俳優の本郷奏多と大沢一菜がW主演を務め、現在放送中のテレビ東京の木ドラ24枠『姪のメイ』 (毎週木曜24:30~)。姉夫婦を事故で亡くした主人公・小津(本郷)が姪っ子・メイ(大沢)を1カ月だけ引き取ることになり福島県楢葉町へ仮移住する、ひと夏の出来事を描いたヒューマンコメディで、都会で育った現代的な思考をもつ32歳独身男子と、芸術家肌で達観した12歳の女子というミスマッチな2人の距離の変化が描かれていく。

  • ドラマ『姪のメイ』

■デスゲームではない本郷奏多、『こちらあみ子』で注目の大沢一菜

今回連続ドラマのW主演に抜擢された大沢一菜は12歳の子役。2022年に公開された映画『こちらあみ子』で主演を務め、同作は映画賞を軒並み受賞、大沢本人も第36回 高崎映画祭 最優秀新人俳優賞に輝いた。青野華生子プロデューサーが大沢を知ったことが、今作の企画構想に影響を与えていたという。

青野華生子プロデューサー

「去年彼女を知ってひと目で魅力を感じご一緒したい気持ちがあり、2011年生まれというところが、今回の福島12市町村を舞台にしたドラマにつながりました。一菜ちゃんは最初、人見知りがすごくて全然しゃべらなかったんですけど、徐々に本性を現し始めて、出演者、スタッフ分け隔てなく絡みにいくようになりました(笑)。本当に純粋で、人を選ばない感じ。でもスタートがかかったら雰囲気が変わるし、目が離せない面白さがあります。何かの時に、私が『女優は顔が命だもんね』と言ったら、『違うよ。女優は性格が命だよ』と返してきて、こちらが『ごめんね、間違ってた』と(笑)。そういう部分が、今回演じてもらったメイに通じます。もともとメイのキャラクターは、一菜ちゃんの顔を見て書き始めて、その後で面談もして一気に本人に近づけていったところはありました。ただ、メイのお父さん譲りの『哲学好き』という設定は本人とは違ったので、セリフも難しかったみたいで『初めて国語辞典で勉強した』と言っていました」(青野プロデューサー、以下同)

実はまだ演技の経験が多いわけではない大沢。しかし、周囲が惹かれる魅力を持っていた。

「ずっと元気! スタッフやキャストのあだ名を勝手につけたりしていました。天才肌で、映像に愛されている感じがします。編集中も『この表情、すごい!』ということが何度もあって、まだ演技の技術が追いついていない部分もありますけど、とにかく素材がすごい。この素材でさらに技術を身につけたら大女優になるでしょうし、本人も演技することが楽しいという気持ちが強いのかなという印象があります」

一方、主人公の小津を演じるのは本郷奏多。役者として長いキャリアを築いているが、最近はポーカーの世界大会「Asia Pacific Poker Tour(APPT)」でベスト4になったことでも話題を呼び、クールな面が魅力でもある。

「本郷さんには、ザ・現代人で合理的、無駄な事は嫌いという小津のキャラクターがぴったり。役の説明をしたら、ご本人も『あ、大丈夫です。僕、結構な合理主義なので』と。虫が嫌いで騒ぐシーンも出てくるのですが、本郷さん自身も本当に虫が嫌いなようで、撮影現場でも逃げていました(笑)。でもクレバーでとても優しいし、いつも一菜ちゃんと遊んでいて。普段は休憩時間を寝て過ごすタイプらしいですけど、けっこう一緒に散策へ行ったりされていました。これまでに出演されていたのはデスゲーム的な作品が多くて、等身大の役はほとんどなかったそうで。しかも、『お父さん役がやりたい』と言っていたタイミングでの叔父役で、『近づけた』と喜んでくれました。でも、見た目が若々しいですよね。第3話ゲストの永野さんなんか『17歳ぐらいだと思いました!』と驚いていました(笑)」

今作で移住者やメイの両親として出演するのは、田中美奈子、川田広樹(ガレッジセール)、橋本淳、清水葉月、土居志央梨、岩田奏、真飛聖、竹原ピストル、関智一、須藤理彩といった面々。主演の大沢と同じく映画や舞台で注目を受ける俳優や、お笑い芸人、アーティスト、声優とさまざまなバックグラウンドを持つキャストが集まったが、そこに意図はあるのだろうか。

「メイのお父さん役の関智一さんは、メイが空想の中で対話する人形の声としても出てくるので、声優さんがいいかもしれないと思いオファーしました。家族だけのシーンの撮影のとき、まだ人見知りモードでおとなしい一菜ちゃんにいきなりエンジン全開で接していて、面白かった。母親役の須藤さんも本当に明るくて優しくて、短時間ですっかり “親子”になっていました。移住者役の方達は、ガレッジセールの川田さんも唸るぐらいにお上手ですし、真飛さんも宝塚ご出身で一見綺麗なのですけど、ちょっと茶目っ気のある感じが役にぴったりで。それから、赤井役の竹原さんは『直ちゃんは小学三年生』からのご縁もありご出演いただきました。『直ちゃん』で前原滉さんが演じていたてつちんと兄のはずちん(岡山天音)は福島に引っ越すのですが、今回の赤井は、2人のお父さんという“超裏設定”があります(笑)。いろいろな特性のある福島12市町村のそれぞれの町に住む人物を演じてもらいたいという部分があったので、自然とバックグラウンドが豊かになったのかもしれません。今って、日常で人に迷惑を合うことが忌避されがちだと思うんです。特に都会はそうですよね。だから本来の共同体のあり方というか、さまざまな個性、欠点を持つ人間同士が共生する姿を描きたかったんです」

(C)「姪のメイ」製作委員会