アイロボットは12月11日、花粉症に詳しい耳鼻咽喉科医・石井正則氏を招いた「住環境における花粉対策セミナー」を開催した。来年(2024年)春のスギ花粉は、例年以上の飛散が予想されている。一体、どうやって対策すれば良いのだろうか? このほかセミナーでは、最近話題になっている子どもの花粉症についても紹介があった。

  • 花粉症に詳しいJCHO 東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科 診療部長の石井正則氏が「住環境における花粉対策」について解説した

■スギが狂い咲く!?

セミナーの冒頭、花粉症レベルのチェックリストが紹介された。「鼻がつまってつらくなる」「目の周りがかゆくなる」など10項目があり、このうち5項目以上が当てはまる人は"重度の花粉症"だという。

  • 花粉症レベルのチェックリスト

さて2024年の花粉飛散量については、すでに日本気象協会から「ほとんどの地域で例年よりやや多め」との予測第2報が発表されている。具体的には、九州・四国・東海・北陸・関東甲信は例年の120~140%程度、近畿・東北は160%、北海道は200%(シラカバ花粉)の花粉飛散量になるとのこと。

これについて石井先生は「ここ数年で花粉の飛散量は増え続けています。つまり比較となる"例年"のレベルが上がっているので油断は大敵です。特に2023年の夏は猛暑の影響により、花芽の形成に好条件な『高温』『多照』『少雨』の条件が満たされました。より一層の注意が必要です」と指摘する。

  • 2023年の夏は、スギ花粉が増える3原則を満たした

また気になる情報として、一部の地域で「スギの狂い咲き」が起こり始めていると紹介する。

「スギの花芽は通常であれば11月上旬には休眠して、年を越し、気温が上がる2月頃から花粉を飛散させ始めます。でも秋の気温が高くなると越冬せず、一部が"狂い咲き"してしまうことがあるんです。このため花粉に敏感な人は、12月の風が強くて晴れて暖かな日には、花粉の症状が出てしまうことがあります」

  • なんともやっかいな「スギの狂い咲き」

■子どもの花粉症

そして近年では、子どもの花粉症も増加傾向にある。「いまや小学校に入る前の4~5歳の時期から花粉症になるケースが珍しくなくなりました。5~9歳で30.1%、10~19歳で49.5%が発症しており、これは大人の発症率と変わりません。また両親が花粉症の場合は55~60%、片親が花粉症の場合は30~50%が花粉症になるというデータも出ています」(参考:鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版)。

では子どもの花粉対策はどうしたら良いのだろうか。イチバンの対策は、やはり大人と同じく「花粉に触れる機会を減らすこと」だという。

ここで石井先生は、宅内における「対流花粉」の存在についても解説する。「花粉対策の根本は、いかに素早く住宅内の花粉の絶対量を減らしていくか、にあります。しかし気密性の高い現代の住宅では花粉が閉じ込められ、人が歩くことで床に落ちた花粉が空中に舞い上がる『対流花粉』が起こりがちです。これが重度の花粉症の人を苦しめています」。

  • 家に入った花粉が閉じ込められて宅内を対流する「対流花粉」

■空気と床のダブルケアが大事

そこで家から花粉を取り除くために、まずは「1日1回以上の床掃除」が望ましく、さらに「空気清浄機」が有効的だと話す。「空気と床の両方をケアすることが大切になります。どちらか片方だけでは、大きな効果は期待できません」(石井先生)。

ところがアイロボットの調査では、花粉症に悩む人のうち57%が「空気清浄機を自宅で使っていない」と回答しており、「床の掃除機がけを1日1回以上できている」と回答した人もわずか23.1%に満たなかった。

そこでアイロボットでは、ロボット掃除機のRoombaと連携する唯一の高性能空気清浄機「Klaara(クラーラ)p7 Pro」をアピールする。

  • こちらが重度花粉症の人にもオススメの空気清浄機「Klaara p7 Pro」(2023年10月20日発売)。カラバリはウォームホワイト、インクブラック、グリーングレーで展開

メーカーの担当者は「Klaaraで空気をケアして、Roombaで床掃除をすれば、花粉症患者の3人に1人と言われている重度花粉症の人の症状改善にも有効です」とした。

  • 内部には重さ約4.6kgの大型フィルターが内蔵されており、汚れた空気を逃さない密閉構造。花粉、ウイルス、カビなどの汚染物質を99.98%除去すると謳う

なお、アイロボット公式オンラインストアにおける「Klaara p7 Pro」の価格は169,800円(原稿執筆現在)となっている。

  • 空気清浄機は24時間稼働させておき、さらに日中の宅内に誰もいない時間帯にロボット掃除機も稼働させると理想的、とのことだ