友人や恋人、知人などから「お金を貸して」と言われて困ってしまったことはありませんか。お金の貸し借りは、トラブルに発展しがちです。

本記事では他人からよくお金を貸してと言われる人の特徴や、逆に借金を申し込む側の心理を紹介。お金を貸してと言われたら考えるべき点や、上手な断り方もまとめました。

  • お金を貸してと言われる人の特徴は?

    他人から借金を申し込まれやすい人の特徴や、お金を貸す際の注意点、上手な断り方などを紹介します

お金を貸してと言われる人の特徴とは?

誰もが気軽に「お金を貸して」と言われるわけではありません。お金の無心を頼まれる人には、いくつかの共通点があります。一つずつ詳しく解説します。

思いやりがあって優しい人

誰にでも親切で情が厚いタイプの人は、お金を貸してと言われやすいでしょう。他者に対して思いやりを持っているため、人が困っているときに手を差し伸べようとします。

そのため、「お金が足りなくて困っている」と言われると「自分に何か協力できることはないか」と考えて、お金を貸すことをOKする人もいます。大して仲良くもないのに「あの人に頼めば貸してくれそう」「返済が少し遅れても泣き落としすれば大丈夫」などと近づいてくる人もいるので、注意が必要です。

頼まれると断れない人

頼まれると断れない人も、お金を貸してと言われやすいので気を付けましょう。人から何か頼まれると断りづらくついつい引き受けてしまう人は、内心「嫌だな」と思っていても、ずるずると相手の言いなりになってしまいます。借金に関しても、自分で用意できないほどの高額でなければ、つい貸してしまう人がほとんどでしょう。

相手の申し出を受け入れることで「役に立てた」「必要とされている」と満足感を得られるなどであればいいとして、本当は気乗りしないのに、相手に言われるがままにOKしてしまうのは問題です。

頼まれると断れない人の優しい性格につけ込んで、「あの人なら頼めば断れないからお金を貸してくれるだろう」と近づいてくる人もいるので、誰の頼みでも聞こうとする姿勢は少々危険です。

穏やかであまり怒らない人

性格的に穏やかで争いごとを好まない人も、お金を貸してと言われやすいタイプでしょう。「断ることで関係が険悪になるくらいだったら、相手の申し出を受け入れてしまおう」と思いがちだということが、相手に伝わっている可能性があるからです。

さらに「あの人ならむちゃな金額を要求しても怒らないだろう」「返済が少し遅れても怒らないから大丈夫」などと、なめられてしまうこともあります。

ルーズな性格の人

ルーズな性格の人も「お金を貸してもらえそう」と人から思われやすいタイプです。細かいことを気にしない、ルーズな性格の人は、おおらかで気楽に付き合えます。自分がルーズなので、割り勘でも大ざっぱな計算で多めに支払ったり、貸し借りしていたお金のことを忘れてしまったりするので、お金に対して無頓着な印象を与えてしまうこともあるでしょう。

ルーズな人は自分にだけではなく相手にも寛容です。そのため、「いい加減な性格の人だから、ちょっと頼めば良く考えずにお金を貸してくれそう」「お金を借りて返さなくても忘れていそう」などと思われ、利用される危険があります。

人を信じやすい人

人を信じやすい人も、お金を貸してと言われやすいでしょう。人を信じやすい人は、素直でめったに人を疑いません。「期日までに支払わなければいけないお金がそろわない」「家族が手術をすることになって、助けるためにもう少しお金が必要」などと言われると、その言葉を信じてお金を貸してしまいます。

その人の良さを利用して、お金を借りようとする人もいるかもしれません。普段から特別親しくしていて、性格や事情をよく知る人ならまだしも、あまり親しくない人に急に打ち明け話をされてお金を貸してと言われた場合は、すぐに信じないようにしましょう。

お金持ちだと思われている人

お金持ちだと周りから思われている人も、お金を貸してと言われることが多いでしょう。

その際、親または自分が会社を経営している、土地を持っている、資産家であるといった人はもちろん、生活スタイルにお金を掛けているように見える人も、お金を貸してと言われやすいです。

例えば以下のような場合です。

  • 高級車に乗っている
  • しょっちゅう旅行している
  • 頻繁に高級店で外食している
  • 身の回りのものはブランド品が多いなど

「お金に困っていなさそうだから、少し借りられるかもしれない」と見られて、お金を無心されるかもしれません。特にSNSなどにこれらの写真をアップしていると、目をつけられやすくなる可能性があります。

お金を貸してと言う人の心理・理由とは

  • お金を無心してくる人の心理・原因

ここでは逆に、「お金を貸して」と言う人の心理や理由を見ていきましょう。お金を貸してと言う人も、さまざまな事情を抱えているのかもしれませんし、借金するという行為を軽く見ているのかもしれません。それぞれ解説していきます。

自己中心的

お金が無いとき、一般的に私たちは節約したり、十分なお金を用意するために一生懸命働いたりします。しかしすぐにお金を貸してと言う人は、自分で努力をせずに「お金が足りないから誰かに借りればいい」「お金がなくて困っているから誰か助けてほしい」と考える、自己中心的なタイプの人が多いでしょう。

相手を大切に思っていない

お金を貸してと気軽に言う人は、相手のことを大切に思っていないことも多いでしょう。

お金に関するトラブルで人間関係が壊れてしまうことはよくあります。「お金を貸して」と平気で相手に頼めるのは、それで相手が困ったり、返済のことでもめたりしても別に構わないと思っている可能性があります。

お金に対する考えが違う

お金を貸してと気軽に他人に言える人は、あなたとお金に対する考え方が異なる人という場合もあるでしょう。

お金は生活する上で必要不可欠で、非常に大切なものです。そして多くの場合、お金を稼ぐのには苦労が伴います。そのため自分で稼いだお金は自分や家族のために使ったり、将来に備えるために貯金したりという考え方が一般的でしょう。

それにも関わらず「お金を貸して」と平気で言える人は、お金の価値やそこに伴う他人の努力、お金を借りることを軽んじている可能性があります。

本当にお金に困っていて、他に頼める人がいない

自分も働く時間を増やすなどして努力はしているがそれだけでは間に合わず、さらに「お金を貸して」と言える人が他にはいない、というケースも考えられます。

例えば両親が他界していて兄弟がおらず、親戚とも疎遠、友達も少ない人などにとって、借金の相談ができる人は限られています。

お金を貸してと言われたら考えるべきこと・注意点

  • お金を貸してと言われたらどうする?

お金を貸してと言われたら、貸してもいい相手なのか、貸すべき理由があるのかなどをしっかり考えてから返事をしましょう。安易にお金を貸してしまうと、トラブルの元になります。

言われたお金を持っているか、そのお金が無くなっても困らないか

お金を貸してと言われたら、具体的な金額を確認しましょう。そしてその金額を自分が持っているのか、貸す余裕があるのかを考えてください。

たとえ手元にある金額であっても、それを貸すことで自分の生活費が足りなくなったり、本来そのお金を使用するはずだったことを諦めなければならなくなったりするのなら、貸してはいけません。

お金を貸すのは、自分の生活が脅かされない、十分な余力があるときだけにするのが無難です。

そしてお金を貸してという人は、借りるときには「必ず返すから」「次の給料日に支払う」などと言います。しかし、たとえ返済期日を2人で決めて約束しても、借りたお金を返さない人は存在します。

お金を貸すならあげるつもりで、たとえ無くなっても困らない範囲で貸すことをおすすめします。

相手をどれくらい信用できるか

お金を貸してと言われたら、相手をどれくらい信用できるか、今までの付き合いを振り返ってみてください。約束を守る人か、仕事や家族に対してどのように向き合う人かなど、自分が相手について知っていることから、信頼できる人か判断しましょう。

「いつも誠実なタイプで、簡単に人にお金を借りようとする人ではない」と思うなら、お金を貸してもいいかもしれません。ただし、どんなに信用している人でも、お金を必ず返してくれるとは限りません。そして返してもらえないとなれば、相手との関係は悪化するでしょう。

お金を貸すことで、お金と友人を両方とも失う可能性があることは理解しておきましょう。

借金したい理由を聞いて納得できるか

お金を貸してと言われたら、なぜお金が必要なのか聞いてみてください。借金したい理由が言えない人、はっきりしない人は論外なので、すぐ断りましょう。

「家族が入院して手術することになって、急いでお金が必要になった」「事業を拡大するために融資してほしい」など、お金が必要な理由を聞いて、自分が納得できるか考えます。

お金を貸す前に、自分の稼いだお金を相手がどう使うつもりなのかを知るのは当然の権利です。相手が貸したお金を有益に使うと思えるなら、貸してもいいかもしれません。

具体的な返済方法や返済期限

お金を貸してと言われたら、返済方法や返済期限について具体的にどうするのか話し合ってください。

人によっては現金を借りたのに、物やギフトカードなどで返そうとする場合があるかもしれません。また、一括で返済してもらうのか、分割にするのかも決めておきましょう。

返済期限や、利子をつけるのか貸した金額だけを返済してもらうのかも、あらかじめ決めておくべきです。

お互いに合意できる内容が決まったら、口約束だけではなく、借用書を作ったり、返済についての取り決めをメールや文書にまとめたりして、証拠として残しておくことをおすすめします。お金の受け渡しは、手渡しでなく客観的な証拠が残る銀行振り込みにした方がいいでしょう。

なお利息については、利息制限法第1条出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)第5条1項にて上限が定められています。

お金が返ってこなかった場合はどうするか

お金を貸したのに返済してもらえなかった場合、どうするかも考えておきましょう。親しい間柄で信用している人であっても、お金を貸して絶対に返してもらえる保障はありません。

お金を返済してもらえないと、貸したお金を失うだけではなく、信頼関係が築けていると思っていた相手との関係が壊れてしまう可能性もあります。

もし期日までに貸したお金が返ってこなかった場合、返済を先延ばしにできるのか、お金を諦めて相手との関係を断ち切るか、または良好な関係性を維持するために借金を帳消しにできるかなど、具体的にどう動くかを自分の中で決めておくといいでしょう。

なお前述のように、あくまで「お金を貸すならあげるつもりで」というのが前提となります。

お金を貸してと言われたときの上手な断り方とは

  • 借金を申し込まれたときの上手な断り方

お金を貸してと言われて断りたい場合、うまく断らないと相手との関係性がギクシャクしたり、どちらかの心にモヤモヤが残ったりしてしまいます。そこで良好な関係性を維持できるような断り方を、いくつか紹介します。

「ごめんなさい、お金は貸せません」

まず基本として、「ハッキリと断る」ということが大切です。適当にはぐらかしたり、話をそらしたりしても、何度も同じことを言われて問題が解決しません。

また曖昧に答えていると勘違いされて、後から「貸してくれるって言ったじゃん!」などと言われてしまうかもしれません。

「気の毒だとは思うが、お金は貸せない」ということを、しっかりと言葉にしましょう。

「自分もお金が無いから貸せないんだ」

それだけだと角が立ちそうだという場合は、「自分も貸すほどの余裕が無い」ということを伝えましょう。

「親に仕送りをしていて余裕が無いんだ」「子どもの学費をためないといけないから無理なんだ」「ローンの支払いでカツカツなんだ」

それでも食い下がってくる場合は、お金が無いということの具体的な理由を述べて断りましょう。

それにも関わらずしつこくしてくる人は、「お金を貸すことであなたが苦しんだとしても構わない」と思っているということなので、今後の関係を考え直してもいいかもしれません。

「私も親に借金をしているから無理なんだ」「奨学金の返済で苦しいから貸せないの」

「自分にも借金がある、返済がある」と言うのも、お金の無心を断る文句として有効でしょう。

実際に借金があるかどうか、返済のペースが苦しいかどうかは関係ありません。多少お金に余裕があるとしても、貸したくないのであれば「うそは方便」と思って、上手に活用しましょう。

「小遣い制だから、自分で自由にできるお金は無いんだ」「妻(夫)が厳しいので勝手に使えないんだ」

持ち物やSNSの投稿などから、「羽振りが良さそうじゃないか」などと言われた場合は、このような理由を述べるのもいいでしょう。

配偶者の許可を得る必要があるとなれば、お金を借りようとしていた側もひるんで諦めるのではないでしょうか。

「以前、お金の貸し借りでもめた友達がいるから、お金は貸さないって決めている」

「お金の貸し借りはしないことに決めている」というスタンスを示すのもいいでしょう。あなたが大切じゃないから貸さないのではなく、誰であろうと貸さないのだ、ということを伝えます。

実際にお金の貸し借りでもめれば、相手を信頼できなくなり、関係にヒビが入ることも多いです。だからこそ、むしろ大切だからこそ貸したくない、いい関係を続けたいから貸すのは嫌だ、という気持ちを伝えましょう。

親しい相手でも、お金の貸し借りは慎重に

お金を貸してと言われやすい人は、優しい人、頼まれると断れない人、ルーズな性格でお金を気軽に貸してくれそうな人などです。

経済的に余裕があって相手のことを信用できるならお金を貸すというのも一つの選択肢ですが、返ってこない可能性があることを認識して、貸すのならばあげるつもりで貸しましょう。

相手との良好な関係を続けたいなら、上手に断った方がいいかもしれません。