ヒューリック杯第95期棋聖戦(主催:産経新聞社、日本将棋連盟)は二次予選が進行中。12月6日(水)には第1ブロックの増田康宏七段―本田奎六段戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、得意の雁木を用いて95手で勝利した増田七段が決勝トーナメント進出まであと1勝としました。

居飛車本格派の激突

一次予選を4連勝で駆け抜けた本田六段を待ち受けるのは二次予選から登場の増田七段。決勝トーナメントまであと2勝に迫った二人の3度目となる直接対決は、振り駒で先手となった増田七段が雁木囲いに構えて幕を開けました。

先手に追随して雁木に構える選択肢もあるところ、後手の本田六段が選んだのは右銀を繰り出しての速攻。これを許さじと増田七段が積極的な歩突きで反発したことで局面は一気に激しさを増しました。本田六段はもう一枚の銀も前進させて飛車先突破に全力を挙げます。

最後は華麗な即詰みで

盤面全体を使った激しいやり取りのすえ、リードを奪ったのは増田七段でした。狙われた角を大きく転換して角交換に持ち込んだのが守勢を打開する好着想で、これにより後手の二枚銀を遊び駒にすることに成功。手番を得た増田七段は満を持して寄せに乗り出します。

終局時刻は16時27分、自玉の詰みを認めた本田六段が投了。一分将棋まで追い込まれた増田七段ですが、最後はぴったりの15手詰を読み切り着地となりました。勝った増田七段は次戦で決勝トーナメント入りを懸けて佐藤康光九段―高崎一生七段戦の勝者と対戦します。

  • 増田七段はこれで本田六段との対戦成績を1勝2敗とした

    増田七段はこれで本田六段との対戦成績を1勝2敗とした

水留 啓(将棋情報局)

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