女優の松本穂香が主演を務める読売テレビ・日本テレビ系スペシャルドラマ『自転しながら公転する』が12月14日(毎週木曜23:59~)から3週連続で放送される。俳優の藤原季節も出演する。

  • 上段左から松本穂香、藤原季節、下段左から小林涼子、野村麻純、長谷川慎(THE RAMPAGE)、神保悟志、鶴田真由=読売テレビ提供

■直木賞作家・山本文緒氏最後の長編小説を実写ドラマ化

2021年に亡くなった直木賞作家・山本文緒氏が手掛けた最後の長編小説で、中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞受賞、2021年本屋大賞第5位など、文壇、書店や読者の一般層の双方から高い支持を得てきた物語を映像化する。

主人公の与野都(よの・みやこ/松本)は、30歳独身、契約社員。憧れだった東京を離れ、地元・茨城に戻ってきて悶々と過ごす日々で、優しいけれど経済的に不安定なアルバイト店員の羽島貫一(はしま・かんいち/藤原)と出会う。20代の頃のキラキラした恋愛とは違ってたくさんの「リアル」が突きつけられる中で、2人の関係は深まって、時に離れてを繰り返していく。結婚に仕事に親の介護に、尽きることのない都の不安。そんな彼女が迷いながらも、ひたむきに幸せを追い求めていく、等身大のヒューマンラブストーリーが繰り広げられる。

そのほか、長谷川慎(THE RAMPAGE)、小林涼子、野村麻純、神保悟志、鶴田真由らも出演する。長谷川が演じるのは、都に好意を寄せる裕福なベトナム人留学生・ニャン。小林が演じる小島そよか、野村が演じる柏崎絵里は都の地元の親友で、ともに同い年の都からの相談に真剣に向き合って、時に優しく時に厳しい言葉を投げかけていく。神保と鶴田が演じるのは都の両親、修と桃枝。桃枝が更年期障害を患い、都と修はその介護と向き合うことになる。

■松本穂香 コメント

――今回の作品と自身の役どころの印象について。

家族であっても恋人であっても、やっぱりそれ以上は近づけない一定の距離とか、分かり合えない価値観が絶対にあると思うんですけど、そこを考えて考えて、ぐるぐる回りながら色んな感情を抱えたからこそ辿り着ける場所があるんじゃないかなと、このドラマを通して感じました。私が演じる都も、色んな人と色んな感情をぶつけ合ったり共有したりして、最後は自分の意思で答えを見つけ出します。悩んで苦しんで辛くても、そこがゴールじゃない。物語の終わりには優しい希望を感じさせてくれるお話になっています。

――視聴者の皆様へのメッセージ。

幸せってシンプルなものでいいんだな~と色んなモヤモヤを軽くしてくれるお話になっていると思いますので、ぜひ観てください!

■藤原季節 コメント

――今回の作品と自身の役どころの印象について。

『自転しながら公転する』は、地球や太陽のように、自転と公転を繰り返してぐるぐる悩む主人公、都の物語です。原作や脚本を読みながら、心に刺さる台詞が多くて、簡単に読み進められませんでした。僕が演じる羽島貫一は、中卒で元ヤンの寿司職人でありながら、大変な読書家という少々複雑な役です。何も考えていないように見えるけど、胸中にはしっかりとした正義感や苦悩を抱えている貫一を、丁寧に演じています。都の相手役として、二人で抱き合って自転公転しながら、彼の人生をスパイラル状に駆け抜けたいと思っています。もう二度と同じ軌道に戻れないこの瞬間を、楽しみたいです。

――視聴者の皆様へのメッセージ。

新作をテレビで届けられるのは久しぶりです。いつも応援してくださる方々を、ずいぶんお待たせしてしまいました。素敵なドラマに出会いましたのでご期待ください。『自転しながら公転する』を、全国の皆さまに届けられることを、心からうれしく思います。自転公転しながらぐるぐる生きている誰かにとっての、宝物になるような全3話を贈ります。

■読売テレビ・矢部誠人プロデューサー コメント

結婚、仕事、家族……。沢山の悩みが降り注ぐ現代。自分自身の将来やキャリアについて、先行きが見えず、不安を感じている方も多いと思います。今作の主人公・都もその1 人です。恋人の貫一との未来や、家族との関係に悩み……、友人に相談する中で現実を受け入れ……、でも僅かな希望に縋ってまた悩む。その繰り返しです。それでも都はそのひとつひとつから目を背けず、懸命に自分の人生を切り開いていきます。そして、彼女にとっての「幸せ」に辿り着きます。

都は、自然体だけど華があって、芯もある。そして、豊かな表情で人を惹きつける松本穂香さん。貫一は、ミステリアスな雰囲気と少年のようなキラキラした瞳のギャップが魅力的な藤原季節さん。考え得る限り、最高で最強の2人に演じていただけることに本当に感謝しています。

山本文緒さんが旅立ってから2年。タイトルと書影に惹かれ、吸い込まれるように手に取ってジャケ買いした小説を、ようやくドラマにすることができます。山本さん、この素晴らしい作品を残してくださってありがとうございました。その思いを受け継ぎ、毎話心を込めてお贈りします。

■『自転しながら公転する』担当編集者 新潮社出版部・桜井京子氏 コメント

山本文緒さんは本作の執筆中から登場人物のビジュアルイメージを色々お持ちになっていて、ドラマ化になったら誰と誰にやってもらおう、などと想像していました。何度も、早く映像化されたらいいね、と話していたので、今回のドラマ化が実現して、天国でとても喜んでいると思います。

【編集部MEMO】あらすじ
結婚、仕事、親の介護。幸せはぐるぐる巡った先にある。与野都(よの・みやこ)、30歳独身、契約社員。憧れだった東京を離れ、地元・茨城に戻ってきて1年の月日が経った。一生懸命頑張っても報われず、将来に不安を抱えて過ごす日々。そんな時に出会ったのは、優しいけれど経済的に不安定なアルバイト店員の羽島貫一(はしま・かんいち)。20代の頃のキラキラした恋愛とは違い、たくさんの「リアル」が突きつけられる中で、2人の関係は深まって、時に離れてを繰り返していく。波長が合うというだけで結婚しても良いのか。出産して子育てする未来はあるのか。さらには、一人っ子の都の肩にのしかかる親の介護問題の行く末は。「彼との出会いは、私をどこへ連れて行くんでしょうか……?」恋に、仕事に、親の介護に自分自身でぐるぐると思い悩んで、そんな自身の環境もぐるぐると移り変わっていく。まるで地球が自転しながら、公転するかのように。