂々と副業でき、かえって好都合だという声も聞きます。
実際私たち「lotsful」は大手企業様の社内副業もいくつかお手伝いをしています。昨年、戦略的副業の取り組みを始められ、ご支援している日本郵政グループ様も、グループ間副業の取り組みを進められているのです。
様々な企業様のご支援をしていく中で、副業は解禁されたけど実際にやる社員が増えない、現実はなかなか自身で案件が見つけられなかったり一歩踏み出せていなかったりする、という話も聞きます。中には上司の目が気になるという声も。そんな方々でも、勝手の分かった社内やグループ内であれば一歩踏み出しやすいんですよね。
また、直近の調査※でも、今後、社内・グループ間副業の取り組みを行いたいか、また、すでに実施している企業は今後も継続して行いたいかを尋ねたところ、"取り組みたい(継続したい)"と回答した企業は70.1%となりました。非常に高い数字に私も驚いたのですが、多くの企業が社内副業の取り組みに関して前向きであることが伺えます。※2023年11月29日発表リリース
――社内副業って、成果を出したら、ヘッドハンティング的にその部署にスカウトしてもらえるし、社内人脈もできて良いことだらけにも見えますが、働いている側が気を付けないといけないことはなんですか?
田中さん:おっしゃる通り、メリットが多いと言われます。実際、ロールモデル的に社内で名前が挙がる人ってそういう方が多いですよね。ただ、1番気を付けないといけないことでいうと、評価ではないでしょうか?
業務時間内に2部署で仕事をするため、それぞれの部署の上司にとって評価が難しくなるんですよね。上司同士が連携をとってくれる等すれば、最高ですが。目的を持ち共有し、どちらのミッションにもしっかりコミットすることが大事です。
また、社内副業制度では賃金が別途「発生する」「発生しない」があるんです。ここを確認しておかないと後から悔やむことになる方もいます。勿論、キャリアアップのために社内副業を選択し、報酬はさておきという方も多いです。
――うーん。すごいですね。お金は後からついてくる、的な?
田中さん:(笑)そうですね。
――それって……すごく失礼なお尋ねかもしれませんが、「lotsful」登録者の質が高すぎて、報酬よりもキャリアを求めている方が多いということではなく??
田中さん:いえいえ。そんなことはないと思いますよ。話は大分遡りますが、このサービスを私が立ち上げたのが約5年前。今のように、副業が新聞などでもここまで取り上げられていない時代です。
だからこそ、私は、転職というハードルを超えずにキャリアアップできる方法ってないのかな。そのためには、副業という選択肢があるじゃないか! という信念をもってサービスを立ち上げました。
人材不足が続く中、事業成長に貢献できる人材を取りあうのも限界があると思ったんですよね。が、今や副業という言葉はそこかしこで聞かれるようになりました。副業を通じてキャリアをコントロール? いやキャリアアップしている方が多いのであれば、これほど嬉しいことはありません。
また、世の中の変化を肌で感じることも多いです。以前は、副業案件を頂き、この案件にあった人がいないかというご相談が多かったんです。つまり「いかに良質なマッチングをすべきか」が私たちの使命でした。でも今は、その前段階の課題でつまずくケースも多く、仕組み作りから入ってほしいと言われることも増えています。
――つまりコンサル的なお仕事。なんだか、そういったマッチング手前でのご相談は来年以降増えそうですね? 副業人材が欲しいけれど、何のお仕事を副業で切り出せばいいのか分からないジレンマを感じている会社も多いのかもとお話を聞いていて思いました。
田中さん:そうです! そうです! 願望もありますが……地方企業や中小企業の副業採用が急伸すると思います。あとは、AIなどデジタルやテクノロジーも絡めた副業も増えるでしょう。
副業だ! と構え過ぎず、ちょっとしたことでスタートを切れると思うので、是非臆せずチャレンジして貰いたいものです。同じ環境で同じ時間働いても、どう働くかで結果は大きく異なり、それがキャリアに反映されうる可能性があるんですから。
ということで、副業事情について、2023年の振り返りと2024年の展望についてお聞きしました。
副業を行う上で、気を付けなければならないことはありますが、多くの企業が社員の副業について前向きである今、キャリアアップや収入増につながるチャンスを逃さずに、一歩を踏み出せるようにしたいですね。それでは、また来年お会いしましょう!
著者プロフィール:清水さやか
今やさや姉が動くと掲載増という異名も。掲載数を大幅に増加する広報のスペシャリストとして、企業講演を多数実施しながら、企業内広報の価値をひたすら追求。数社の広報を経て、パーソルグループで新規事業をミッションとする複数社の広報責任者として統括。