私たちの生活に欠かせない水。サントリーが運営する「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」は、そんな水に着目した体験型施設になっている。今回はアラサー筆者が、学生時代ぶりの工場見学に行ってきた。

  • サントリーが運営する「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」に行ってきた

■どんな工場?

東京から電車とタクシーを乗り継いで約4時間。長野県大町市という美しい自然に囲まれた町に「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」はある。

  • サントリー天然水

同施設は、山梨県の南アルプス・熊本県の阿蘇・鳥取県の奥大山に続く第4の水源となる「長野県の北アルプス(大町市)」に位置する生産拠点。ここでは「サントリー天然水」を製造するだけでなく、コンテンツを通して水の大切さや天然水の"清冽さ"を伝えている。どんなものがあるのか、その内部を紹介していこう。

■五感で感じる体験施設

車を降りると、まずは雄大な自然がお出迎え。川のせせらぎ、鳥のさえずり、澄んだ空気と、全身で自然を感じることができる。

いつもは味わえない開放感に浸りながら歩を進めると、無機質な入り口が突如として現れる。これはなんだ?といぶかしげに入り口を通り抜けると、そこには青い光に包まれた幻想的な空間が広がる。

  • 青のトンネルは、天然水の清冽さをイメージしているのだとか

スタッフによると、「日常と非日常をつなぐ通路として、情報を遮断し五感を研ぎ澄ませてもらうトンネル」なんだとか。歩くだけの道にも仕掛けが施されており、ただの工場見学とは違った雰囲気を演出する。

高まる期待感を胸に、続いて向かったのは「天然水ハウス」。レセプション施設とセミナールームで構成されており、レセプションには水の循環を伝える展示やショップが併設されている。

  • 天然水ハウス

注目は、オシャレでかわいらしいオリジナルグッズの数々。ポストカードやエコバッグはここでしか購入できない同店限定のオリジナルグッズなんだとか。

  • ショップにはたくさんのグッズがある

個人的に面白かったのは、4種類の「サントリー天然水」。実は、「サントリー天然水」には南アルプス・北アルプス・奥大山・阿蘇と4水源あり、パッケージも微妙に違うことをみなさんは知っているだろうか。

通常、4水源の天然水が同時に並んでいるところはなかなか目にできない。ショップにも常にあるわけではないとのことだったが、この日は偶然にも全種類そろっていた。水源の違いを飲み分けるなんてあまりない経験なので、ぜひ興味のある人は購入してやってみてほしい。

  • 阿蘇・奥大山・南アルプス・北アルプスの4水源の天然水

■自然を感じる広場・カフェ

その後は、目の前に広がる広場へ! この日はあいにくの曇りだったが晴れていれば目の前には餓鬼岳が見えるそう。ちなみに、餓鬼岳は「サントリー天然水(北アルプス)」のパッケージに描かれているあの山。くぅ! なおさら拝みたかったぜ……。

  • 広場

また、土・日・祝日や長期連休期間であれば「みずのわカフェ」がオープン。地元の旬の食材を使ったポタージュや天然水仕込みのクラフトソーダ、かき氷などを提供しているので、雄大な自然を眺めながらおなかを満たすのもおすすめだ。

  • みずのわカフェ

■天然水の旅を体感できる特別ツアー

と、ここまでは訪れた人であれば、誰でも行くことができる場所。ここからは、ツアー予約をした人だけが行ける場所を見ていこう。

やってきたのは「ものづくり棟」。ここでは、天然水づくりに加え、水の重要性を様々なコンテンツを通して学ぶことができる。

  • サントリー天然水のパッケージにも描かれている餓鬼岳をイメージして作られたモニュメントが設置されている

ツアーの始まりは大迫力のウォーターシアターから。ここでは水の目線になって天然水ができるまでの旅路を見ていく。海を出発地点とし、雨になり、森に受け止められ、地層を通ってきれいな水になる……ここではわずか数分の映像だったが実際はなんと20年以上もかかるのだとか。想像以上に、いつも飲んでいる天然水って貴重なんだと、しみじみ感じた。

  • 横8m・縦6mの大スクリーンで、天然水がはじまり~出来上がるまでの旅を見る

続いては、精巧につくられた展示物を見ながら天然水が育まれる工程や製造工程をさらに詳しく学ぶ。個人的には、目には見えない生き物がいることで水の汚れが取り除かれること、豊かな森や自然を保つことで美味しい水につながることなど、普段は意識することのない、けれど美味し水には欠かせないプロセスを知ることができ、非常に興味深かった。

その後は、工場で働く人が毎日使う「エアシャワー」を体験したり、普段見ることができない製造現場をウォッチできたりと、子どもも大人もワクワクする体験がかなう。

  • 操作盤のようなものがあり、こちらで製造の各工程を自身で操作して見ることが可能

そして、最後はここまでずっと学んできた天然水をゲット。わーい! わーい!

こちらは、広場で飲むのもいいのだがおすすめの場所はアルプステラス! 自然と一体感を味わえるテラスからは、運が良ければ餓鬼岳を間近に望むことができる。

  • アルプステラス

美しい自然に囲まれたのはもちろん、天然水が誕生するまでの長い旅路を知ったからだろうか。いつもより水が美味しく感じられたのだった。


まるで心が浄化されるような工場見学。ワクワクすると同時に日々の疲れも癒やされたように思う。なお、本施設は冬季休業するため、秋のおでかけシーズンの今が来訪チャンス。気になる方はぜひチェックしてみてほしい。

■Information
サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場
【場所】長野県大町市常盤8071-1
【休業日】月曜日・火曜日・工場休業日等(冬季休業・臨時休業あり)
 ※冬季休業:1~3月、12月
【営業時間】9:30~16:30(最終入場15:30)