俳優の上川隆也、陣内孝則、緒形直人、平岡祐太、吉柳咲良、川瀬莉子が、後藤久美子と武井咲がW主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『顔』(2024年1月3日 21:00~)に出演することが29日に明らかになった。

  • 上段左から緒形直人、上川隆也、陣内孝則、下段左から川瀬莉子、吉柳咲良、平岡祐太=テレビ朝日提供

■後藤久美子×武井咲W主演、松本清張作品『顔』

今作では、30年ぶりとなる地上波ドラマ復帰を果たす後藤、そして自身の代表作とも言える『黒革の手帖』以来の清張作品出演となる武井が初共演にしてW主演に挑む。これまで幾度となく実写化されてきた不朽の名作『顔』を浅野妙子氏の手で現代版へと大胆にアップデート。殺人を犯した「覆面アーティスト」井野聖良(武井)と殺人犯を目撃した「弁護士」石岡弓子(後藤)による、追いつ追われつのサスペンスが展開していく。

■上川隆也、聖良が犯した殺人事件を捜査する刑事に

これまで数々の松本清張作品に出演してきた上川が演じるのは、聖良が犯した殺人事件を捜査する刑事・進藤薫。事件と事故の両面で調べられていた被害者・森尾亘の死が“事故”という形で片付けられた後も、亘の死に疑念を抱き、執念深く犯人を追い続ける。独自に捜査を進める過程で、ただ1人の目撃者である弓子、そして被害者と関係があった“かもしれない”聖良と面識を持つも、決定的な証拠がないまま3年が過ぎたある日、事態は突然、急展開を迎え、聖良を追い詰めていくことに!? 「うだつは上がらないがやる気だけはある」という刑事の進藤を、「監督とワンシーン毎に確認し合った」と話す上川が作り上げる。

■陣内孝則、聖良が所属する芸能事務所の社長に

陣内が演じるのは、聖良と殺された亘が所属する芸能事務所の社長・大西彰。亘と聖良の交際に薄々気付いていた彼は、聖良のその後の行動に不審感を抱いていた。デビューを目前に事務所を辞め、自分のもとから逃げた聖良を快くは思っておらず、成功した聖良と再会した大西は、ある企みをする。演出を手掛けた藤田明二監督からの「ちょっと昭和のニオイのする昔ながらの芸能プロの社長を」というリクエストを受け、自身の持つ“昭和感”を前面に押し出しながら大西を演じたと話す陣内。聖良への恨みから捜査の目が彼女に向くよう仕向ける狡猾な事務所社長をどう演じるのか。

■緒形直人、暴露系の動画サイトの配信者に

上川同様に数々の松本清張作品に出演してきた緒形は、今作では岩城昌義というネットニュースの情報屋を演じる。芸能関係、政治関係なんでも扱う悪名高き暴露系の動画サイト「イワッキーチャンネル」の配信者である岩城は、聖良の素顔を暴こうと彼女に接近。その中で弓子の娘・紗由美が抱えた秘密を知った岩城は、それを「イワッキーチャンネル」で何倍にも誇張して配信するという暴挙に出る。緒形が語る通り「物語を引っ掻き回す曲者」である岩城。クセのある人物に仕上げたという岩城が、この物語にどんな不穏な要素を撒き散らすのか。

また、聖良が歌う動画を見て彼女の才能を見出す音楽プロデューサーの高木信介役には平岡、ある理由から引きこもりになり、母親に対して反抗心をむき出しにする弓子の娘・石岡紗由美役には吉柳、そして殺された亘のマネージャーの伊藤左希役には川瀬が決定した。

■上川隆也(進藤薫・役)コメント

今回、松本清張二夜連続ドラマスペシャル『顔』というとても大きな企画でお声がけいただけたこと、大変うれしく思いました。私が演じた進藤薫という刑事は「うだつは上がらないがやる気だけはある」。ともすれば場を荒らす要素にもなる男ですが、その進藤の気質を緊張感のある物語の中で良い形で活かしていけるよう、監督とワンシーン毎に確認し合いつつ、進藤の言動を楽しみながら造っていきました。

武井咲さんの物腰柔らかく嫋やかな佇まいはこれまで画面を通して拝見していた印象と変わる事はありませんでしたが、ある日現場に入られた際、指に巻かれた絆創膏に『家事の最中火傷してしまって』と打ち明けられた時の微笑みはとても無邪気で、幾つもの側面をお持ちなのだろうと思わされた一コマでした。

そして後藤久美子さんには、これまでの半生を彩る華々しい経歴や足跡にも関わらず、初対面から気さくにお声掛けいただき、胸襟の開かれた親しみやすいお人柄には驚かされました。後藤久美子さんの久し振りの地上波出演という大きな話題もあるかと思いますが、武井さんとお2人で描いていく緊張感のあるストーリーこそが今回の見どころでしょう。私もその一角で御力添え出来るよう、精一杯演じさせていただきました。ぜひお楽しみいただきたいと思います。

■陣内孝則(大西彰・役)コメント

もはやレジェントといっていい、後藤久美子さんの30年ぶりの復帰作であり、同時に武井咲さんの久々の作品に立ち会えて大変光栄に思います。また『顔』という作品は、私は昔の松竹映画の印象があるのですが、今回は松本清張作品の面白さをそこなわない、2人が軸の令和の『顔』になっているのではないでしょうか。

私が演じた大西には、藤田監督から「ちょっと昭和のニオイのする昔ながらの芸能プロの社長を……」というリクエストがありまして…。私自身昭和の男という自覚があるので……そのまま演じました(笑)。藤田監督の現場はいつもチームワークがよく、心地良い現場なのですが、今回はさらに武井咲さんはもちろん後藤久美子さんのスタッフや共演者に対する気遣い心遣いが座長然として癒されました。と、みんな言ってました!

武井さんは元々美貌の女優さんですが、結婚や出産を経験された事で逆に女性としての美しさに磨きがかかった上に凄く温もりを感じる素敵な女優さんでした。そんな華のある武井さんと後藤さんというお2人が対峙したシークエンスで放つ華麗なハレーションが、このサスペンスを一層盛り上げてくれる事だと思います。お楽しみに。

■緒形直人(岩城昌義・役)コメント

名作を、現代版として届けられることをうれしく思います。この作品では、物語を引っ掻き回す曲者の役です。台本上では、チンピラのような人物でしたが、藤田監督からの提案で、少々クセのある人物像にしてみました。藤田監督はとても熱い方なので、皆を引っ張り現場はいつも活気にあふれています。

同じような勢いを感じたのが、後藤久美子さんです。毎日を、役をとても楽しんでいて、彼女の新たな魅力を作品から感じる事が出来ると思います。1月3日よる9時からです。ぜひご覧ください!

【編集部MEMO】
2024年2月1日に開局65周年を迎えるテレビ朝日は、記念特番として新春に『松本清張 二夜連続ドラマスペシャル』を編成、2024年1月3日には後藤久美子・武井咲が出演する『顔』(21:00~)、4日には波瑠・木村佳乃が出演する『ガラスの城』(21:00~)を放送する。第一夜の『顔』は、原作の短編小説を大胆に現代版へとアップデートし、殺人を犯した覆面アーティストと、殺人犯を目撃した弁護士による、追いつ追われつのサスペンスを展開。また、第二夜の『ガラスの城』は、一流企業にはびこるさまざまな欲望と犯罪の構図を鮮烈に描いた社会派ミステリーに、令和ならではの企業体制や捜査方法、登場人物を加え、胸を貫く新たな刺激と見応えに満ちたドラマを再構築する。